改訂長谷川式スケールの実際

改訂長谷川式スケールの実際【いまさら聞けない看護技術】

目的

  • 改訂長谷川式スケールの実際について理解を深める

概要

  • 長谷川式簡易知能スケールとは、日本で最もよく知られている認知症の知能の検査である
  • 1991年に改定され、現在のものは「改訂長谷川式スケール(HDS-R)」と呼ばれている
  • 改訂長谷川式スケールは基本的に質問を行うだけでよいため、比較的高齢者に受け入れられやすいのが特徴
  • 認知症の早期発見に適した検査である
  • 言葉を用いた検査であり、言語性知能を診断する
  • デメリットとしては、
    • 結果は患者の教養に左右される部分が多い
    • 動作性知能は把握できない   などがある

検査の進め方

以下の質問を患者に行う

  • 質問1:「あなたは何歳ですか」
    • 2歳までの誤差を正解とする
    • 正解:1点、不正解:0点になる
  • 質問2:「今日は何年の何月何日ですか、何曜日ですか」
    • 正解:年・月・日・曜日で各1点
  • 質問3:「私たちが今いるところはどこですか」
    • 回答が得られない場合は、5秒後にヒントを教える
    • 自発的に回答できた場合:2点
    • 質問後、回答が得られない場合は5秒後に「家ですか?病院ですか?施設ですか?」などのヒントを与え、正しい選択ができたら1点
  • 質問4:「これから言う3つの言葉を言ってみてください。あとの設問でまた聞きますのでよく覚えておいてください」
    • 以下の系列のいずれか1つで、採用した系列に○印をしておく。
      系列1   a)桜   b)猫   c)電車
      系列2   a)梅   b)犬   c)自動車
    • 正解:言葉ごとに各1点ずつ、3つ正解なら3点、2つなら2点、1つなら1点
    • 誤答があった場合は正しい答えを伝え、再度覚えてもらう
    • 3回以上言っても覚えられない言葉があった場合、横線で消す
  • 質問5:「100から7を順番に引いてください」(Aに正解のときのみBも行う)
    • A)100 - 7は?
    • B)それから7を引くと?
    • 正解:A、B各1点ずつ、不正解:0点
  • 質問6:「これから言う数字を逆から言ってください」(Aに正解のときのみBも行う)
    • A)6-8-2
    • B)3-5-2-9
    • 正解:A、B各1点ずつ、不正解:0点
  • 質問7:「先ほど覚えてもらった言葉(質問4の3つの言葉)をもう一度言ってみてください」
    • 正解がでなかった言葉がある場合、ヒントを与える
    • 自発的に答えられた場合を2点
    • ヒント(a) 植物 b) 動物 c)乗り物)を与えることで正解できたら1点
  • 質問8:「これから5つの品物を見せます。それを隠しますので何があったか言って下さい」
    • 1つずつ名前を言いながら並べ、覚えてもらい、品物を隠す
    • 時計、くし、はさみ、タバコ、ペンなど必ず相互に無関係なものを使用する
    • 1つ正解するごとに1点
  • 質問9:「知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください」
    • 答えた野菜の名前を記入していき、途中で言葉が詰まり、その後10秒以上待っても正解が出ない場合は打ち切る
    • 正答数10個以上を5点、正答数9個を4点、正答数8個を3点、正答数7個を2点、正答数6個を1点、正答数5個以下の場合は0点とする
医師が口頭で尋ね、患者が口頭で答える
診察には家族も同席することが望ましい
介護本などにテスト問題は掲載されているが、予習として患者本人に見せないよう、家族に事前に説明する
本人が納得してテストを受けられるよう、家族にも協力してもらい、患者からの了解を得る

評価のポイント

  • 患者が体調不良時やうつ状態にある場合あるいは検査に非協力的なときには本来の結果よりも点数が低くなる可能性がある
  • 患者のその時の状況を考慮し、総合的な判断を行うことが必要である

アセスメント

  • 改訂長谷川式スケールは主に記憶に関連した9つの質問で成り立つ
  • 満点は30点、一般的には20点以下であるとき、認知症の可能性が高いと判断される

認知症の重症度別の平均点

  • 認知症ではない:24.3点
  • 軽度認知症:19.1点
  • 中等度認知症:15.4点
  • やや高度認知症:10.7点
  • 高度認知症: 4.0点
20点以下は認知症の疑いがあるとされているが、記憶中枢以外の部位に障害が起こるピック病やレビー小体型認知症の場合は高得点を取る患者もいるため、明確に区別をつけるのは難しいとされている

改訂長谷川式スケールで誤差が生じる場合

  • 認知症のタイプによって、得意な問題、苦手な問題がある
    • アルツハイマー型認知症の場合、遅延再生(質問7)が苦手
    • レビー小体型認知症の患者は、遅延再生(質問7)が得意
    • ピック病の患者は、脳の記憶中枢ではない前頭葉から萎縮がはじまるため、高い点数を取る場合がある
  • 認知機能に問題はなくとも、高齢者の場合、戦争の影響で小学校を卒業できなかったなどの理由で、質問に答えられない場合もある
  • 自分の教養に対し、劣等感を持っている患者の場合、質問されること自体が苦手なことが多い
  • 「果物を10個言ってください」と指示すると「くだもの、くだもの、くだもの」と連呼することがある
    • こちらの問いに対しての解釈が違う場合は、判断が困難になることもある
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
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