いまさら聞けない看護技術

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頭蓋内圧亢進患者への対応

頭蓋内圧亢進患者への対応【いまさら聞けない看護技術】

目的

頭蓋内圧亢進症状の病態を理解し、異常の早期発見・対応に努め、脳ヘルニアへの移行を予防する

疾患の概要

頭蓋内圧亢進とは

  • 頭蓋内にある脳実質・脳脊髄液・血液のうち、どれかの容積が増えた場合はそれ以外の容積を減らすことにより頭蓋内圧は一定に保たれている
  • 頭蓋内圧が一定以上に上昇すると、脳灌流圧の低下から、PaC02の上昇や脳虚血を引き起こし、さらに頭蓋内圧が上昇するという悪循環が起こる
  • 頭蓋内圧の上昇が続くと脳ヘルニアに移行してしまうため、早期発見および早期治療が重要となる
正常時の成人の頭蓋内圧は、臥位では60~150mmHgに保たれている

原因

  • 脳浮腫:頭蓋内での何らかの病変に伴う脳の容積の増大
  • 水頭症:脳脊髄液の通過障害による、頭蓋内にある髄液の増大
  • 脳の循環障害:特に、静脈系が閉塞する静脈洞血栓症など
  • 占拠性病変:脳腫瘍、頭蓋内血腫など、正常ではない占拠物の増大
  • その他、狭頭症(頭蓋内部が病的に狭小した状態)や、外傷(頭蓋骨の巨大陥没骨折)なども原因となる

症状

  • 頭蓋内圧充進の症状は、短時間のうちに急速に現われてくる場合(急性症状)と、長い時間をかけて徐々に現われてくる場合(慢性症状)があり、急性症状は生命の危機に関わる

急性症状

  • 原因:悪性脳腫瘍、脳膿瘍、頭蓋内血腫、水頭症
  • 他覚的な症状:クッシング現象(除脈、血圧上昇)、意識障害、網膜出血、けいれん
  • 自覚症状:激しい頭痛、悪心・嘔吐

慢性症状

  • 原因:良性脳腫瘍、特発性頭蓋内圧亢進症、先天異常など
  • 他覚的症状:記憶障害、人格変化、外転神経麻痺、うっ血乳頭
  • 自覚的症状:早朝頭痛(睡眠後の頭痛)、眩暈、消化器症状を伴わない悪心・嘔吐、うっ血乳頭による視力障害など
クッシング現象とは
●急激な頭蓋内圧亢進によりみられる、血圧上昇と除脈のこと
●頭蓋内圧が高度に亢進すると脳血液循環障害が起こり、この代償として末梢血管抵抗が増大することで全身の血圧が上昇する
●同時に、上昇した血圧を一定に保とうとする働きが起こり、心拍出量の低下から心拍数の低下(徐脈)を来すといわれている
 うっ血乳頭(乳頭浮腫)とは
●頭蓋内圧が亢進することで視神経乳頭を圧迫し、うっ血(浮腫)を生じる
●視神経乳頭が腫脹することにより盲点の拡大がみられ、視力障害を生じる

検査・診断

  • 頭蓋内圧亢進が疑が割れる場合、CTやMRIにより原因を検索する
  • 頭蓋内圧の測定により確定診断となり、脳室内圧・硬膜下腔圧・硬膜外腔圧・脳組織圧などの頭蓋内圧モニタリングを行う
  • 眼底検査を行う場合もあるが、初期にはうっ血乳頭が確認できないこともある
頭蓋内圧測定時の禁忌
腰椎穿刺では穿刺部の髄液圧が低下するため、急激な頭蓋内との圧勾配の変化が起こるため、脳ヘルニアのリスクが高まるため、禁忌となる

脳ヘルニアとは

  • 脳嵌頓(のうかんとん)、脳嵌入(のうかんにゅう)とも呼ばれる
  • 頭蓋内は大脳鎌や小脳テントにより仕切られているが、頭蓋内圧が亢進することで圧力の高い部分から低い部分へ脳実質が移動し、押し出された状態を脳ヘルニアという
  • 一旦、脳ヘルニアを起こすと重篤な経過をたどり、脳死を起こす可能性が高くなる

治療

  • 脳の循環代謝を正常範囲内に保ち、脳ヘルニアへの移行を予防することが重要となる

全身管理

  • 呼吸管理:血中酸素濃度を十分に保ち、二酸化炭素濃度を低下させる
  • 輸液管理および頭部20~30°拳上の維持

内科的治療(降圧療法)

  • 抗浮腫療法:浸透圧利尿薬で利尿を促進したり、ステロイドなどで血管透過性を抑制することで脳浮腫を改善し、頭蓋内圧を低下させる
  • バルビツレート療法:脳血管を収縮させることで脳血流を減少させ、脳代謝や脳酸素消費を低下させる事で頭蓋内圧を低下させる
  • 低体温療法:体温を32~ 34℃に下げ、脳代謝の低下から脳血液量を減少させ、頭蓋内圧を低下させる

外科的治療(根治的治療)

  • 占拠的病変の摘出:脳腫瘍や血腫の場合は、それぞれの摘出術を行う
  • 脳室穿刺・脳室ドレナージ:頭蓋内から髄液を排出させる
  • 外減圧手術:頭蓋骨を切り取り、そのままの状態を維持することで圧を外部へ逃がす
  • 内減圧手術:壊死した組織を除去することで頭蓋内部からの減圧を図る

観察項目

  • バイタルサインの変動(収縮期血圧と拡張期血圧の下降による脈圧の増大、除脈、  異常呼吸、体温の上昇)
  • 意識レベルの変化
  • かすみ眼や複視・瞬間的な視覚の灰色化などの瞳孔所見
  • 頭痛、悪心・嘔吐など、頭蓋内圧亢進を示す自覚症状の有無やその変化
  • 頭蓋内圧亢進に関わる因子
    • 脳虚血によるアシドーシスから脳浮腫を起こすと頭蓋内圧が上昇する
    • PaCO2の上昇による脳血管拡張が起こると、脳血流量が増加し頭蓋内圧が上昇する
    • 睡眠時の呼吸抑制(PaCO2の上昇をもたらす)、長時間の臥位(静脈還流の減少から髄液量・髄液圧の上昇をもたらす)
    • この他、体位変換、気管吸引によるストレスなど
特に月経不順の肥満女性に多いとされるのが特発性頭蓋内圧亢進症(ilCH)で、頭蓋内に器質的な疾患がなくても頭蓋内圧亢進症を示す場合がある

アセスメント

  • 頭蓋内圧亢進症状が見られる場合、脳ヘルニアを起こすリスクがあるという事を念頭に置いてケアを行っているか
  • 頭蓋内圧亢進を助長させるリスクがあるケア(体位変換や吸引など)を行う場合、その前後での全身状態の変化に注意していたか

合併症予防

  • 頭蓋内圧を亢進させる因子の除去
  • 脳に十分な酸素を供給するための呼吸管理
  • 頭部を15~30°拳上させ頭部の圧迫・屈曲を避けることで脳の静脈還流を促進させる
  • 便秘傾向の患者には、下剤を使用しスムーズな排便ができるよう援助する
  • 咳やくしゃみに対して適宜鎮咳薬の使用、頭痛に対して鎮痛剤を使用する

注意点

  • 早期に頭蓋内圧亢進症状を発見する事が重要であるため、患者にも以下の症状がある場合はすぐに知らせるよう十分説明する
    • 頭痛や嘔気・嘔吐
    • ものが見えにくい、2重に見える  など
  • 便秘の場合でも浣腸は頭蓋内圧亢進を増悪させる可能性があるため、慎重に行う(場合によっては禁忌となる)
  • 頭蓋内圧亢進時に使用する脳圧降下剤は、脱水や電解質異常を来たしやすいので、水分出納量のチェックが必要である
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