鼻アレルギー検査の介助

鼻アレルギー検査の介助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年7月4日
最終更新日:2013年7月4日
(変更日:2013年6月27日) ※

目的

  • 鼻アレルギー検査が適切に行われるように援助する

必要物品・準備

鼻汁細胞診

  • 鼻汁採取用の綿棒
  • スライドグラス
  • 固定用メタノール

皮膚反応による抗原検査

  • プリック法あるいはスクラッチ法:注射針、抗原エキス
  • 鼻粘膜誘発検査:検査用ディスク

方法

鼻汁細胞診

  1. 鼻腔内より綿棒で鼻汁を採取する
  2. 鼻汁をスライドグラスに塗沐し、メタノールで固定し、細胞を染色する
  3. 顕微鏡下で染色した細胞を観察する

皮膚反応による抗原検査

プリック法あるいはスクラッチ法

  1. 皮膚を軽く注射針などで刺した(プリック法)、あるいは引っ掻いた(スクラッチ法)後、抗原エキスをその部位につける
  2. 約15~20分後に紅斑や膨隆疹の有無を確認し、計測する
  3. 鼻粘膜誘発検査 抗原が含まれていないディスクを対照的に置き、非特異的な反応がないことを確認する
  4. 下鼻介前端粘膜の表面に抗原が含まれているディスクを置き、約5分間観察する
  5. 1)下甲介粘膜の蒼白腫脹、2)水様性鼻汁、3)鼻の掻痒感を観察する

皮内法

  1. 腕の内側に専用の抗原エキスを約4cmの間隔で皮内に0.02ml注入する
  2. 注入した箇所がわかるよう、テープなどで目印をつけておく
  3. 約15分~20分後、注入した部分の紅班や膨隆疹の大きさを測定する

観察項目

  • 鼻閉の有無
  • 水性の鼻漏の有無
  • 発症時期
  • 発症の誘因
  • 好発しやすい季節
  • 発作性に起こるくしゃみの有無
  • プリック法あるいはスクラッチ法:紅斑や膨隆疹の有無
  • 鼻粘膜誘発検査:下甲介粘膜の蒼白腫脹、水様性鼻汁、鼻の掻痒感の有無

アセスメント

  • それぞれの検査の特性を理解し、結果についての検討を行ったか
    • 鼻汁細胞
      • 鼻汁の中には好中球・好酸球・好塩基球などがあるが、鼻アレルギーの場合、特に好酸球が増加する
    • 皮膚反応による抗原検査
      • 膨隆疹の大きさが5mm以上あるいは紅斑または膨隆疹の大きさが対照と比較して2倍以上を陽性とする
      • 安全性は皮内法よりも高いため、幼児に行われることが多い
皮内法に比べ、プリック法やスクラッチ法は感度が落ちるので、情報収集の際、抗体の原因である疑いがありながらも結果が陰性の場合は皮内法を行うことも検討する
    • 血中好酸球値と血清中IgE抗体の測定
      • 血中の好酸球値と血清中に含まれる総IgE値を測定する検査は、アレルギーの有無を判定するのに有効である
      • 単独でアレルギー性鼻炎が起こっている場合、もしくは花粉症のみがある場合は好酸球値あるいは総IgE値の両方の値が正常であることが多い
アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー性疾患を合併している場合は高い値を呈することがあるため、必要時は他の検査を併用して行うことも検討する
    • 抗原特異的lgE抗体測定
      • 特異抗原に対しての特異抗体を定量化したり、特異的なIgE値の測定を行う場合に用いる
    • 鼻鏡検
      • 鼻アレルギーに特徴的な所見は鼻汁(水様性)の分泌と、下甲介粘膜の腫脹であり、特に花粉症においては急性炎症による粘膜発赤が見られることが多
    • 鼻粘膜誘発検査
      • 抗原検査にて陽性を呈した抗原が、本当の原因抗原かどうかを判定するために行う検査である
      • 1)下甲介粘膜の蒼白腫脹、2)水様性鼻汁、3)鼻の掻痒感の項目で、2つ以上の症状が認められた場合は陽性(1+)であり、1)~3)の全ての症状が出現する上に、くしゃみが5回以下の場合(2+)、6回以上の場合(3+)と判定す
    • 画像診断
      • 鼻部のレントゲン検査(ウォーターズ法および側面撮影法、コールドウェル法)では、副鼻腔の陰影は軽度もしくは正常であることが多い

注意点

  • 鼻アレルギーの場合、色々な因子が関連していることが多いため、短時間で効率的に情報収集ができるよう問診票などの工夫を行う
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