成人のオムツ交換

成人のオムツ交換【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年7月25日
最終更新日:2018年08月14日
(変更日:2018年10月31日) ※

目的

  • 成人のオムツ交換を行う際の必要物品やポイントについて理解する
  • 患者の個別性に合ったおむつ交換が行える

必要物品・準備

必要物品

  • ディスポーサブル手袋
  • 新しいオムツ
  • 陰部・臀部ケア物品(清拭用タオル、陰部洗浄物品)
  • 処置用シーツ
  • トイレットペーパー
  • 交換したオムツを入れるビニール袋

準備

  1. 患者に適したオムツを選択する
    • 布オムツ:再利用でき経済的だが、洗濯の必要があり身体を動かしにくいという短所がある
    • 紙オムツ:種類も多く、肌触りや吸収性がよく、患者に適したタイプを選べる
      • パンツ型:排泄の自立訓練時や失禁の可能性がある場合に使用、吸収量は商品により異なり用途により選択
      • テープ型:長期臥床患者、排泄の全介助患者に適する
      • フラット型:オムツカバーと併用し長期臥床患者や排泄の全介助患者に適する、様々な体格の患者に使用可能
      • パッド型:ADLが自立し失禁量が少ない場合に単独で使用、パンツ型・テープ型を組み合わせオムツ交換時にパッドのみ交換すれば経済的
    • 患者の排泄量やADLの状況に応じて、以下の選択基準をもとにオムツを選択する
      • 体型
      • ADLの状況(歩行、座位、ベッド上なのか)
      • 1回の尿量、尿意の有無、排尿間隔の状況
      • 使用時間はどの程度か(短・長時間/昼間のみ夜間のみ など)
      • 今後は排泄自立を目標としているか
  2. オムツ交換するための環境整備をする
    • 患者に不快感を与えないように、排泄援助者の手を温めておく
    • 排泄の途中で他者が入って来ないよう配慮する
    • 患者の自尊心・羞恥心に配慮し、対応に注意しながら援助を行う

方法

  1. ディスポーサブル手袋を着用し、ズボンを脱げるよう援助し、排泄物の寝具への汚染を防ぐため臀部の下に処置用シーツを敷く
  2. オムツを広げ、温かい清拭用タオルで陰部を拭く
  3. 看護師側の汚染したオムツの端を、患者の身体の下に丸めて軽く押し込む
  4. 患者を看護師側に側臥位とし、汚染したオムツを汚染部位を内側にしながら小さくまとめ取り除く
  5. 汚染したオムツは、廃棄用のビニール袋に入れる
  6. 臀部を清拭する
    ※汚れが落ちにくい場合は便器を入れ洗浄する
  7. 新しいオムツの中心が患者の臀部の中心になるよう敷きこみ、同時に処置用シーツの汚染部位が内側になるように丸めながら、患者の身体の下に入れ込む
    ※オムツと処置用シーツを一緒に丸めこまないように注意する
  8. 患者を仰臥位にし、処置用シーツを引き出し取り除く
  9. オムツを引き出し、股間の幅に合わせてオムツの中心を外側からつまみながら引き上げ装着する
    オムツ装着時、状況に応じて尿とりパッドを使用する

    ●女性がオムツ使用し仰臥位で排尿した場合、臀部まで尿が伝わり汚染するため、広範囲の清拭が必要となる
    ●排便後は鼠径部、男性は陰嚢の裏側、女性では外陰唇内側・小陰唇周囲が汚れやすいため、洗浄したほうがよい
    ●皮膚障害や尿路感染予防の目的でも、1日1回の陰部洗浄を行う
  10. 片づけをし、ベッド周囲の環境を整備する
    • 汚染したオムツを処理する場合、汚染部位が見えないよう内側に小さくたたみ、ビニール袋に入れる
    • 感染に注意し、所定の方法で汚染物や使用した物品を片付ける
  • 紙オムツ使用前に広げ中心で折っておくと、使いやすく体にフィットしやすい
  • テープ型紙オムツ・尿とりパッドの中心をつまみ股間に当てると、紙オムツが股間の幅に合い装着中の不快感の軽減につながり、尿道口周囲に谷間ができ尿漏れ防止にもなる

観察項目

  • 安静度、ADLの状況(歩行、座位、ベッド上なのか)
  • 1回の尿量、尿意の有無、排尿間隔の状況
  • 尿失禁・便失禁の有無とその原因について把握
  • 体型はどうか
  • オムツの使用時間はどの程度か(短・長時間か、昼間か夜間か)
  • 今後は排泄自立を目標としているか、治療方針などの確認
  • ベッドサイドとその周囲の環境の把握
  • 皮膚状態、褥瘡の有無やリスクの把握(発赤の有無、骨突出、低栄養など)

アセスメント

  • 患者がオムツ使用の必要性があるのかアセスメントし、尿失禁・便失禁のある場合は原因検索し、常に排泄自立に向けた援助ができているか
  • オムツ着用が適応となる場合
    • 尿意や便意がないか曖昧である
    • 失禁する心配があり、着用による安心が得られる
    • 術後回復期で尿意・便意の訴えがはっきりできず、予防的に着用
  • 皮膚障害や尿路感染のリスクから、交換の時間を調整するなど排泄後は速やかにオムツ交換するよう努めているか
  • 患者の自尊心や羞恥心に配慮した上での援助が行えているか
  • 患者の個別性に合ったオムツを選択し、着用による苦痛を最小限に留めるよう努めているか
  • 感染対策として、手袋の着用や処置前後の手洗い、汚物の処理などは適切に行えているか

注意点

  • 尿失禁患者に対して、すぐにオムツの着用を考えるのではなく、排泄自立できるか可能性について検討する必要がある
  • オムツを着用している場合でも、患者にとって排泄自立の目標がどこにあるのか常に意識しながらケアに当たる事が重要である
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