いまさら聞けない看護技術

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ENBD挿入の介助

ENBD挿入の介助【いまさら聞けない看護技術】

目的

  • ENBD(内視鏡的経鼻胆道ドレナージ)挿入時の必要物品と流れ、ケアのポイントについて理解し、ケアを行う

ENBDとは

  • 内視鏡的・経鼻的に肝内胆管へチューブを留置し、胆汁をドレナージすること
    ※消化管から肝内胆管へはファーター乳頭を経由する
  • メリット:内視鏡下で行うため患者への侵襲が少なく、シャワー・入浴が可能
  • デメリット:
    • 経鼻的留置のため不快感を生じやすい
    • 狭窄や術後の臓器位置の変化によりスコープ通過が困難な時は実施できない
    • 急性膵炎を起こす場合がある

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必要物品・準備

必要物品

  • ディスポーザブル手袋・エプロン・マスク、ゴーグル
  • Gボトル
  • シリンジ(10ml)、注射針(23G)
  • ガイドワイヤー
  • ENBDチューブ
  • 処置用シーツ
  • バスタオル
  • 検査着
  • マウスピース、ガーグルベースン
  • リドカイン塩酸塩(スプレータイプ、ビスカスタイプ)
  • フルマゼニル、ジアゼパム、ブスコパン
  • 固定用テープ、安全ピン

準備

  1. 医師からの処置の目的や方法についての説明内容を把握し、患者の理解・協力を得る
    • 具体的な方法について説明し不安の緩和に努める
    • 検査の同意書に患者・家族の署名があるか確認する
    • 検査前に絶飲食となっていることを確認する
      ※処置時の嘔気・嘔吐、吐物による誤嚥性肺炎予防のため
    • 検査着に更衣してもらう
      ※処置はX線透視下で行うため、ボタン・金属製のものは不可
    • 処置による苦痛軽減のため、必要に応じて鎮痛薬を使用する
    • 体位を左側臥位とし、バスタオルなどで必要な露出をさける
      ※体位については医師に確認のこと
    • 緊急時に備えて、輸液路を確保する
    • 心電図モニター・血圧計など装着する
  2. 実施者・介助者の装備を整える
    • 処置の前後で手洗い・うがいを行う
    • 実施者・介助者ともにX線プロテクターを着用する
    • ディスポーザブルキャップ、滅菌ガウン、滅菌手袋、マスクを着用する

 

方法

  1. 医師が内視鏡を十二指腸に挿入する
  2. X線下において、総胆管にENBDチューブを挿入する
    • チューブ挿入時の嘔気・嘔吐に備え、頭元にガーグルベースンを配置しておく
    • 患者の体位は、医師に確認するが腹臥位(初めは左側臥位の場合もある)とする
  3. 肝臓側の胆管内にチューブの先端を留置する
  4. チューブの体側を鼻から外に出し、Gボトルに接続し胆汁を回収する
    造影中のポイント
    ●造影剤注入に伴うショック症状に注意する
    ●患者の訴えやバイタルサインの変化を観察する
    ●患者への声掛けを行い、不安の軽減に努める
  5. 処置終了後のバイタルサインに注意し、観察を行う
  6. ENBDチューブ留置中の管理を行う
    • ENBDチューブからの排液の観察を行い、異常の早期発見・対処に努める
      • 閉塞の状態により胆汁の一部が腸管へ流れる場合もある
      • 毎日の排液量を観察し患者の正常な量を把握する
      • チューブの走行が不良となる場合、チューブにより膵管口が狭窄・閉塞し、急性膵炎を起こす場合がある
        ※血液検査結果や疼痛の出現などには注意する
      • 閉塞予防のため、適宜ミルキングを行う
    • ENBDチューブの挿入部の観察、固定の状態を確認し、チューブの逸脱を防止する
      • 引っかけたり重みで抜けないようループを作り、確実に固定する
        ※ENBDチューブはかなり長いため、注意が必要
      • 鼻・頬・耳の3か所で必ず固定し、必要に応じて安全ピンやテープで衣服にも固定する
    • ENBDの管理上の注意点について患者への指導を行う
      • 歩行時は排液ボトルはできるだけ低い位置にするよう指導する
      • 臥床時はチューブの圧迫・屈曲・ねじれがないよう注意する
      • 急激な腹痛が出現した際はすぐに知らせるよう説明する

観察項目

  • 基礎疾患の把握
  • 患者の安静度、理解度、精神状態の把握
  • ヨードテストの結果確認
  • バイタルサインの変動の観察
  • 疾患に伴う症状の確認(黄疸や腹痛の有無と程度、嘔気・嘔吐、食欲不振の有無など
  • ENBDからの排液(色、量、性状)と流出状況(閉塞、ねじれの有無)の確認
  • ENBD チューブの挿入部・固定状況の確認(皮膚トラブルの有無、チューブの抜けがないかなど確実な固定がされているか、逆流防止の通気口はふさがれていないか)
  • 感染徴候の有無の観察
  • 水分出納量の把握
  • 検査結果の確認(X線検査でのENBD チューブ位置の確認、血液検査の確認)
  • 治療方針とその説明内容、患者・家族の受け止めの状況

排液の正常・異常、異常時の原因と対応について

色について(正常時:ブランデー色):異変がある場合は医師へ報告する

  • 緑色:感染胆汁、胆管炎、逆行感染が原因のため、発熱・腹痛に注意する
    ※排液の逆流防止のため排液ボトルの位置管理の徹底
  • 血性:胆道系腫瘍からの出血・損傷が原因のため、バイタルサインの変動や腹痛・嘔気の有無、排液量の急激な変化に注意する
  • 漿液性、薄い胆汁色:チューブの逸脱などによる先端の腸管内への移動が原因のため、排液の量・性状の変化に注意する
    ※X線検査にて位置確認、固定位置・マーキングのずれの有無を確認する

量(排出される胆汁:1日500~1000ml) 

  • 過多:ドレーン挿入直後や鬱滞した胆汁の急激な排出、腸液の混入などが原因のため、脱水に注意、点滴負荷の指示を受ける
  • 少量:ドレナージ不良やチューブの閉塞・屈曲、胆汁生成機能低下などが原因のため、ミルキングや固定位置を確認する ※医師によるシリンジの吸引処置がなされる

性状(正常:やや粘稠性がある)

  • 砂混じり:結石破砕後のかすが原因のため、チューブの閉塞防止のためミルキングや排液量の観察を行う
  • 膿性:腫瘍によるものであり、チューブの閉塞防止のためミルキングや排液量の観察を行い、腫瘍からの出血の可能性があり色調に注意し観察する

アセスメント

  • 患者へ処置の目的・方法・注意点などの確認を行い、処置中も声掛けし不安の緩和に努めたか
  • 処置がスムーズに進むよう、物品の配置や介助方法は適切であったか
  • 処置による合併症に注意し、異常の早期発見・対処に努めたか
  • ENBDチューブ留置中の合併症に注意し、適切に管理が行えているか

注意点

  • チューブ挿入による患者の苦痛と、テープのみによる固定のため、自己抜去やチューブ逸脱のトラブルが起きやすい
  • 患者への指導や巡回時の固定状況の確認の徹底などの予防策が重要である
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