いまさら聞けない看護技術

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ベッド上リハビリ 筋力増強訓練

ベッド上リハビリ 筋力増強訓練【いまさら聞けない看護技術】

目的

  • ベッド上でのリハビリテーション(筋力増強訓練)が、安全・安楽に実施できるよう援助する
  • ベッド上リハビリテーションの意義
    • 早期離床をめざし、関節拘縮や筋力低下を予防する
    • 術後の静脈血栓塞栓症を予防する
    • 関節を自動的または他動的に動かすことで、関節拘縮や筋力低下を予防する

筋収縮の種類と筋力増強訓練

等尺性収縮を利用した等尺性訓練(マッスルセッティング)

  • 関節を動かさず、筋肉の長さを変えずに筋肉を収縮させる運動
  • 関節を動かさないため、関節に障害を持つ場合・術後初期の疼痛がある場合・ギプス固定で関節が動かせない場合に行われる
  • 患者自身が筋収縮を手で触れ、実際の動きを確かめると分かりやすい
  • 目的とする筋を収縮させることができない場合は、低周波を流すことで患者に理解・学習させる
  • 限界としては、瞬発力は増強できないこと、運動量を規定できないことがあげられる

等張性収縮を利用した等張性訓練

  • 等張性収縮は運動の方向によって二種類ある
    • 求心性収縮:動作する筋の長さが短縮しながら力を出す
    • 遠心性収縮:動作する筋の長さが伸展しながら力を出す
  • 最大筋力の50%以上の抵抗を加えると筋力が増強され、50%以下で回数を多く行うと筋持久力が増す
  • 遠心性収縮は求心性収縮に比べ、酸素消費量が少なく、大きい筋力が発揮できるため心肺機能の低下している患者に適している
  • 遠心性収縮は抵抗が大きいと筋損傷を起こしやすく、疼痛を残すことがある
等尺性収縮と等張性収縮を組み合わせた動作
例えば腕立て伏せを行う場合の上腕二頭筋は・・・
 腕を曲げながら体を床に近づける間:求心性収縮
 体を床に近づけて維持する間:等尺性収縮
 腕を伸ばしながら体を床から離す間:遠心性収縮   となる

方法

訓練前の準備

  1. 患者のADLや手術部位、安静度などを確認する
  2. 患者に筋力増強訓練の目的と必要性、訓練の内容を説明する
  3. 患者に訓練の内容をわかりやすく説明する
  4. ベット周りの環境を整える
  5. 訓練しやすい服装に着替えてもらう
  6. バイタルサインをチェックする

大腿四頭筋のマッスルセッティング

  1. ひざ下にタオルなどを入れる
  2. タオルなどを床と垂直な方向へ押すように膝に力を入れ、床に押し付け5秒数える
  3. 力を抜き、5秒休む
  4. この動作を両膝10回ずつ繰り返す

下肢伸展拳上運動(SLR)

  1. 片方の膝をまっすぐ伸ばす
  2. もう一方の足をまっすぐに伸ばし、15cmほどあげ、5秒静止する
  3. 力を抜き、5秒休む
  4. この動作を左右交互10回ずつ繰り返す

腹筋運動

  1. 腰に負担をかけないため、両膝を軽く曲げる
  2. おへそを見るように頭をあげ、背中が少しベットから離れるような姿勢となり、5秒数える
  3. 頭を戻し5秒休む
  4. この動作を10回繰り返す 
    患者自身が回数を数えることで、心肺機能や呼吸機能へいい影響をもたらす

訓練後

  1. バイタルサインをチェックする
  2. ベット周囲の環境を日常生活がしやすいように戻しておく

観察項目

  • 訓練中の患者の様子として、疼痛の増強や気分不快がないか、無理をして訓練を行っておる様子はないかなど
    • バイタルサインの変化
    • 患者の表情、疲労度、筋肉の状況
    • 疼痛の部位や程度
    • ROM訓練中の伸張の程度  など 

アセスメント

  • 患者が自らすすんで訓練を受けられるように援助できたか
    患者の状態を把握し、可能な限り自立を促す

注意

  • 神経原性・筋原性の重度の疾患がある場合は、過剰な筋力増強訓練が筋繊維に変性をもたらし、筋力低下を引き起こすため、十分な注意が必要である
  • 心配系疾患や高血圧の場合は、持続的筋収縮は血圧の上昇を引き起こすため、過度な負荷は避けなければならない
  • 筋力増強訓練を行うことで関節に疼痛を伴う場合は禁忌である
  • 筋力増強は筋力のみに注目しても限界があり、主動作筋・拮抗筋をバランスよく訓練することが大切である

 

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