水銀血圧計を使った血圧測定で、工夫されていることはありますか?

ありささん (女性) からのお悩み

水銀血圧計で血圧を測定するとき、低血圧の人、腕の曲げれない高齢者、浮腫の強い人、心房細動の人は、コロトコフ音が聞き取りにくいです。

聞き取る前に上腕動脈の位置を確認しますが、触っても、分かりにくい人は聞き取りにくい気がします。工夫されてることはありますか?

血圧測定って、出来て当然だと思うので、出来ないことがとても苦しいです。ナースしていいのかとも思います。

椿(ツバキ)からの回答

最初は誰でも素人なので心配ご無用!血圧測定はポイントがあります。

看護師・椿(つばき)

はじめまして。回答が遅くなりまして申し訳ありません。椿です。

ありささんは看護師になって何年目くらいなのでしょうか。

血圧測定って看護技術の基礎中の基礎、のようなところもあるので、上手く出来て当たり前に感じるかもしれませんが、最初は誰でも素人です。「ナースしていいのかとも思います」とありますが、いえいえ、ぜひ続けて下さい。

今回は血圧測定の(あまり大声では言えない)コツをお伝えしちゃいます。

病棟などで使用する血圧計は、今は電子のところがほとんどですよね。学生の頃に実習に行くような病院なども、基本的には電子だと思いますので、水銀血圧計に慣れていない新人さんも、ここ最近は珍しくないかもしれません。

そのまま数年働いてしまうと、学校の授業で練習した水銀血圧計のことなど、すっかり忘れてしまっても無理はないのです。

だって、お目にかかることが稀な存在になってきていますから。

今でも見かけるとすれば…古くからあるクリニック、それも血圧測定なしでも一般的な診療ができる、例えば眼科や耳鼻科などでしょうか。

実際に、私が以前ちょっとだけバイトさせて頂いた眼科クリニックは、結構歴史もありましたし、水銀血圧計が現役で頑張っていましたよ。

そこで働くナースが、皆おばちゃん(失礼!)なので、むしろ使いやすかった(私も含め)のを覚えています。

前置きはさておき、では上腕でのコロトコフ音が聞き取りにくい患者さんの血圧測定のポイントについてお伝えします。大きく3つの方法があります。

 

水銀柱の動きを見る

水銀血圧計は、血圧計の中心に水銀の入った水銀柱と呼ばれる部分があります。加圧すれば水銀の高さが高くなり、減圧すれば水銀の高さが低くなる、あれです。

コロトコフ音が聞こえる患者さんの場合、この水銀柱の高さのメモリを読むことになりますね。
しかしありささんの仰る通り、低血圧の人、腕の曲げれない高齢者、浮腫の強い人などは、コロトコフ音が聞き取りにくいことが多いです。
しかしこの時、水銀柱のてっぺんを良く見てみましょう。マンシェットを加圧後、少しづつゆっくりと減圧してくると、ある一定の高さ(圧)までくると、水銀柱のてっぺん(水銀の高さの上辺)が、ホントにわずかですが上下に動いているのが見えます。

またそのまま減圧していくと、今度は上下の動きがなくなる高さ(圧)があります。この、上下の動きが出始めた高さ(圧)を収縮期血圧(上)、上下の動きが無くなった高さ(圧)を拡張期血圧(下)とすれば良いのです。

試しに、確実にコロトコフ音が聞こえる同僚などの上腕で試してみると分かります。ほんの少しの誤差が出る場合もありますが、それでも数mmHg程度です。

 

下(拡張期血圧)は触診で

これは上腕ではなく、手首の脈拍を測定します。

マンシェットを巻いて加圧したら、水銀柱を良く見ながら、減圧する操作をするのと反対の指先で手首の脈拍(当然ですが、患者さんのマンシェットを巻いた方の手首、橈骨動脈です)に触れてみます。

最初は脈拍も触れません(触れた場合は加圧が足りていないということです)。

そこでゆっくりと減圧してくると、脈拍を感じる高さ(圧)があります。それが収縮期血圧(上)です。そのまま減圧していくといつまでも脈拍は触れています。つまりこの場合は、拡張期血圧(下)が測定不能になるわけです。

この時の記録は 例)162/S などになります。

拡張期血圧(下)は測定不能なのですが、その理由は触診だったからですよ、という記録方法です。
但し、この拡張期血圧(下)の記録方法は「触」と書く場合もありますので、勤務先でのマニュアルや他の人の記録を確認してください。

 

別の部位で測定する

例えば下腿や大腿で測定する場合もあります。但しこの場合は注意点がいくつかあります。

  1. マンシェットを変える
    痩せている患者さんであれば、下腿で測定する場合にはそのままでも測定できることもありますが、大腿の場合はもっと幅の広いマンシェットに変更しなくてはいけません。
    病棟などには1つしかないことも(全くないことも)あるので、使えるかどうかを確認しておく必要があります。
  2. 聴診器をあてる部位に注意
    下腿にマンシェットを巻く場合は、足背動脈(足の甲にある)や後脛骨動脈(足首の後ろ側にある)に聴診器をあてます。大腿にマンシェットを巻く場合は、膝窩動脈(膝の裏側にある)などに聴診器をあてます。
    …と物の本にはありますが、実際は非常に聞き取りにくく(特に高齢者!)実際はこれらの部位で触診しながら測定する方が一般的かもしれません。
  3. 測定値に誤差が出る
    一般に、上腕で測定するよりも、下肢(下腿・大腿)で測定する方が、20mmHgくらい高くなります(その原理などについてはご自分で調べて下さいね)。
    通常、上腕で測定している患者さんの場合、ありささんの時だけ下肢で測定すると、記録上も測定部位を明記しなくてはいけません。いきなり20mmHgも高くなるとびっくりしますからね。

 

私はバイトしている時に本当にコロトコフ音が聞こえない患者さんの血圧測定も時々やりましたので(眼科クリニックは高齢者が多い!)1.の「水銀柱のてっぺんを見て圧をとる」方法が多かったです。

確かに、ありささんの仰る通り、上腕動脈が触れにくい人はコロトコフ音もほぼ聞こえません。ですが脈拍が測定できるなら、2.の方法が一番確実かと思います。

ちなみに椿母は高齢者施設にいたこともある元ナースですが、上腕動脈が触れにくい患者さんが多く、2.の触診が多かったとのこと。働く場所にもよるかもしれませんね。

一度試してみてください。良い方法がきっとありますよ。

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