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バイタルの急な変動、心臓カテーテル室の看護師に期待されることとは?

公開日:2014年3月12日
最終更新日:2014年3月12日
(変更日:2015年4月14日) ※

アイスさん (?) からのお悩み

心臓カテーテル室で勤務しております。
医師の指示の統一性のなさと、看護師の判断をどこまで優先してよいのかわからなく、ご意見を伺いたいと思い投稿させて頂きます。

バイタルの急な変動に対してコーティングノルアドをよく使用します。モニターを常に監視し、最高血圧が100を切る位から実測を頻回に測り、患者の状況を観察しています。

だいたい動脈圧が90を切ると医師からコーティングノルアドIVの指示があります。しかし、患者によりその基準は一定ではないため、血圧が下がって来た時などを報告すると「わかってる」と不機嫌に。

手技中に邪魔かと思い、モニターを監視しつつ報告を最小限にしようと指示を待っていると、「自分の判断でコーティングいってよ!」と言い出すことが多々あります。

以前、血圧70台になり指示でコーティングノルアドを投薬したところ、すぐに上がらず、「どんどんいってよ!」の指示に、医師に報告しながら投薬したところ一気に190台になったことがあり、「ちゃんとフラッシュした?」とか「何CCいったの?」など、報告しながら行ったのにも関わらず、責めるようなニュアンスで言われた為、正直、怖くてやりたくありません。

そもそも、看護師がそのような判断を任せられること自体疑問ですし、メインの医師には助手が必ずつきますから、助手の医師が指示を出すことも可能だと思います。

医学知識の差や責任問題から私は医師の指示で行うべきであると思うのですが、ここが長い先輩はなんの疑問もなくやっているため、下っ端の私が主張しても変わるとも思えませんが、他の病院でもこういったことは普通なのでしょうか?

そういったことをすべてこなして初めて看護師なのでしょうか?

椿(ツバキ)からの回答

看護師の仕事の範疇を超えています

看護師・椿(つばき)

アイスさん、はじめまして。回答が遅くなりまして申し訳ありません。椿です。
今回のお悩みは、私自身が経験をしたことはない世界なので、ちょっと調べてみました。

 

結論からいえば、看護師の仕事の範疇を超えています。

まずアイスさんの仰る「コーティングノルアドをよく使用します」は、本来であれば「医師の指示の下で行う医療行為」にあたると思います。ここで断言しないのは、ちょっとしたカラクリがあるためです。

そもそも日本の看護師は、看護師の判断のみで薬物を投与することは出来ません。しかし患者さんに「こうなるかもしれない」という状態の変化が予測される時は、予め医師が条件付きで指示を出しておけば、その状態になったと判断された時に投与することが出来ます。

例えば発熱時や疼痛時の指示です。「38℃以上でボルタレンSP×1」などという指示が、カルテのどこかに書かれているのを見たことがあると思います。

また、現在の法律の下では、看護師が「処方された薬剤の定期的、常態的な投与及び管理について、患者の病態を観察した上で、事前の指示に基づきその範囲で投与量を調整することは可能」であると、厚生労働省は公言しています。

しかしこれはあくまで「在宅などで看護にあたる看護職員」についてのことです。

 

ではアイスさんの状況ではどうでしょうか

まず投与する場所が、心臓カテーテル室であり、その場には医師もいるわけですよね。さらにノルアドレナリンは「心拍を直接上昇させるように交感神経系を動かす」お薬ですので、いわゆる緊急薬剤になります。厚生労働省のいう「定期的、常態的な投与及び管理」とは異なりますよね。

こう考えると、アイスさんの行為は、本来は医師の指示の下で行うものです。看護師の判断ではありません。

お悩みの中にはコーティングノルアドの投与開始についての指示はありますが「5mlずつ投与する」ことについては指示がないわけですよね。

医師の「自分の判断でコーティングいってよ!」という言葉は、言い換えるとアイスさんに「法律違反をしてよ!」と言っているのと同じなのです。

正にアイスさんの考える「責任問題」に発展する事柄です。

と、ここまでは建前のお話です。

 

ここからは本音のお話をします

アイスさんは看護師になって何年目くらいでしょうか。実際にコーティングノルアドの投与を行った時の状況を、よく思い返してみてくださいね。

まず医師の言葉にある「ちゃんとフラッシュした?」というのは、その前後の状況を考えると、一気に静脈内に入ったのでは?という血圧の変動具合いだったのでしょう。

確かに何度もIVの側管から薬液を入れてはいても、一度の投与量は5ml程度だと思いますので、きちんとフラッシュしないと静脈内まで届きません。

つまり、側管から入れるたびに必ずフラッシュすることが必要になりますね。これが頭をよぎったので、その医師はそんな言い方をしたのだと思います。実際はどうでしたか?

また「『何CCいったの?』など報告しながら行ったのにも関わらず」とありますが、その時は多分、アイスさんの報告の声は届いていませんでしたね。

「聞こえている」と「認識している」は違います。

耳には届いていても、医師の方でカテーテル操作に夢中になっていれば、アイスさんの声は認識はできなかったのでしょう。つまり医師の方にも余裕がなかったのではないですか?

その医師はその時だけに限らず、常にそんな言い方をする人ではないですか?余裕がないというか自分のことで手一杯というか上から目線というか。

医師は自分の手元だけではなく、もっと広く色々なものを見ているべきなんですけどね。

それからもう1つ気になるのが「ここが長い先輩はなんの疑問もなくやっている」という点です。実際のところそういう医療機関はあるでしょう。医師と看護師が阿吽の呼吸で、指示がなくても的確な処置や投薬を行うことは、まぁあると思います。

ただそれが表面化しないだけです。(って、本当はいけないことですよ!)

でも、重大な医療事故に繋がりかねないことを、自分がやるだけならともかく(自己責任です)、まだ慣れないアイスさんにも強要しているのであれば、大きな問題です。

その先輩はもしアイスさんが医療事故を起こしても、全てアイスさんの責任にするでしょう。

 

では具体的にどうすれば良いか

  1. とりあえず今のままで、状況になれるように努力する
  2. 長くいる先輩はさておき、師長や看護部長などに相談する
  3. そんな危なっかしい職場にはさっさと見切りをつけて、転職する

考えられることはこの3つです。

まず1.については、例えば初めての患者さんでなければ前回までのカルテを隅々まで読み込むと、どんな状況でどうすれば良いかが見えてくるかもしれません。

しかし患者さんの状態もその時々で変わりますし、リスクはあります。また件の医師と助手の医師が仲が悪いとか、若いから信用していない、などの個人的背景があるなら、助手の医師から指示をもらうことは多分不可能です。

結局、これはオススメできません。

 

次の2.はどうでしょう?何の疑いも持たない長い先輩のことは、周りはどう見ているのでしょうか。

アイスさん自身がその先輩を変えることは難しいでしょうけれども、師長や看護部長までその状況を黙認しているのであれば、それはそれで大きな問題です。

 

では3.はどうでしょう?私個人としては、これが一番オススメです。

正直なところ、その状況はかなりリスクが高いです。確かに先輩などを見ていると自分がデキないように感じるかもしれませんが、そうではありません。

患者さんの安心安全も重要ですが、看護師自身も自分の身を守る必要はあるのです。

 

くり返しますね。アイスさんが悩んでおられる状況は、看護師の仕事の範疇を超えています。

何か問題が起こる前に、アイスさんにはもっと良い職場で再スタートして頂きたいです。

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