脊髄造影の介助

脊髄造影の介助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年11月7日
最終更新日:2019年06月03日
(変更日:2023年12月26日) ※

目的

  • 脊髄造影の介助について理解を深め、適切なケアを行う
    • 脊髄腔の通過障害が疑われるさまざまな疾患に対し、クモ膜下に造影剤に注入し、圧迫の有無や圧迫部位の状態などを確認する検査である

必要物品・準備

  • 処置用シーツ
  • 滅菌トレイ
  • 摂子、鉗子
  • 膿盆
  • 八つ折りガーゼ(4~6枚程度)
  • 減菌手袋
  • 固定用絆創膏
  • 減菌スピッツ
  • 消毒薬(ハイポエタノール、イソジン)
  • 注射針(18G針2本、23G針1本)
  • スパイナル針 (21G×89mm×1本)
  • 注射器(5ml、10ml各1本)
  • 局所麻酔薬 (1%キシロカイン5ml)
  • 造影剤
  • X線画像
  • カルテ

方法

検査前日までの準備

  • 医師の指示確認:検査日時、注射箋内容、髄液検査入力、X線撮影依頼伝票(造影一般)
  • 承諾書の確認
  • オリエンテーション:オリエンテーション用紙を用いて説明する
    • 検査日時、前処置、検査後の安静、食事・飲水について、注意点など

検査前

  1. 病棟でバイタルサインを測定する
  2. 検査室へストレッチャーで移送する
  3. 透視台に上がってもらい、左側臥位で膝を屈曲させた体位にする
  4. 処置用シーツを穿刺部位の下に敷く
  5. 穿刺部位を広範囲に拡げ、必要に応じて衣服をテープ固定する
  6. X線画像の内容を確認する
  7. 滅菌トレイを開封し、注射針、スパイナル針、注射器、滅菌スピッツ、ガーゼ、消毒液などをを出しておく
  8. 医師に消毒綿球を渡す
  9. 造影剤および麻酔薬を、医師に注射器で吸ってもらう

介助を行う際は、必ず医師に薬品名が見えるようにし、お互いに薬品名を確認する

検査中

  1. 穿刺は透視下で試行するため、看護師は操作室へ移動する
    • 必要に応じて、プロテクターを着用して介助を行う
  2. 検査終了後、看護師は透視室へ戻り、テープでガーゼの固定を行い、衣服を元の状態に整える
  3. 撮影終了後、再び操作室へ移動し、ストレッチャーにて病室へ帰室する
  4. 帰室後、バイタルサインを測定する
  5. 安静時間、食事・飲水可能時間について説明する
  6. 頭痛、嘔気・嘔吐などの気分不快が出た場合は速やかに報告するよう説明する

ガーゼは翌日に除去する

穿刺をしている最中は身体を動かさないように説明する
穿刺の際、下肢に痺れや痛みが生じた場合は我慢せず、すぐに伝えるよう説明する

観察項目

  • バイタルサイン
  • 苦痛・不安の有無
  • 表情
  • 髄液の性状
  • 穿刺部痛・出血・発赤・腫脹の有無
  • 頭痛、嘔気・嘔吐などの気分不快の有無
  • 検査後、自尿の有無
  • 排尿障害出現の有無
  • 造影剤による副作用の有無
  • 髄膜刺激症状の有無(発熱、頭痛、嘔吐、項部硬直、ケルニッヒ徴候など)

アセスメント

  • 造影剤の注入は基本的に腰椎から施行するが、硬膜管の圧迫が強い場合は、後頭下穿刺を施行することもある
  • 造影剤は脊髄液より比重が重く脳内へ上行すると髄膜刺激症状が出現する場合があるため、検査後は45~60度の頭部挙上、ベッド上安静が必要である
    • 安静時間や飲水・食事時間を確認して説明する
ヨード系の造影剤を使用するため、ヨード過敏症、重篤な肝・腎疾患、喘息(小児喘息を除く)、重篤な甲状腺機能亢進症の患者には脊髄造影は禁忌である
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