目的
- パルスオキシメーターの適切な利用を理解する
- パルスオキシメーターを使用することで、患者の呼吸モニタリングの精度が向上する
酸素飽和度とは
- 血液中にどの程度酸素とヘモグロビンが結合しているかを示す値であり、その値がSpO2として表示される
- SpO2はパルスオキシメーターで非侵襲的(経皮的)に測定できる
- SpO2は経皮的酸素飽和度の略語
- SはSaturation「飽和度」
- PはPulse「脈」
経皮的パルスオキシメーターの仕組み
パルスオキシメーターは光を利用して指から測定
- センサーの発光部から、赤色光と赤外光という2種類の光を発光する
- 光により、ヘモグロビンと暗紫色の脱酸素化ヘモグロビンの量を指から感知する
- 血中のヘモグロビンのうち、何%が「酸素化」されているのかを数値として表す
パルスオキシメーターの弱点
- パルスオキシメーターは、ヘモグロビンとO2が結合しているのか、ヘモグロビンとCOが結合しているのかは区別ができない
- 一酸化炭素ヘモグロビン(COHb)を見抜くことができない
パルスオキシメーターの装着
- 指に装着する場合:指背と指掌で挟み装着する
- 前額部センサーの場合
1.センサーを装着する前に、装着部位をタオル、酒精綿で清拭する
2.眉毛の6mm上で、外側か、眼窩上動脈から離れた位置に装着する
3.ヘッドバンドでセンサの真上を固定する
4.測定部位は8時間毎に1回は観察する。
- 耳朶の場合
- 耳朶の厚みが10mm以下であるか確認する
- 耳朶にクリップを装着する。脈波が出ない時には少しずらして装着する
- クリップにテンションがかからないようにコード類を衣服などに固定する
SpO2がきちんと測定できない要因
- 体動、痙攣
- 末梢循環不全
- 低体温
- 貧血
- マニキュア
- 浮腫
- 皮膚の色素沈着
SpO2の正常値
- SpO2の正常値は96~99%
SpO2の96%以上がなぜ正常値か
- SpO2が96%以上 → 全身の酸素が循環が安定
- SpO2が90%以下 → 酸素の循環が急激に低下
- 酸素解離曲線 → PO2(酸素分圧)と酸素飽和度の関係を表す
- 曲線ではPO2が高いと酸素飽和度も高く、血中の酸素濃度が高いことを示す
- 酸素はヘモグロビンと結合して循環・消費されるで、身体の酸素量は安定する
- SpO2が95%で、PO2は80mmHg → 血中酸素濃度が高い状態を維持している
SpO2の異常値
- SPO2の正常値は96%以上 ⇔ 異常値は90%以下
- 酸素解離曲線では、SpO2「90%」は、PaO2「60mmHg」
- SpO2が90%以下、PaO2が60mmHg以下にて曲線が急下降する
- つまり、身体に酸素が循環されにくい状態になる → 意識障害、臓器機能障害に陥りやすい
アセスメント
- パルスオキシメーターの仕組みを理解しているか
- SpO2が低下している時の身体所見を確認しているか
- 身体所見の変化から読み取れることは何か
- SpO2がきちんと測定できない要因がないか、確認しているか
- SpO2の値だけではなく、その他のバイタルサインの値も考慮し、総合的に呼吸状態を評価しているか
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