ICU看護 呼吸 7 酸素飽和度

ICU看護 呼吸 7 酸素飽和度【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2016年2月15日
最終更新日:2016年2月15日
(変更日:2023年5月19日) ※

目的

  • パルスオキシメーターの適切な利用を理解する
    • パルスオキシメーターを使用することで、患者の呼吸モニタリングの精度が向上する

酸素飽和度とは

  • 血液中にどの程度酸素とヘモグロビンが結合しているかを示す値であり、その値がSpO2として表示される
  • SpO2はパルスオキシメーターで非侵襲的(経皮的)に測定できる
  • SpO2は経皮的酸素飽和度の略語
    • SはSaturation「飽和度」
    • PはPulse「脈」
SaO2は動脈血酸素飽和度の略で、動脈血中ヘモグロビンのうち、酸化ヘモグロビンがどれだけ含まれているかを表す値であり、動脈血採血をしないと検査できない

経皮的パルスオキシメーターの仕組み

パルスオキシメーターは光を利用して指から測定

  • センサーの発光部から、赤色光と赤外光という2種類の光を発光する
  • 光により、ヘモグロビンと暗紫色の脱酸素化ヘモグロビンの量を指から感知する
  • 血中のヘモグロビンのうち、何%が「酸素化」されているのかを数値として表す
酸素と結合しているヘモグロビンを酸素化ヘモグロビン(O2Hb)といい、酸素と結合していないヘモグロビンを脱酸素化ヘモグロビン(HHb)という

パルスオキシメーターの弱点

  • パルスオキシメーターは、ヘモグロビンとO2が結合しているのか、ヘモグロビンとCOが結合しているのかは区別ができない
    • 一酸化炭素ヘモグロビン(COHb)を見抜くことができない
SpO2が100%と表示されていても、そのうちの何%がCOHbの状態であるかがわからないため、一酸化炭素中毒を見抜くことができない

パルスオキシメーターの装着

  • 指に装着する場合:指背と指掌で挟み装着する
  • 前額部センサーの場合

1.センサーを装着する前に、装着部位をタオル、酒精綿で清拭する

2.眉毛の6mm上で、外側か、眼窩上動脈から離れた位置に装着する

3.ヘッドバンドでセンサの真上を固定する

4.測定部位は8時間毎に1回は観察する。

特に前額部に装着するときは、皮膚トラブルにつながりやすいので、きつく締めすぎないように注意する
  • 耳朶の場合
  1. 耳朶の厚みが10mm以下であるか確認する
  2. 耳朶にクリップを装着する。脈波が出ない時には少しずらして装着する
  3. クリップにテンションがかからないようにコード類を衣服などに固定する

SpO2がきちんと測定できない要因

  • 体動、痙攣
  • 末梢循環不全
  • 低体温
  • 貧血
  • マニキュア
  • 浮腫
  • 皮膚の色素沈着

SpO2の正常値

  • SpO2の正常値は96~99%

SpO2の96%以上がなぜ正常値か

  • SpO2が96%以上 → 全身の酸素が循環が安定
  • SpO2が90%以下 → 酸素の循環が急激に低下
  • 酸素解離曲線 → PO2(酸素分圧)と酸素飽和度の関係を表す
    • 曲線ではPO2が高いと酸素飽和度も高く、血中の酸素濃度が高いことを示す
  • 酸素はヘモグロビンと結合して循環・消費されるで、身体の酸素量は安定する
  • SpO2が95%で、PO2は80mmHg → 血中酸素濃度が高い状態を維持している
呼吸不全はSpO2が90%以下、PO2が60mmHg以下の場合
酸素解離曲線上90%以下を示す場合は、血液中の酸素濃度が著しく低下している状態

SpO2の異常値

  • SPO2の正常値は96%以上 ⇔ 異常値は90%以下
  • 酸素解離曲線では、SpO2「90%」は、PaO2「60mmHg」
    • SpO2が90%以下、PaO2が60mmHg以下にて曲線が急下降する
    • つまり、身体に酸素が循環されにくい状態になる → 意識障害、臓器機能障害に陥りやすい

アセスメント

  • パルスオキシメーターの仕組みを理解しているか
  • SpO2が低下している時の身体所見を確認しているか
    • 身体所見の変化から読み取れることは何か
  • SpO2がきちんと測定できない要因がないか、確認しているか
  • SpO2の値だけではなく、その他のバイタルサインの値も考慮し、総合的に呼吸状態を評価しているか
呼吸不全の方の場合、標準値を維持するために酸素量を増やすと、二酸化炭素が身体に貯留してCO2ナルコーシスとなるリスクがあるため、標準値ではなく90%以上を目指す

 

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