ICU看護 呼吸 8 SpO2とPaO2

ICU看護 呼吸 8 SpO2とPaO2【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2016年2月22日
最終更新日:2020月08月31日
(変更日:2020年9月1日) ※

目的

  • SpO2とSaO2、PaO2との関連性、正常値、異常値について理解する

SpO2とは何か

  • 酸素飽和度は、SpO2あるいはSaO2で示される
    • SpO2: Percutaneousoxygen saturation =経皮的酸素飽和度
  • SpO2は、経皮的パルスオキシメーターで、非侵襲的・簡易的に測定することができる
  • パルスオキシメーターは、センサーからの光により、血液中のヘモグロビンと酸素がどれだけ結合しているかを測定し、数値化する
  • SpO2の正常値は92%以上であり、この状態であれば体内に安定して酸素が循環している
血液中の酸素は、ヘモグロビンと結合して体内を循環し、各臓器で消費される

SaO2とSpO2の関係

  • SaO2: Arterial oxygen saturation =動脈血酸素飽和度であり、動脈血中のヘモグロビンの何%が、酸素と結合しているかを示している
  • SaO2を測定する時は、動脈血採血を行う必要がある
ベッドサイドでは、簡単に動脈血を使った検査を行うことができないため
SpO2 ≒ SaO2 であるとみなし、SpO2の値で呼吸状態を評価する

SaO2とPaO2の関係

  • PaO2とは、動脈血酸素分圧のことで、動脈血の中に含まれる酸素の割合を示す
  • 血液ガス分析を行うことで、その値が得られる
  • PaO2基準値は80~100Torr

SaO2とPaO2の関連性

  • PaO2からSaO2がわかる
    • PaO2の数値とSaO2の数値は、おおよその目安がある

SaO2(%)

97 96 95 94 93 92 91 90 89 87 85
PaO2(Torr) 91 82 76 71 67 64 61 59 57 53 50
SpO2を正しく測定することで、SaO2が分かり、おおよそのPO2の値もわかる
  • これらの数値を図式化したものを、酸素解離曲線とよぶ

PaO2 60orr 以下に注意

  • PaO2が60Torr(SaO2 90%)より低くなると、SaO2の値は大きく低下する
  • SaO2が低下している状態は、全身の酸素運搬量の低下を示す
  • PaO2が60Torr以上の場合は、曲線はゆるやかにカーブする
    • PaO2が低下してもSaO2は大きく変化しない
急変時はSpO2 90%以上を目標とする
SpO2 100%から90%の間は、PaO2/SaO2の変動が少ない、つまり酸素化の変動が少ない状態を示している
COPDなどの呼吸器疾患を持つ患者の場合、大量の酸素投与によりCo2ナルコーシスのリスクもある為、注意する

SpO2測定時の注意点

SpO2 100%の時の注意点

  • SpO2は100%までしか測定できないが、PaO2は100Torr以上でも測定可能
  • 高濃度の酸素投与により、SpO2は100%から変わらないが、実際はPaO2が400Torr以上となっていることもある
  • 呼吸状態が悪化し、PaO2が400Torr から 200Torrまで下がっても、SpO2の値は100%を示したままとなる
    • PaO2が半分程度まで下がり、呼吸状態が悪化していても、SpO2は100%から変わらないため、その変化に気付くのが遅れる
SpO2の値だけでもなく他のバイタルサイン値、身体所見のモニタリングも同様に必要

SpO2 80%以下の場合は正しく測定できているか確認する

  • SpO2が正しく測定できない場合
    • 体動があるとき
    • 血管収縮薬、ショック状態の時
    • 浮腫、冷感があるとき
パルスオキシメーターが脈波を正しく拾えずに、測定値も大きく変動することがある
一酸化炭素中毒の場合、パルスオキシメータ-は、見かけ上の高値を示すため、火災などで一酸化炭素中毒が疑われる場合は、SpO2の値に注意する

数値が拾えない(測定できない)とき

  • 手足が冷たい場合は測定出来ない時があるため、温タオルなどで温めて再度測定する

 

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