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遺伝子治療

遺伝子治療【いまさら聞けない看護用語・略語】
公開日:2012年6月22日
最終更新日:2012年6月22日
(変更日:2013年4月13日) ※

用語解説

用語の読み

いでんしちりょう

用語の意味

遺伝子とは生物の「設計図」「マニュアル」のような働きをする物質のことです。遺伝子の本体は全ての細胞に存在する核酸(DNA)という分子で、ここに文字のように書かれている塩基の配列(例えばACT、GAGなど)が指令となって、我々人間をはじめとする生物は多彩な形態を構成したり、生命活動を維持したりしています。「遺伝子治療」とは人間の「正常」「異常」の原因を遺伝子の配列パターンに帰結させることで疾患の特定・治療を行うもので、世界初の遺伝子治療はアメリカで1990年に「ADA欠損症」という重症の免疫不全を引き起こす病気を持つ4歳の少女に対して行われました。日本で初めての遺伝子治療は1995年に北海道大学医学部によるADA欠損症の治療で、その後はエイズ(後天性免疫不全症候群)の他腎臓がん・非小細胞肺がん・前立腺がん・食道がん・骨髄移植後に起こる合併症対策・抗がん剤使用時の副作用(骨髄抑制)防止などに対して遺伝子治療臨床研究は実施されてきました。

遺伝子の異常が引き起こすと考えられている病気は大きく2つのグループに分類することが出来ます。ひとつはADA欠損症のような「単一遺伝子病」で、病気の原因が一つの遺伝子の異常に限定されているものです。このタイプの遺伝子異常は親から子に受け継がれるという特徴を持ちます。もうひとつは「多因子病」という病気で、動脈硬化・糖尿病・がんなどのように複数の遺伝子異常に環境要因が加わって発症するタイプです。これまで承認・実施されてきた遺伝子治療は末期がん患者を対象とした症例がほとんどとなりますが、その理由として「単一遺伝子病に比べてがん患者数が圧倒的に多いこと」「抗がん剤治療よりも患者の負担が少ないこと」などをあげることが出来ます。

以前は動脈硬化・糖尿病・がんなどの病気は、生活習慣など後天的な要素が主な原因となって発症すると考えられていましたが、遺伝子の研究が進むことで、これまで生活習慣病やがんの治療として行われてきた内容が二義的なものにすぎないという考え方が出てきました。しかし遺伝子治療はまだまだ研究・治験の段階にとどまり、臨床での応用というところでは現実的なレベルまで到達しているとは言えません。

また遺伝子治療は、生命活動の根源となる遺伝子を操作するため多くの倫理的問題が提起されています。現在遺伝子治療の実施が承認されているのは病変した体細胞(体を作る細胞)やリンパ球などの細胞だけです。先天性の異常の場合、生殖細胞(卵子・精子・受精卵)の治療によって生まれてくる子の異常がなくなることが期待されていますが、「遺伝子治療によって操作された結果が子孫に受け継がれた時に問題が起きるのではないか」「生命を作り変えていいのか」「病気・障害を持つ人への差別にあたるのではないか」という倫理的側面から実施は見送られている状況です。

看護師・椿(つばき)の一言コメント

看護師・椿(つばき)

遺伝子治療は「疾病の治療を目的とした遺伝子や遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与すること」(厚生労働省ガイドライン)

今、遺伝子治療は遺伝子疾患・癌・エイズ等のウイルス感染症・心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患等が現状では対象疾患になっています。
又、最近ではパーキンソン病の治療法も遺伝子治療に適している疾患と言われており今後は注目される分野になるのではないかと思います。

遺伝子治療では遺伝子を運ぶ「ベクター」がキーマンです。
現在は2種類のベクター(人工とウイルスベクター)がありますがウイルスベクターの場合は安全性にまだ問題があるとして導入には大きな議論がなされる所です。

又、遺伝子治療の構成が複雑になっている事もあり情報の公開やインフォームドコンセントを含めた人権保護・規制の緩和等まだまだ議論されるべき課題が多く残されていると言えます。

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