用語解説
用語の読み
えす・おー・ぶい
用語の意味
SOV（Share of Voice シェアオブボイス）とはマーケティングの考え方で、ある商品の宣伝量が同じカテゴリーの商品の宣伝量全体の中でどれくらいを占めているのかを示す数値のことです。SOVとはつまり、競合商品市場でのシェアはライバル商品の広告費などとの比較ではなく、ライバル商品と比べて広告露出度の違いが決め手となるという考え方を指します。製薬企業が出来るだけ多くの医療機関で自社製品の採用をしてもらうためにもこのSOVが重視されてきたため、医薬品はMR（医薬情報担当者）による商品説明を繰り返し行うような宣伝競争になりやすいという傾向がありました。特に高血圧治療薬や高脂血症治療薬などのように製品数が多く競争が激しい領域ではこのような宣伝競争が顕著です。
MRが行うディテール活動（製品説明や宣伝活動）は、病院や診療所を訪問することで医師・薬剤師を対象に行われているのが一般的とされていますが、実際には医師や薬剤師と面談するタイミングをとることはとても難しく、廊下での立ち話を数分間行うのがやっとという厳しい環境となっています。
このような製薬企業・MR側と医師・薬剤師などとの間に存在するミスマッチをなくすため、海外では既にインターネットやスカイプ・Eメール・電話を駆使した｢eディテール｣が取り入れられています。日本でもeディテールを本格的に活用するための動きが各製薬企業によって進められているところです。eディテールはスカイプや電話で会話しながら同じ資料・画像を見ながら会話できることに加えて相手の表情を確認することが出来るので、訪問と同じように対面性を重視した商品説明ができるだけではなく、お互いの信頼関係を築くことに大きく役立つと考えられています。
また最近はSOVではなく、SOM（Share of Mind シェアオブマインド 医師との長期的に信頼関係を築き上げる態度、医師との心のシェア）を重視するようにと意識転換することがMRに求められるようになってきました。SOVに依存し続けて重複したメッセージを何度も繰り返すのではなく、｢相手の心にインパクトを与えるディテーリングの実践｣｢現場のニーズにタイムリーかつ柔軟に対応できる能力｣｢接待をしなくても自社製品を採用してもらえる為の工夫・魅力｣こそが、今後の製薬企業のシェアを決定づける要因となっていくと考えられています。
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