晴れて看護教員としての採用が決まり、「授業展開や実習指導ではこんな看護教員でありたい」「あんな風に学生と学んでみたい」など熱い想いがあふれる春…。
しかし現実は厳しかった…とつぶれてしまわないために、臨床現場と違う様々なことがある教員の現状も知っておきましょう。
その1:看護教員にもストレスはある
ひとクセもふたクセもある教員
看護教員の中には、必ずしも学生が好きで、一緒に成長したいという思いで教員になったわけではない看護教員もいるということを知っておいてください。
人事異動で看護学校と付属病院を行ったりきたりする看護学校の場合では、頭はいいが病棟でチームナーシングがとれない看護師や、臨床指導者として学生のレディネスを考慮せず厳しすぎる評価をする看護師に対して「一度自分が学生だった頃を思い出して学んでらっしゃい」という意味をこめて、看護学校へ異動を命じられる看護師もいます。
看護学校で学生と過ごすうちに、自分の未熟さにハッと気づき、その後、臨床に戻ってからは人が変ったように学生にも患者にも穏やかに接するようになったという看護師の話をよく聞きます。
臨床が嫌で逃げるように次々と、進学と資格取得を繰り返し、ほとんど臨床経験を積まずに教員になる人もいます。
看護に対する意識の低い生徒
また学生の中には、親から「手に職をつけるといい」と看護学校をすすめられ、看護にも勉強にも全く興味がない学生もいます。
最近では、注意力が散漫な学生や何度説明をしても同じ間違いをする学生なども増えています。試験の成績はとても良いのですが、基本的なコミュニケーションがとれなかったり、患者への危機管理意識がないなど、進路変更を余議なくされる場合も見受けられます。
その2:過ぎた指導ととられないようにする
「ほめて伸ばす」「ゆとり教育」のように、最近の学生は周囲の大人から厳しく怒られていない環境にあります。
そのため熱心に指導すると学生自身が負担に感じ、親が行き過ぎた指導であると学校に苦言を呈したりすることがあります。
モンスターペアレントという言葉が一般的に使われはじめていますが、教員自身が自覚しない、本意ではない行き過ぎた指導があっては問題です。
行き過ぎた指導であると受けとられないようにするには、やはり周囲の同僚や学生とコミュニケーションを日頃からよくとっておくことが大切です。
アカデミックハラスメント(アカハラ)といわれるように、大学では教授から思いもかけない圧力をかけられることも時にあるようです。
研究室同士の仲が悪く、問題が研究室内で留まってしまう。
また研究室内である揉め事が表沙汰にならず問題が見えにくいことがあるといった現実。
このような場合は、必ずどこかに仲間を作り、現状をはきだせる環境を作っておきましょう。
その3:知識やスキル以外のこと、「看護の喜び」も伝える
限られた時間のなかで、たくさんのことを学生に伝えなければならない場合、どうしても教科書に沿った内容、国家試験に出題される問題、実際の臨床現場に出たときに学校とのギャップで困らないようにといった技術、そして社会人としての態度など、真面目な話ばかりが続くことも多いかもしれません。
しかし、看護とは人と人のあいだに生れるもの。
看護の3要素(知識・技術・態度)にとどまらず、自分が体験した看護の喜びを伝えていきましょう。
学校で学んだ知識や技術を実習で活かし、患者さんに何かひとつでも役立つ提供ができた時、学生はこれまでの学びを自分のものとして体得し、そしてもっと学びたいと思うようになります。
是非「看護にたずさわるって、こんなに素敵なことなんだよ」ってお話も伝えていってあげてください。
おわりに
看護とは、人と人の間に成り立ちます。
看護教員とは、その看護のすばらしさを学生とともにわかちあい、ともに成長し合える価値ある仕事です。しかし時には、人とかかわることで困難に出会い、前に進めなくなることもあるかもしれません。
どんなときも初心を忘れず、心の片隅にはちょっぴり看護にたずさわる喜びをもって働くことが乗り切るポイントです。
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