現役採用担当者が語る!看護師面接で面接官はここを見ている~失敗しない看護師転職-面接の極意-~

転職を行う場合、越えなければいけない壁として「面接」があります。

 

面接は、面接する側も受ける側も初対面の中で行います。

だからかもしれませんが、面接では緊張してしまって普段の良さをアピ―ルできず、満足できない結果になってしまう看護師も多いようです。

しゃべらなければ相手に伝わらないし、逆にしゃべりすぎて余計なことまで言ってしまい後悔してしまう看護師もいます。

 

しかし、それって面接官の望む事柄がわかれば、ある程度解消されるものです。

 

今回、訪問看護施設のトップとしてこれまで多くの看護師を面接してきたAさんに、面接の実情と担当者だからこそわかっている面接中に重視しているポイントを聞きました。

 

Aさんは、もともと看護師として病棟勤務した後に、訪問看護を設立し現在は住宅型有料老人ホームの施設長をしています。その過程で、災害派遣チームに所属・出動したり、看護学校の外部講師を行ったりもしてきた様々な現場を知る経験豊富な方です。

 

「看護師と採用者の両方の立場からみた面接のポイント」を知ることで、「この質問の意図はこれを聞きたいんだな」と的を射た内容を話せて、余裕を持って面接を受けることができるでしょう。

 

では早速みてみましょう!

 

面接でまず求められること

「ここで働きたい!」という気持ちが大事

Aさんは、面接で格好つける必要はない、とにかく気持ちが大事なんだと言います。

昨今の医療・介護業界は、慢性的な人員不足に悩まされており、患者(利用者)はいるのにスタッフがいない為に廃業を余儀なくされるという施設も多いと言います。

その為に、面接の価値・意義が年々薄れているとAさんは言います。

実際の状況を聞くと、面接のアポイントを取っているのに当日無断辞退したり、平気で面接時間に遅刻してきたりすることが多々あるようです。

それでも、貴重な面接希望者ということで面接を実施している状況です。

企業側が採用する時代から、企業側が選別される時代になっているとAさんは言います。

だからこそ!!

自分は真剣なんだ!本当にここで働きたいんだ!という気持ちを伝えることが大切だし、企業側もそういう人材を求めています。

 

面接ではなにを重視しているのか

ではここで、Aさんの施設で実際に行われている面接を詳しく聞いてみました。

 

面接の流れ

 

※ここからはAさん主体で本文を書いております。

1 入室

私たち採用者側は(すくなくとも私の場合は)、入室から退出までの態度・細かな所作に重点を置くことが多いです。

志望動機などはリハーサルである程度準備出来ますが、細かな所作は普段から何気なくしている動作が出るので、隠そうと思っても隠せないものです。

少し脱線するかもしれませんが、皆さんは自身の恋愛観を聞かれて「見た目はまったく気にしない。大事なのは中身」と答えますか?

私はまったくそうは思いません。初対面の人の中身まで見透かせるほど出来た人間ではありませんので・・・(笑)。

初対面の印象でその人のイメージが出来上がってしまうので、やはり見た目は大事です。

人に細かな気遣いが出来る人は、自分の身なりにも気を遣えるので、スーツはしっかりシワを伸ばし、相手に清潔感のある印象を与えましょう。

そして大きな声でなくてもいいので、言葉をはっきり発音するように心がけるといいです。それと、笑顔も大事です。

 

ポイント

  • 身だしなみで清潔感をだす!第一印象を大切に!
  • はっきりとした発音で挨拶をする!

 

2 挨拶や簡単な会話

入室時のチェックポイントでも述べましたが、やはりここでも普段通りの所作に重点を置いて見ています。

しかし皆さんよく準備されているので、なかなか普段通りの所作が出ないんですね。

なのでリラックスできる空気を作り、気の緩みを誘発するんです(笑)。

これだけ聞いたらすごく陰湿で嫌な奴と思われるので、もう一つの真意を言いますね。

冒頭でも話したように、私にとって面接で大事なものは「気持ち」なんです。

「御社の社風に惹かれて」といった面接の常套句はいりません。

もっと本音で、お互いに向き合って話がしたいので、私から笑い話をしたりもします。

そうしていくうちに、だんだんと緊張が解けてきて、素直な気持ちが聞けるようになります。

そういう状態になってからが、面接本番スタートだと思っています。

 

ポイント

  • 和やかな雰囲気でも決して気を抜かない!
  • 笑顔を忘れずに!

 

 

3 施設の概要説明

私の施設では、勤務形態や給与形態を説明するのはもちろんですが、教育制度についても説明します。

転職の理由として、職場での人間関係や教育体制が充実していないということが多く挙げられます。

新しい職場では、順応しないといけないことがたくさんあって、それだけでストレスになりますよね。

教育出来る環境があるということは、それだけ会社やスタッフに余裕があるということだと思っています。

新人職員の覚えが悪いと、「何回言っても理解してくれない」「早く仕事を覚えてもらわないと困る」と愚痴を言う職場ってありますよね。

それをいうスタッフがいたら、私は「その人の成長が遅いのは、僕も含めて自分たちの力不足だ」と言います。

トップも含めて、全員が全員のことを考えながらみんなで成長出来る環境こそが本当の教育だと思っています。

そういう職場は必ず教育体制がしっかり整備されています。面接の時点で教育体制をアピールしてくる企業は、割と雰囲気のいい職場が多いですよ。

 

4 履歴書、職務経歴書を見ながらの質問(会話)

さて、緊張もほぐれたところで、いよいよ本題ですね!

はじめに、履歴書のミスで意外と多いのは、細かなところの記入漏れです。

例えば職務経歴を省略していて空白の期間があったり、自己アピール記入欄が希薄だったりすることです。

履歴書には自分のひととなりが写ります。

きっちりした性格の人の履歴書は、細部まできっちり書かれていることが多いです。私たちはそういうところからひととなりを感じ取る癖がついているので、そこは気を遣っていて損はないですよ。

冒頭でも話したように、面接の常套句は聞き飽きているし、正直それでは他の面接者と差をつけることは出来ません。

コミュニケーションスキルが高かったり、語彙力があったりすることに越したことはありませんが、私たちが求めているのはその人の「素直な心」なんです。

背伸びして恰好つけようとしたり、うまくやろうと思いすぎずに、自分の思うままを言葉にする方が人間味があってよっぽど好印象です。

 

面接の具体例 1

私の場合質問の答えを深く掘り下げていくといった方法をとります。

 

具体的な例を挙げますと、

  • 私「いろいろは専門科や病院がある中で、介護施設を選んだ理由はなんですか?」
  • 面接者「一人ひとりの方とゆっくり向き合って、看取りまで深い関わりがしたいからです。」

 

多くの面接者は同じような回答をします。これだけ見ると、スムーズに次の質問に行く雰囲気ですよね。ですが私はこの答えに対して次のように質問を返します。

 

  • 私「病院でも患者さんとしっかり向き合うことは出来ますが、どういう向き合い方がし
    たくて、それをするためにどう行動していくのかを具体的に教えてください。

 

これを言われるとたいていの人は戸惑って、答えに詰まります。

でも時々、グッと心を掴まれるようなこんな回答が返ってくることがあるんです。

 

  • 「私はとにかく毎朝患者さん一人ひとりと笑顔で挨拶をします。また病院とは違って施設は終末期なので、余生をもっと自由に過ごしてもらいたと思っています。ご家族とよく話をし、ご家族を巻き込みながら、本人とご家族の時間もしっかり作ってあげたいと思っています。施設看護師ならそれが可能だと思い志望しました。」

 

そう答えてくれたのが、30歳代の女性看護師です。

とても無邪気な笑顔で、こちらまで暖かい空気に包まれるような感覚だったのを覚えています。

毎朝笑顔で挨拶って聞くと、当たり前なんじゃない?と思う方も多いと思いますが、当たり前のことが意外と難しいんです。

私はよく「コミュニケーションは鏡だ」と言います。

仕事でもプライベートでも、自分が緊張していたらその緊張は伝わるし、自分が苦手だと思っていたら相手も苦手と感じます。

自分を受け入れてもらう為には、まず相手を受け入れなければいけません。

笑顔で挨拶をしながら、その人の表情や言動を新たなコミュニケーションの材料にすることで関係が深まります。

こういった当たり前の事を大切にしている人は、丁寧なコミュニケーションが出来るので、面接担当者としてはとても好印象を受けます。

 

面接の具体例 2

しっかりとした目標・目的があるのもいいですね。

私は新卒で受けた面接で志望動機を聞かれ

 

  • 「私は循環器系が苦手なので、新卒でしっかり教育してもらえる間に苦手分野を克服しようと思い、循環器に志望しました。また私は精神科や在宅へ進みたいという目標がありますが、急性期や一般病棟の経験が無いと偏った知識や経験になってしまいます。ですので3年間ここでしっかり勉強させてください。」と、

 

目標を述べたと同時に3年で辞めるつもりだということも伝えました。

絶対に雇ってもらえないだろうと思っていたら、見事に合格でした。

後日面接官の一人でもあった師長に採用の理由を聞くと、「3年で辞めるとは言ったけど、人生設計が出来ている人は目標に向かって一生懸命出来るから、何も目標が無い人よりは全然いいんだ」と言っていただきました。

まぁ今考えるとなんて失礼なことを言ってしまったんだと自省しましたが、素直な気持ちがいい結果を生んだのだなと思います。

実際に3年で退職しましたが、その3年間は災害派遣医療チームにも所属させてもらい、自分の人生の中でとても大きな3年になりました。

やや四方山話になりましたが、自分の思いを素直に、より具体的に言葉にする方が相手の心には響きやすいということです。

 

 

面接で好印象になる、とっておきの話し方のテクニック

 

経歴書の中に前職から数か月ニートをしていたり、入職から数か月で退職している期間があるとします。

正直こういう人は印象悪いです。長続きしないタイプなのかなと思ってしまい、嫌厭してしまいがちですね。

しかも隠そうとする人が多いんです。

マイナスイメージを与える事柄を話す時は、隠さずに正直に話した方が印象はいいです。面接者のことがわからないから不安になるわけで、理由などをわかってしまえば納得がいくこともありますから。

話しの道筋についてですが、長所と短所を話す時は短所から話すのが基本です。人間は後から聞いたことの方が記憶に残りやすいです。

 

例えば、

  • 「私の長所は何事にも真面目に取り組めるところです。短所はコミュニケーションが苦手なところです。」

と言うとしましょう。こう言われたら私は「真面目なのはいいけど、患者さんと上手に関われるかなぁ」「スタッフ同士の関わりや協調性はあるかなぁ」と心配になってしまうかもしれません。

 

しかし、次のように言うとどうでしょう。

  • 「私はコミュニケーションに不安があります。しかし何事にも真面目に取り組めるという長所があるので、時間はかかるかもしれませんが、長所を活かして一人ひとりの患者さんと真面目に向き合って信頼関係を作っていきたいと思います。」

長所と短所はしっかり伝えていますが、前者よりも期待値があがりませんか?

短所を長所でカバーして、それを乗り越えて成長していきますよ!!ってアピールするんです。簡単に言い回しを工夫しただけで、印象はガラッと変わります。

 

また、隠したい・言いにくい内容こそしっかり説明するようにしましょう。

先ほども述べたように、わからないから不安になります。

例えば、人間関係が苦手で退職して、一時アルバイトをしていた期間があるとしましょう。

その時のことを聞かれて

  • 「人間関係でうまくいかずに、一度仕事を辞めてアルバイトをしていました」

と言ってしまうと、どの職場でも長続きしなさそうだなと思ってしまいます。

 

  • 「前職では仕事に追われて気持ちの余裕がなくなって、他のスタッフとうまく話せず、だんだんと孤立してしまい辞めました。その後は接客業のアルバイトをしていましたが、アルバイトでいろいろな人と関わり、コミュニケーションに自信が付きました。なので意味のある休業期間だったと思っています。」

こういう話し方をするとどうでしょう。

 

自分を成長させる為、どんな経験でも吸収しますよっていう言い方だと、いい印象を持ちませんか?

おなじことでもポジティブに言い換えることで印象が変わるんです。

 

これは一朝一夕で身に付くものではありませが、普段から何かで失敗した時には、それを成長へのチャンスに変えるという考え方を持ってみましょう。

 

 

5 応募者からの質問

「他に質問はありますか?」と聞かれて「特にありません」と返されると「うちに興味がないのかな」と思います。

ここは自由に自分をアピールする機会だと思って、いろいろと聞いてほしいですね。

特に「入職したらお役に立ちたいと思っていますが、初日までに何か準備しておいたほうがいいこと、勉強しておいたほうがいいことなどはありますか?」と言われると意欲的な方だと思いますね。

ただ、この2つは注意してください。

  • HPやパンフレットなどにすでに書いていることをそのまま聞く
  • 面接中に採用担当者が言ったことを繰り返して質問する

ちょっと調べればわかることや、いままでのやりとりで聞いてないのかなと不安になるからです。

 

6 確認事項

ここは、いつまでに合否の連絡をするなどの今後の確認になります。

メモを取るなどして、抜けや漏れがないようにしてください。

 

7 退出

入室でも述べましたが態度・細かな所作に重点を置いていますから、終わりだと思って気を抜かないようにしてほしいです。

また、既に面接は終わっていますが、面接場から出口までの間にいろいろな方とすれ違ったりする場合のあいさつの仕方や態度などは、意外と好印象になる場合もあります。

遠足は家に帰るまでではありませんが、誰に見られているかわかりませんからね、少なくとも敷地を出るまでは気を抜かない方が無難でしょう。

 

まとめと5つのポイント

ここまで面接の流れを説明しましたが、各施設で若干異なるかもしれませんが次に挙げる5つのポイントはほぼほぼ共通で通用するスキルだと思います。

 

  1. 身だしなみ・笑顔で清潔感をだす!第一印象を大切に!
  2. 「思い」を大事に、はっきりとした発音でゆっくり話す!
  3. 隠さず誤魔化さず、素直に話す!
  4. マイナスをプラスに変える言い回しを!
  5. 最後まで気を抜かない

どれも意識すれば対応できることですから、焦らず面接に臨んでください。

 

最後に、今まで面接してきた中で特に印象に残っている場面を紹介します。

 

まず私の会社では、女性中心となって食事会をしたりする「女子会」と、男性が中心となって釣りやスノーボード、サーフィンなどをする「男子会」があり、ホームページでも紹介しています。

その時面接に来たのは、30代前半の男性です。志望動機は、男子会に入りたくて志望したとのことでした。

まあ志望動機としてはこれまでもあったことなのですが、私が印象に残っているのはその伝え方です。

「私は男子会に入って一生懸命遊びたいです!なので、一生懸命遊ぶために一生懸命仕事をします!」

衝撃的な一言で、私はその瞬間心を掴まれました。

本来であれば、一生懸命仕事をするなんて言い方は、抽象的だしそもそも仕事を一生懸命するのは当たり前のことです。

私の持論ですが、遊びに一生懸命になれる人は仕事も一生懸命出来ます。

数字や実績を交えながら具体的に話をする方法が面接の基本ですが、気持ちや情熱だけで心を掴まれることってあるものだなと感じたエピソードでした。

感心させることも大切ですが、やはり心を掴むことこそが、面接を乗り越えてどんどん自分を成長させていく為のコツだと思います。

 

ここまで読んで面接はそんなに怖いものじゃないと思っていただけたら幸いですが、やっぱりそうはいっても本番で失敗しないために練習をしたい。それも本番と同じレベルでの練習をしたいと思う方もいるかもしれません。

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