自衛隊の大きな特徴といえば、他の組織と比べると非常に自己完結性の高い組織ということがあるでしょう。つまり、あらゆる機能を自身の中に持っているということです。
食事や輸送も自分らで行います。そして傷病者の治療や看護も例外ではありません。
今回は、そんな自衛隊で働く看護師についてご紹介します。
自衛隊と自衛隊看護師
自衛隊は、本来は戦闘のための組織です。
国家の自存自衛をかけて戦う苛酷な局面において、全ての隊員が心身ともに万全な状態を保たなければ、全力で任務を完遂することができません。
そしてそれは、災害派遣や人道支援の現場でも同じです。病気や怪我をした者は速やかに快癒させて、全員が任務にあたれるようにする必要があります。
自衛隊の看護師は直接に武器を手にとる機会は少ないとはいえ、自衛隊生活の大部分は自衛隊病院や衛生隊での勤務となります。自衛隊が果たすべき任務を医療という分野で強固にバックアップするという、非常に重大な役割を担っているのです。
そういった意味で、自衛隊看護師は単なる看護師なのではなく、国家防衛に任ずる自衛隊の一員なのです。もし自衛隊看護師を志すのであれば、そのことだけはしっかりと頭の片隅に入れておいた方が良いのではないかと思います。
自衛隊看護師の魅力
世のため人のために役立てるというやりがい
自衛隊看護師ならでは魅力と言うなら、やはり「やりがい」ということに尽きると思います。
世のため人のために役に立ちたい、みんなのために自分の力を役立ててほしい、そういう人には、自衛隊看護師はまさにピッタリでしょう。
特別職国家公務員という抜群の職の安定性
もっと現実的な話としては、抜群の職の安定性が挙げられると思います。
特別職国家公務員という身分であり、収入は極めて安定していますし、福利厚生も手厚いです。よほどのことでもない限り、職場側の一方的な都合で解雇されることはほぼありません。
教育・訓練のシステムがしっかりとしている
教育や訓練のシステムもしっかりと組み立てられていますから、それをしっかりとこなしていれば、看護師として一定のレベルには確実に引き上げてくれます。
特に、自衛隊の看護師養成機関での看護師資格試験の合格率の高さには、定評があります。
その他、情実やコネで左右されるような土壌もありませんし、男か女かということでの仕事上の機会の差異は世間一般と比べるとかなり小さいと思われます。
大きな組織ゆえの融通の利かなさがあったり、与えられた任務を確実に遂行することを求められますが、極端な成果主義で無理を強いられるようなこともありません。
いろいろな面で透明性が高く、比較的公平な職場といえるのではないでしょうか。
おわりに
そもそも自衛隊という存在自体、「万が一のとき」に備えてのものです。
日本が他国からの脅威にさらされず大災害にも見舞われないことが何よりも一番ですし、実際、自衛隊は創設以来今まで一度も戦闘には直接参加してはいません。
しかしその任務は重大で、そのために自衛官はそれぞれの持ち場で日夜訓練を積み重ねています。
自衛隊看護師もいざという時には、その平素の鍛錬の成果を淡々と確実に実行するだけです。