「自衛隊」というのは一般世間とはちょっぴり異なった世界でもあります。
そこへ足を踏み入れるにあたって、心の隅にとめておいた方が良いと思われることいくつか挙げてみたいと思います。
応募にあたって持っておくべき心構え
看護師であると同時に、自衛官になるのだと認識する
自衛隊看護師を志すにあたって、単に看護師になるということではなく、同時に自衛官になるのだということをしっかりと認識した上で志願した方が良いと思います。
そこを曖昧にしたままで入ってしまうと、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうこともあるかもしれません。
特に、いざ訓練となって小銃などを扱うときには、つい動揺してしまうでしょう。そういう側面ももった集団の一員となる、ということをきちんとよく考えた上で応募することをお勧めします。
6年以内で退職すると償還金を支払わなければならない
また防衛医大看護学科の場合、経験年数6年以内で退職すると償還金を支払わねばなりませんから、辞めるのにも相応の覚悟と出費が必要になります。
国の側とすれば、せっかく貴重な税金を投入し、少なからぬ時間もかけて人材を育成するのですから、そうして育てられた人々には、その分だけでも活躍してくれることを期待するという訳です。
少なくともその6年目までは勤めあげられそうかどうか、それも自分自身とよく相談して、自分の意志の堅さを確認しておくべきかと思います。
入校にあたって持っておくべき心構え
健康の維持向上に努める
試験に合格して採用が決まったのならば、入校までは兎にも角にも健康管理だけはしっかりとするようにしましょう。
体力はあったに越したことはないので、体力錬成に励むのも結構なのですが、入隊前からそんなに張り切る必要はありません。むしろ健康の維持向上の方が大事だと思います。
入隊・入校後は個人的な時間の余裕は無くなる
もしも虫歯などがあるようでしたら、入隊前に治療を済ませておいた方が良いでしょう。入った後に自衛隊病院などで治療する手もありますが、入隊後には教務や訓練がぎっしり入っていますので、そこに穴をあけぬよう、その前に完治させておいた方が良いです。
また、入隊・入校後は本当に時間的に余裕がなくなりますから、まとまった時間が無いとできないことは、その間にやっておいた方が良いでしょう。
例えば、自動車運転免許取得なども、自衛隊に入れば取れるように思うかもしれませんが、輸送職種はじめ職務で運転が必要な職種の者以外は、隊内で運転免許を取る機会は意外と多くありません。看護学生として入るのであれば、運転免許は、入隊前に取っておいた方が良いと思います。
しばらくは平日に外出することはかなり難しくなりますので、平日でないと出来ない手続きを要することなども、入る前に済ませておくべきかとも思います。パスポートの取得手続きなども、時間的に余裕のある入校前にやっておいた方が良いでしょう。
入隊後に注意すべき事柄
いよいよ入隊したならば、もう後は自分の目の前の道をしっかりと進むだけです。
今までとは生活環境も大きく違う場所での暮らしとなりますが、自分が最初に抱いた希望や志を決して忘れることなく、つらい時や苦しい時にはそれを思い出して教務や訓練に励みましょう。
法を守る
遵法精神については、世間一般よりも一段上のものを厳しく求められますから、例えば交通法規一つとっても、今までのように”なあなあ”にすることなく、きちんと守ることを心掛けて下さい。国や国民をまもるための自衛隊が、自分自身で法や規則を破ってしまっていては、世の人々に全く示しがつきません。
時間を守る
自衛隊というのは、時間には非常に厳しいところです。
帰校時刻や集合時間などには絶対に遅れることのないようにしなければなりません。
これは、部隊や車両等が定められた集結の時間に定められた場所に居ないと、時に部隊全滅ともなりかねない危険が生じ得るためでもあります。
また、海空自衛隊では、クルーが揃わないと、艦艇や航空機も予定通りに行動できなくなります。そういうことが絶対に無いよう、学校や諸機関などでも普段から時間厳守が叩き込まれているのです。自衛隊に在職している限りは、ずっと心していましょう。
おわりに
以上のことを心の隅にとめ、自衛隊看護師を目指してください!
(photo by sushi-paku/pakutaso.com)