病院勤務の仕事と比較すると、訪問看護の仕事は予想外の問題に直面する事も多いです。
それは対象者の活動範囲が病院では病院内と制限されているのに対し、在宅ではその範囲が対象者の家庭によって異なり、個々に対応する必要性が出てくるためです。
責任が重いと思うかもしれませんが、患者一人ひとりに向き合って看護を提供したいと考えている看護師にとっては、それが訪問看護の魅力にもなります。
ここでは、そんな訪問看護師の仕事における7つの魅力をご紹介いたします。
1.療養者・家族をトータルにケアできる
訪問看護師の関わりによって療養者・家族と信頼関係が築けると「その人らしさ」が分かってきます。療養者とその周囲の環境に深く関わるため、トータルで対象を捉えることが必要です。
「その人らしい」生活が維持されるためにはどうしたらよいか、常に考えながらその人に丸ごと関わっていく事が求められます。
2.長い目で療養者の変化を捉え、共有できる
訪問看護は療養者が在宅生活を維持するのに必要な介入となるため、長く関わっていく事が多いです。その関わりの中で「1か月前は指導を全く聞き入れてくれなかったのに、今は毎回指導した内容を実践していて病状が良くなった」という療養者のかたもいます。
目に見えて変化が分かった時は療養者のかたはもちろんですが看護師の喜びや充実感も大きいです。こうした変化は長期的に関わっていかなければ見られないもので、病院では経験できない事だと思います。
3.社会的意義を感じることができる
医療費削減で在院日数の短縮化により早期退院が推奨され、様々な問題を抱えて退院される療養者も多いです。退院しても療養者の生活を支える介護のマンパワーも不足しています。
その中で、療養者の生活を支える1つの土台である訪問看護の社会的意義は大きくなります。
4.看護師としてのスキルアップができる
病院と違って、訪問看護では1人で療養者宅を訪問しすべてのケアをこなさなければなりません。初めはそのケアを行う事で精一杯ですが、徐々に慣れてくると観察力や状況判断力が自然と身についてきます。そのとき療養者を看護しているのが自分しかいないから責任を持って関われるようになるのです。
もちろんケアに必要な学習はしなければなりませんが、確実にスキルアップが図れると思います。また看護の技術だけでなく、ケアマネジメントやコミュニケーションのスキルも必要になってくるため、自然と実践し自己の向上につながります。
5.1人の療養者・その家族と関わるための十分な時間が持てる
病院の看護では複数名の患者を受け持っているため、1人の療養者のケア中にもナースコールが鳴り、十分な話も聞けず、次に行かざるを得ないという状況に陥ります。
訪問看護では1人の療養者のケア中はその療養者のための時間であり、十分なコミュニケーションを図り必要なケアを取り入れる事ができます。
そういった意味では、療養者・看護師の双方が満足できる関わりとなるのです。
6.余計な気を遣わなくてよい
療養者宅への訪問はほとんどが看護師一人で行くため、他のスタッフへの気を遣う事なく、のびのびと自分なりの看護が提供できる場と言えます。
7.肌で四季を感じることができる
訪問看護は毎日が車や自転車を使っての移動のため、天気や気温の変化を肌で感じ、季節が変わったんだなあとしみじみ感じることができます。自転車での移動は天候に左右され大変ですが、このような仕事は他にはないかもしれません。
おわりに
いかがでしたか?
訪問看護にはまだここで伝えきれていない魅力がたくさんあるかと思います。看護師としての責任感が強くなる分、自分に自信が持てる仕事であるとも言えます。
また今回は「訪問看護師の仕事の魅力」についてお伝えしましたが、
- 実際にどれくらい給料をもらえるのか?
- 転職サイトではどんな求人が出ているのか?
といった情報については「訪問看護師の給料っていくら?」の記事で解説していますので、興味がある方はぜひ読んでいただければと思います。