秋が深まり、街中のクリスマスイルミネーションが始まると、そろそろ気になりだすのが冬ボーナス。ところで、看護師って同じ年代よりも比較的給与が高いと言われますが、果たして他の看護師はどれくらいボーナスを貰っているのでしょう?
まずはボーナスに関わってくる基本給について考えてみます。
看護師の給与は、本当に他の仕事より高いか?
職業別民間給与実態調査からわかる、給与の裏事情
看護師の給与は同じ年代の人よりも高い、とよく言われます。調べてみると、人事院(国の機関です)による「職業別民間給与実態調査」というものがあります。
この2009年統計によると、
- 同じように医療機関で働くコメディカル、臨床検査技師、放射線技師よりは、35歳くらいまでなら看護師の方が高いが、これは40歳くらいになると逆転。
- また、薬剤師、理学療法士、作業療法士とは同じくらいの初任給でスタートするが、30歳を過ぎると薬剤師に、35歳を過ぎると理学療法士に、40歳を過ぎると作業療法士に抜かれる。
- 50歳を過ぎると、これらすべての職種および栄養士にも抜かれ、病院で働くコメディカルの中では一番ランクが低くなる傾向にある。
統計からもわかるように、看護師は初任給から20代、30代前半くらいまでは比較的「稼げる」職業なのですが、ある程度を過ぎると頭打ちになります。
賃金構造基本統計調査からわかる、給与の裏事情
もう1つ、厚生労働省が行う「賃金構造基本統計調査」という面白いデータがあります。
2009年のこのデータで給与全体の基本給以外の支給額をみると、
- 臨床検査技師(8.6%)
- 薬剤師(6.6%)
- 大卒一般女子会社員(8.3%)
- キャビンアテンダント(3.7%)
- 看護師(11.3%)
他の職種と比較すると、看護師は11.3%と断トツです!
つまり、看護師の給与が高いのは、夜勤などの手当てが一杯ついているから、ということになりますよね。
看護師が年齢とともに稼げなくなるのはなぜか?
これは、看護師の基本給があがりにくいことが原因かもしれません。
給与明細をよく見てみると、看護師の給与には、基本給のほかに夜勤手当や残業手当、休日勤務などの手当てがついています。
合計で見ると「結構高いじゃん♪」と思っても、基本給はどうでしょうか。
新人ならおよそ18万から20万そこそこ、30歳を過ぎても30万になる看護師は稀でしょう。
看護師のボーナス
前置きが長くてすいません…
ここまで基本給について考えてみましたが、ここからが本題です。
実はこの基本給がボーナスに大きく関わってきます。
夏・冬ともにボーナスは通常「基本給の何倍か」で決まるため、看護師のボーナスは最初は良いのですが、経験を重ねてもあまり上がらないことになります。
看護師の基本給とボーナスの、年齢ごとの違い
看護師の基本給とボーナスの、年齢ごとの違いを考えてみましょう。
基本給は年齢区分での平均です。
すると看護師のボーナスは基本給の何倍になるか?
一般的には「公務員に準ずる」ということが多いと思いますので、これで計算してみます。
(ちなみに2013年の国家公務員の冬のボーナスは、基本給の2.05倍だそうです)
- 20~23歳: 平均月収=23万 冬ボーナス予測=およそ47万
- 24~27歳: 平均月収=24万 冬ボーナス予測=およそ49万
- 28~31歳: 平均月収=26万 冬ボーナス予測=およそ53万
- 32~35歳: 平均月収=28万 冬ボーナス予測=およそ57万
- 36~39歳: 平均月収=29万 冬ボーナス予測=およそ59万
- 40歳以上: 平均月収=32万 冬ボーナス予測=およそ66万
平均月収はあくまで「民間に勤務する看護師の給与水準(きまって支給する給与 税込額)」の統計結果ですし、ボーナス予測は単純にこの給与水準に2.05をかけただけなので、実情とは違うかもしれません。
例えば高卒・専門卒と大学卒では当然基本給も違います。
また、ボーナス割合も病院や施設と組合との合意によって決まるので、一概に2.05とは言えません。
さて、アナタの2015年の冬ボーナスは、いかがでしたか?