透析看護とは、透析室などで透析を必要とする患者に対して行う看護を指します。
透析にも腹膜透析と血液透析の二種類がありますが、ここでは透析室などで時間をかけて血液透析を必要とする患者に対しての看護をメインに、一般病棟との違いや透析看護での必要な知識・技術について4つのポイントを紹介していきます。
ポイント1: 患者とのコミュニケーション
透析患者は糖尿病などの合併症から腎不全になり、透析に至るケースが多いです。
糖尿病に罹患している時点で生活習慣や食生活、血糖コントロールなどが行えない結果、合併症を生じているため、なかなか性格的に癖のある患者が多い…ように感じます。
そんな少し癖のある患者と関わりを持つなかで、必要となってくるのが、なんといってもコミュニケーション!どんな患者に対しても看護を行う為の技術として必須項目になるので意識していきましょう。
ポイント2: 透析患者の日常生活管理
透析患者には、日常の食事管理・飲水制限、体重管理、シャントがある腕には負担をかけないような生活をするなど、日常の生活のなかでも様々な制限がかかってきます。
そんななかで透析看護には日常生活について、いかに指導・管理していくかが大切になります。普段からの患者とのコミュニケーションを図りながら、患者自ら生活管理を行ってもらえるよう関わっていくことが必要になります。
ポイント3: 穿刺手技
基本的に透析患者のシャントへの穿刺は透析看護師の仕事です。
いくらシャントがあるとはいえ、透析用の太い針(16~17G)を刺す必要があります。普段の点滴用の針が24~20Gなので、透析看護を行う上ではこの穿刺手技は必須といえます。
多くの方はシャントに問題なければほぼスムーズに入ることが多いでしょうが、血流量や使用期間などによっては難しい方もいるので日々の業務が訓練になりますね。
とはいえ、始めは誰でも初心者です。あまり気負わず頑張っていくことが上達への近道です。
ポイント4: 急変対応
透析中には急変対応が行えることが必要です。なぜなら、体内の血液を出して体内の老廃物・水分などを除去する作業を行うので、血圧低下やショックが生じるリスクが高い為です。実際に臨床の場でも、ショックを起こし血液透析が中止になる方も結構いたりします。
透析看護で必要なのは、そのようなショックなどの急変が生じるリスクが起こることをきちんとアセスメントしたうえで患者と関わり、状態変化の兆候を見逃さない、バイタルサインに注意する、急変が生じたときには必ず医師や他スタッフに報告すること。すみやかな対応を行いましょう。
最初は怖いと思うかもしれませんが、透析患者のことはスタッフ全体でみているので、必ず、すみやかに報告・連絡・相談を行っていれば問題はないと思います。
少し「怖いな」と思うこともあったかもしれませんね。透析看護に限ったことではありませんが、焦らず少しずつ慣れていけばいいのですよ。
病棟と比べ、少々特殊性がありますが、だからこそ、勉強になることも多いと思います。いい「経験」になるということも沢山あると思います。
もし機会があれば、透析看護も今後の自分の可能性を広めるきっかけとして考えてみてはどうでしょうか。(夜勤のないところなら、身体への負担も減りますしね)