今回はERで働くことのメリット・デメリットと仕事の実際を紹介します。
ERと聞くと急変やとにかく忙しい、ドラマチックシーンなどのイメージがあると思います。特に最近は医療ドラマ等でERを取り扱う機会が増えており、興味や注目を集めています。
看護学生や既卒、新卒の看護師さんのなかでもER病棟へ見学したり入職・転職を希望する方が増えている印象です。
人員体制がしっかりとしている病院ならば経験年数が少なかったり、新卒の看護師でも異動・転職は可能です。
ERの業務
ではERの実際の業務は大きく分けて3つです。それぞれ簡単に説明をします。
救急車対応
受け入れの可否を医師に相談、進言
病院付近にいる救急隊からの連絡を受けるのは看護師です。
救急隊員から必要な情報を引き出し、医師に受け入れの可否を相談します。
救急車の搬送後の対応
バイタルサイン測定、点滴投与、診察の介助
救急隊からの情報で疾患を推測、処置に必要な物品を考え準備しておきます。
そして救急車にて運ばれたあとにバイタルサイン測定、処置、ルート確保、薬剤投与を行います。
とにかく処置は早いほど良いです。処置をスムーズに行うために準備をしっかりと行います。
救急外来にウォークインで来た患者さんの対応、問診
急に体調不良を起こした患者さんの対応もします。
ウォークインで来た患者さんは、救急車を使わずとも、自力にて受診する患者さんのことです。既往、現病歴、経緯など問診を行い、優先順位を判断します。
救急車で搬送されることの多い高齢者とは違い、自力で受診する患者さんは若年者から中年の方が多いです。しかし、疾患によっては若年者は急変が多く、体調の変化が早いためトリアージを確実に行う必要があります。
主にERではこの3つの業務が中心となりますが、イレギュラーな場面が多々あり、柔軟な対応が必要とされます。
ERで働くメリット
ERで働くメリットを紹介しましょう。メリットは個人差や病院によって異なることは間違いありません。しかし、身につくものは多大にあることは変わらないと思います。
処置を覚えられる
緊急性を伴う仕事なので処置、検査等をこなす数は他病棟に比べ圧倒的に多いです。(個人的
な見解ですが)1年でほとんどの内科的処置を見れたり、介助につくことはできるのではないでしょうか。
採血、ルート確保のスキルが向上
入院する患者さんの数は他病棟と比べると圧倒的に多いので、採血やルート確保の必要性も多くなります。数をこなすと必然的にスキルはあがるでしょう。
様々な患者をみれる
対応する患者さんが多いので、外科から内科まで幅広い疾患をみれるのはERやICUだけでしょう。
度胸がつく
ERは患者対応の数が多く、急変も多いです。
やはり他病棟と比べて「いざという時」という場面は多いので必然と度胸もつきます。
体制がしっかりしており、残業がほとんどない
意外でしょうか。ER病棟は3対1と看護体制が決められているので、人員が厚く残業もほとんどありません。
ERで働くデメリット
デメリットはやはりメリットと密接に関連していると思います。
忙しさにムラがある
病棟に比べ忙しさが日によって違います。やはり救急車搬送、ウォークインの患者さんの数は日によって違いますので、忙しいときは立ち止まる時間もありません。
不安からくるストレスが多い
ERの場合は、イライラするストレスではなく、何があるかわからない不安です。
重症患者が多い時は精神的負荷が多大にかかります。そう言った日々が続くと体調も崩しやすくなります。
初期治療後の経過がみられない
ERでの初期治療後は一般病棟へ移ってしまいますので「患者さんのその後」は見られません。長く患者さんと付き合ったりしたいならば、ERは適していないでしょう。
ERに向いている人とは
- 向上心があり、知識を意欲的に吸収したい人
- さっぱりとした性格の人
- 体力面に優れており、体調管理ができる人
- ICU、OPE室経験者(内科・外科の患者さんが混合しており挿管介助、人工呼吸器などが多々あるため)
- 患者と長く関わるのが苦手な人
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おわりに
ERは殺伐とした雰囲気が想像されますが、職場によっては穏やかな雰囲気で働くことができます。
私の勤務していたERは他病院から転職してきた方が多かったです。他病院から転職してきたのベテラン看護師の方から学べることは多いにありました。「こんなやり方があったのか!」と日々驚いていたものです。
ERの仕事をしたいと考えている人は、転職サイトを使って、ERを備えている病院を探して自分にあったERを探すのも良いと思いますよ!