突然ですが、あなたは自分が看護師の仕事に向いている性格だと思いますか?
自分ばっかり頑張っていて、全然働かない人がいたり、自分の仕事が終わってもその人たちの仕事を手伝わなければならなかったり、また、同じ仕事をしても自分だけは怒られたり……
不平等だ!と感じている看護師さんも多いのではないでしょうか。
ここでは、看護師に向いている性格とはどんな性格なのかを考えてみましょう。
よくある…なんで私ばっかりこんな目に?なエピソード
まずはいくつかのエピソードをみてみましょう。
“居残り”をいつも押し付けられてしまう Aさん
Aさんは26歳、新卒からとある病院の整形外科病棟に勤務し、今年で4年目。その病院は2次救急病院であり、救急車が1日に数回はやってきます。
整形外科には交通外傷などの急患が多く、本来のキャパシティよりも多くの手術が予定されていることもあり、特に日勤帯では毎日のように“居残り”が必要となる状態でした。
ところが何故か整形外科病棟には、ママナースや“居残り”が難しいスタッフが多い。
Aさんは頼まれると断れない性格もあり、師長からの「お願い」にはイヤとは言えず…。
結果的に時間外手当がかなり多くなるという嬉しさはありましたが、“居残り”が20時を回ることも多く、やはり「自分ばっかり…」という気持ちはぬぐえません。
イヤなDrからのお小言の集中砲火を浴びてしまう Bさん
Bさんは新人ナース。とある総合病院の消化器外科に就職して10か月が経ちました。
同期のナースはBさんを含めて3人。中でもBさんは比較的大人しい性格で、誰かに強く言われると萎縮してしまうところもあります。
ところで、この病院の消化器外科部長であるO医師は、新人いじめが大好き。研修医だけではなく、新人ナースにもちょっとしたことで嫌味をいうのが大好きという嫌な男性医師です。
Bさんが就職後3日目にしてBさんの性格を見抜いたのか、同じ新人が2人いるにも関わらず、Bさんをみると毎日のように嫌味を言ってきます。
「なぜ自分ばっかり…」Bさんは毎日憂うつな気分で仕事をしています。
頼られるのは嬉しいが自分だって文句を言いたい Cさん
Cさんは30歳、勤務歴8年目の中堅どころ。今年の4月から主任になりました。主任になったとたん、自分より若いスタッフの“尻拭い役”となってしまいました。
主任の仕事といっても特別なことはまだ少ないのですが、師長からも「若い子の相談に乗ったり、見本になってね」と言われています。
Cさんは元々テキパキと仕事をこなすタイプでしたが、ふと気づくと仕事が終わっていない後輩が目につきますので、手伝ってしまいます。時間外になってしまうことはほぼ毎日。
でもCさんの気持ちとしては「私だってたまには自分の仕事だけで早く帰りたい」です。
下の面倒をみながら自分の仕事をこなし、患者さんや家族からもいろいろな仕事を頼まれ、医師からも若いナースの失敗などをぐちぐちと聞かされます。
何だか人一倍働いている気分。主任になったことをちょっと後悔しています。
損する人と得する人の違いとは
いかがでしょう? 3つのエピソードを挙げてみましたが、こんなナースはどこの病院にも1人や2人はいそうですね。もしかすると病棟に1人はいるかもしれません。
では、Aさん、Bさん、Cさんのように「私ばっかり…」と思ってしまう人と、そうではない人との違いはなんでしょうか。
1番の違いは、性格ではないでしょうか
Aさんは頼まれると断れない性格、Bさんはちょっとおどおどしてしまう性格、Cさんはつ手を出してしまう・頼まれやすい性格、これらがちょっとだけ災いしているのかもしれません。
それからもう1つ、「立場」や「状況」というものもあります。
Aさんはママナースが多い中での独身ナースで特に習い事もしていないという状況。Bさんは色んな意味で注目されやすい「新人」と言う立場、Cさんは後輩の尻拭いもしなくてはならない「立場」であり、上司には中々文句を言いにくいところもあります。いわゆる中間管理職ってやつですね。
こういったことから「何で私ばっかり…」という状況が生まれやすいのかもしれません。
自分は損している!と感じている看護師のための3つのアドバイス
看護師の中には、デキるデキないということもありますし、自分からは率先して働かない人もいます。
どこの病院でも看護師不足ですが、仕事に対して損得勘定をする人もいますし、元々の性格や勤務場所の忙しさにより、どうしても不公平感のある仕事です。
そんな「損してしまう人」へのアドバイスは3つ。
「自分の仕事を全うしよう」
看護師の仕事って一番大事なのは患者さんや医療者の安全です。
そのためにどうすれば良いか、自分に不足しているところはないか、これで仕事の内容に間違いはないのか、まずはそこを考えます。
看護師だって人間ですから、損得を考えたくもなってしまいますが、損をしている人は、きっとどこかで得もします。そう信じて自分の仕事を全うしましょう。
「聞き流すテクニックを身に付ける」
特にBさんのような場合、失敗した自分はよろしくありませんが、だからといって外野からぐちぐち言われる筋合いはありません。
その失敗により迷惑をかけてしまった本人には誠心誠意謝りますが、そうでない人の言うことは聞き流すテクニックを身に付けましょう。
「割り切る勇気を持とう」
Aさんの場合は「今日は予定が有るので無理です」と断ることも必要です。他にも1人くらいは“居残り”出来る人がいるでしょうし、なんなら師長が残ったって良いんです、人がいないなら。
Cさんだって後輩の仕事の遅れを全部自分で片づける必要はありません。仕事が残りそうと察したら、手が空いている人に振れば良いのです。
すべてを自分が抱えるのではなく、周りに振ることを割り切りましょう。
おわりに
いかがでしょうか。看護師の仕事は何かとオーバーワークになりがちですが、自分だけがしょい込むことが良いわけではありません。お互いを思いやる気持ちを持って接することも、優しさだと思いますよ。