あなたの職場でも新しく採用されたと思ったら、すぐ退職する看護師の方はいませんでしたか?労働基準法でも退職するには2週間以上前に退職の意思表示をすることとあります。
しかし、これから転職を考えている看護師さんはもしかすると自分が即日退職を考える立場とならないとも限りませんよね。
今回は看護師の即日退職について考えてみたいと思います。
即日退職が認められる例ってあるの?
労働基準法によると…
例えば、転職が急に決まったので「本日限りで辞めます」ということを言う看護師がいたとします。これは世の中的に認められるかどうかといえば、No!です。
それでも翌日から出勤しなければ、本人としては「退職した」気分かもしれませんが、法律上は認められません。
実は、労働基準法には「労働期間の契約に関することを書面で明示すること」というのはありますが、退職の何日前に退職の意思を伝えるか、ということは定められていません。
民法上では「 労働者は少なくとも2週間(14日)前までに退職の申し出をすることによって、いつでも労働契約を解除することができる」という旨の記載がありますので、一般的には最短でも退職の意思を伝えてから14日後には退職しても良いと解釈されています。
しかし雇用契約書の中に30日前に、などの記載がある場合は、基本的にそれに従うことになります。
基本的には即日退職は認められない
一般企業でも同様ですが、即日退職されると残された人や企業(病院)側では、すぐに次の人を探さなくてはならないので、基本的には即日退職は認めません。
もし認められるとしたらかなり稀なケースですが「その看護師が勤務していることで、患者さんの命を脅かす」ようなことがあれば、認められるかもしれません。
一方で、即日退職したことで病院側に多大な損害(急遽新しく人を雇うために大金が必要、あるいは即日退職されたことで医療機関の運営や介護サービスの提供ができなくなった、など)を受けたと判断されると、それを後に要求されることもあります。
それでも、できるだけ早く辞めたいなら
新しい転職先が決まったら、すぐにでも辞めたくなりますよね。ですが、上記の理由により即日退職は基本的にタブーですので、いかにして早く辞めるか、を考える必要があります。
例えば雇用契約書に「何日前」と明記されている場合は、必ずその期日までに退職願を退出し、上司などの承認を得ておく必要があります。
ちょっと乱暴なやり方としては、民法に定められている14日前までに、退職届を出すというやり方もあります。
しかし残されるスタッフや患者さんには、多大な迷惑をかけることを覚えておきましょう。
例えば、在宅看護を請け負う介護サービス事業者であれば、急に1人が減ったことで、必要なケアを行えなくなることもあります。在宅で点滴治療や胃ろうなどによる経管栄養を受けている人は特に、急に予定が変わることで容態が急変することもあります。
転職を決めたときに、この3点は注意しましょう
退職日は日にちに余裕を持って決める
一番の基本は「退職日は、日にちに余裕を持って決める」ことです。最短でも14日、基本的には雇用契約書に記載されている「退職の期日」を元に決めておきます。
最終日に有給休暇を使うかどうか
看護師がどこかに配属されて働き始めるには「辞令」があります。多くの場合は退職日を月末にするのですが、その最終日に「退職の辞令」がある場合があります。あとあとの問題を起こさないためにも、最終日にはきちんと仕事をしてから職場を去りましょう。
退職の手続き
退職理由は何でも良いので(一身上の都合、が一般的)、退職の意思表明として「退職願い」を提出します。これが受理されたら、退職願に記載した日付で退職することができます。
おわりに
転職や退職は、ただ辞めれば良いわけではありません。
辞める意思を固めたら、きちんと事前準備をしないと、次の職場の入職日にまだ前職を辞めていない、という状況なる可能性もあります。それでは上手く転職できたとはいえません。
やはり前職にも迷惑をかけない、キレイな退職をしてから、心機一転したいですよね。