看護師は世間的にみても比較的給料の高い職業と言われています。
職業によっては、ある程度経験年数が経つと逆転することもありますが、例えば同じ年齢の一般企業のOLさんなどと比較すると、年齢が若いほど看護師の方が給与が高い!という現実に出会うと思います。
これについて、更に踏み込んでいうならば、看護師の給料はとにかく初任給が高いのです。
今回は、この看護師初任給(基本給)をもとに、実際の看護師給料の格差と都道府県別のランキングについて考えてみましたよ。
初任給平均額からみた看護師の都道府県別 給与ランキング
まず、下の図をみてください。
これは、看護協会が行った「2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」を元に、都道府県別の初任給の違いをグラフ化したものです。
初任給平均 =(3年課程卒+看護系大学卒)÷ 2
この方法で計算したものを以下にランキングにしてみます。
初任給平均ランキング ベスト5
- 神奈川県 ―― 211,258円
- 東京都 ―― 210,665円
- 埼玉県 ―― 209,291円
- 大阪府 ―― 208,714円
- 千葉県 ―― 207,279円
初任給平均ランキング ワースト5
- 宮崎県 ―― 183,620円
- 熊本県 ―― 187,596円
- 青森県 ―― 187,801円
- 長崎県 ―― 188,059円
- 佐賀県 ―― 189,412円
ベスト1とワースト1、その差は?
看護師初任給のベスト1は神奈川県の211,258円です。
これは、看護系大学卒の全国平均を大きく上回っていますね。
逆に、ワースト1は宮崎県の183,620円です(宮崎県の皆さま、ゴメンナサイ…)
ベスト1の神奈川県と比較すると、月平均で27,638円もの差があることになります。
これを年収の差で考えると、
27,638円 × (12ヶ月 + 3ヵ月) = 414,570円
※賞与についてはざっくり3ヵ月分で計算
年間でこれだけの差が付くことになります!ずいぶんな違いですよね。
2年間頑張れば、けっこう高機能な軽自動車くらい、買えちゃう計算です。
看護師給料には大きな地域格差があるということがわかりますね。
さて、それでは地域格差のほかに看護師給料にはどんな差があるのか見ていきたいと思います。
地域別の差以外にどんな差があるのか
学歴別の差
同じ正看護師の資格があっても、3年課程卒の場合と看護系大学卒の場合では、
およそ7,000円程度の差があることが分かります。
医療機関によって、あるいは経験年数によって、差額の大小はありますが、おおよそは今後もその差が続くと考えてよいのではないでしょうか。
年度や物価水準による差
前述のグラフなどを見て「おや?」と思った人もいるかもしれません。
日本看護協会のホームページには、同じような「都道府県別看護師初任給(基本給)」というグラフがありますよね。これは2009年のデータを基にしているようです。
こちらのデータでは、
- ベスト1は千葉県
- ワースト1は山口県
となっており、その差はおよそ4万円となっています。
ところが、2012年の統計データ上で、先ほどの計算式で平均を出してみると、千葉県は第5位と相変わらず高めです。
一方の山口県はワースト11位となっており、2009年からだいぶ改善されているようにも見えます。
この辺りの差については、看護協会のデータとの計算の仕方の違いもあるかもしれませんし、物価水準なども関係しているかもしれません。
いずれにしても、看護師の給料は大都市やその周辺地域では、初任給も高くなる傾向があるようです。
それでは最後に、基本給以外を含め、実際に懐に入ってくる金額について考えてみましょう。
基本給以外を含めるとランキングはどう変わるか?
ここまではあくまで初任給(基本給)のお話でしたが、看護師には夜勤があるため夜勤手当も付きますし、休日出勤・時間外の手当や、賞与、交通費なども含まれます。
こういったものをすべて含めて考えた時、看護師給料ランキングの上位にランクインするのは、どんな求人なのでしょうか。
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1番目は中野区の病院求人!
東京中野区江古田にある総合病院で、TMS・ボツリヌス療法はテレビで紹介されたこともあるそうです。
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2番目は千葉県我孫子市の病院求人!
急性期から在宅看護まで、幅広い経験ができる総合病院です。
残業少なめで、有給消化率99%と休みがとりやすく、さらに、1年に1回は7日間通しで休日をとることを推奨しているようで、プライベートと仕事を充実させたい看護師にはピッタリではないでしょうか。
さらに賞与も年3回支給という点も、うれしいですね。
3番目は横浜市鶴見区の病院求人!
横浜市鶴見区にある、母体が大企業系の総合病院です。そのため、福利厚生に力をいれているようです。
平成24年の実績があったので教えますね「公休取得実績:100%」「年休取得実績:61.5%」「平均残業時間:3.5時間」「育児休暇からの復帰率:100%」ということで、子育てとの両立を考えている看護師にはもってこいの病院なのではないでしょうか。
参照:レバウェル看護
おわりに
転職は、まずはしっかりした情報収集が大切
看護師の給料には地域性がありますし、傾向としては大都市で高く、地方では低くなるようです。さらに、3年課程卒と看護系大学卒でも差がありますし、看護師の需要が高い病院や施設などでは、看護師の給与はさらに高くなる特徴がある、ということがわかりました。
ただ、今回ご紹介したデータは、あくまでWeb上で検索できる範囲内のものです。
実際にどれくらいの給与を手にすることができるかは、面接などでしっかり聞き出す必要がありますが、そういった「何となく自分では聞きにくいこと」はレバウェル看護をはじめとする転職サイトなどを上手に利用して、情報収集しておくと良いかもしれませんね。