皆さんこんにちは。さて、皆さんは循環器内科にはどのようなイメージをお持ちでしょうか?外科の方がバタバタしてる?それとも内科だって忙しい?
どの科でも、とかく看護師という職業は忙しいと思われがちですし、忙しそうに走っている姿を見ることも少なくはありません。
それでは、実際のところ、循環器内科の業務内容とはどのようなものなのか、現役の循環器内科に勤めるF子さんに密着した「循環器内科のリアルな1日」についてお話ししていきます。
循環器内科看護師のリアルな1日(日勤)
『おはようございます!』
多くの看護師は始業の30分~1時間前に出勤します。そして、業務開始の時間までに自分が今日受け持つ患者の情報収集をします。
始業時間には夜勤からの申し送りを聞き、すぐに出動できるようにするためです。始業前ではありますが、そこから1日が始まります。
カルテを見て、医師からの指示や前日の記録、あるいは検査結果なども見て、患者の状態を把握します。
カテーテル検査がある患者については、少しバタバタとするため、しっかりと中止されている薬や点滴の指示があるか、検査時間など、変更されていないかを事前に1つ1つ確認します。処方切れの薬がまだあるか、処方してもらう必要はあるかなどもチェックしていきます。
いかに早く、効率的に朝のスタートダッシュを行うかは、この朝の『情報収集』にかかっています。
タイムスケジュール
業務開始~怒濤の1日の始まり
8時30分、業務開始になります。業務の始まりは、夜勤看護師からの申し送りで始まります。
申し送りを聞き、患者の直近の状態を把握します。このとき、医師への確認事項なども確認します。そして、その日のリーダーに伝え、確認を行ってもらいます。
リーダーというのは、その日の日勤看護師のリーダーのことで、医師への確認事項や薬の処方切れの確認、クリニカルパスで入院してきた患者のパス上での検査がきちんと入力されているかの確認、翌日のカテーテル治療の伝票作成などを行います。その日の日勤業務を統括する責任ある立場です。
1日の動きを確認して、いざ患者さんの元へ!
午前中の業務について
申し送りを聞いた後は、その日の担当患者に挨拶をして、バイタルサインの測定を行い、その日の体調を伺います。入浴などの保清の確認やその日にある検査や治療の確認なども行います。
カテーテル治療については前準備が多いため、朝のうちに患者に再度説明します。日勤では、1日6~7人の患者を受け持ちます。
そして、その日にカテーテル治療があったり、入院する患者を受け持ったりすると少しバタバタとします。また、その日の予約入院ではなく外来からの即日入院というものもあり、即日入院の患者を受け持つことになっても、時間によってはかなりあわただしくなりますとします。
カテーテル治療では前準備があり、入院患者に対しては患者情報などの問診や入院オリエンテーションなどを行うからです。
そして、カテーテル治療ではその日の状況によって時間通りに呼ばれないこともしばしばです。なので、自分が業務前に描いていた1日の流れは簡単に崩れます(笑)
しかし、そこでも臨機応変に対応し、カテ出し(カテ室に患者を搬送すること)を行うことが重要になります。
昼休み~2交替で看護師の人数を確保
昼休みは11時半~、12時半~で早上がりと遅上がりに分かれます。早上がりと遅上がりの看護師で、自分の休憩中に時間で行うこと(点滴、カテーテル治療の申し送りなど)があれば、依頼します。
12時に配膳を行い、必要な患者には食事介助を行います。食事が終わった頃を見計らって、配薬も行います。
1時間だけではありますが、看護師の数がほぼ半分になってしまうため、思ったよりもバタバタとして忙しい1時間となります。
後半戦開始
午後の始まりは、カンファレンスから。
- ウォーキングカンファレンス
- プランカンファレンス
- リハビリカンファレンス
- 薬局カンファレンス
などがあり、13時半から正味1時間ほどになります。
ウォーキングカンファレンス
安静度が上がりそうな患者や不穏な患者、転倒リスクの高い患者に対し、今のベッド周りの環境が適切であるかどうかを評価するために、看護師が患者のベッドサイドに集合して5~10分程度のプチカンファレンスを行います。
車イスの位置や杖の位置などは適切かどうか、柵の位置など細かいところもチェックしています。主に転倒防止を目的としたものです。
プランカンファレンス
今の看護計画が適切かどうか、状態が良くなった患者の看護計画を変更するときなど、皆の意見を仰いで参考にします。
リハビリカンファレンス
週に1~2回行われるものです。
治療後の心臓リハビリテーションの進行具合や安静度をどうするかなどを、リハビリテーション科と共に話し合います。心臓リハビリテーションは、虚血性心疾患や心不全の患者に対して、どれくらいの運動負荷までなら耐えられるのかを知ってもらうための指標となります。
薬局カンファレンス
週に1~2回行われるものです。これは、患者の薬の管理方法などについての話し合いを薬剤科と行います。退院が近いから薬を患者に管理してもらおう、状態が良くないから薬を看護師管理にしよう、など患者の今の状態と薬の管理状況がマッチしているかを話し合います。
カンファレンスが終わったら、午後の部屋回りを行っていきます。体調に変化はないか、カテーテル治療後の患者は特に訪室を頻回にすることで、合併症はないか、バイタルサインの変動はないかなどを観察します。
カテーテル治療後は安静時間があるため、食事や排泄などに制限がかかるために看護師が介助する必要があります。
記録については、時間がある時に適宜行います。
患者の状態や治療の進み具合によっては、なかなか記録時間が確保できないこともあります。
勤務交代~少し一息つく時間
16時30分~夜勤の看護師の勤務が始まります。その日の日勤帯の患者の状態を申し送ります。
勤務交代したら、少し落ち着いて記録を書くことができます。
業務終了!
17時、勤務終了です。『お疲れ様でした!』と帰りたいところですが、仕事が残っていることも少なくありません。自分の仕事が終わり次第、帰宅です。
循環器内科の特徴
ここで循環器内科の特徴についてお話ししていきます。
主な疾患
疾患については、心不全や主に心房細動や房室ブロックなどの不整脈、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患などを扱います。
治療や検査
大きな特徴としてカテーテル治療や検査が多いことが挙げられます。そのため、業務もそれに特化したものがあります。
<主な検査や治療>
- CAG(冠動脈造影)や心房細動などの頻脈性の不整脈にはABL(心焼却術)
- 房室ブロックなどの徐脈性不整脈にはペースメーカーの植え込み
- 虚血性心疾患に対してはPCI(経皮的血管拡張術)
- 心不全については、心不全の重症度に応じて透析を行ったり、人工呼吸器など管理
心電図モニターを装着している患者が多く、大きなモニターがナースステーションにあります。ピコンピコンとアラームが鳴れば駆けつけます。歯磨きなどの接触不良によるものもありますが…
心臓は腎臓ととても密接な臓器です。そのため、循環器ナースは心機能も評価しつつ、腎機能も評価を行いながら心不全の悪化がないかなどを観察します。
●冬ならではの循環器内科の仕事
冬になると、インフルエンザや風邪が流行り始めますね。
当然、子供やお年寄りは抵抗力も弱く、重症化しやすいです。そして、そんなわけで循環器内科病棟ではありますが、肺炎などの患者が入院してくることもあります。循環器“内科”ですからね…そこは内科としての役割も担っているのでしょう。
まとめ
今回は、循環器内科の看護師の1日に密着してお話ししました。
カテーテル治療が多い日や即日入院があった日などはとても忙しく、残業になりがちです。
しかし、残業を当たり前にするのでなく、勤務時間内に勤務を終わらせることを目標としながら、日々業務に励んでいます。
循環器内科ではカテーテル治療が多いことや急変が多いことなどが挙げられます。不整脈などの患者は急変リスクが高いです。おそらく他の科よりも急変のリスクは高い科であると言えます。
また、時には循環器以外の患者が入院してくることもあるため、臨機応変な対応や処置を行うことも必要になります。
ここまで循環器内科の看護師の1日について話してきました。
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※参照:看護roo!
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