ホスピスとは、末期のがん患者さんを対象に、緩和治療やターミナルケアを行う施設です。
『死』が当り前のようになってしまっている…そんな人も看護師の中にはいるのではないでしょうか。
しかし、末期のがん患者さんやそのご家族にとっては『最初で最後の死』…それまでの人生の締めくくりになります。患者さんにとってよかったと思える最期が迎えられるよう支援していくのが、ホスピスではたらく看護師なのです。
今回は、そんなホスピスの仕事と転職についてお話しします。
ホスピスでの仕事とは
ホスピスでの主な仕事内容は、
- 本人や家族への精神的ケア
- 痛みのコントロール
- 日常生活援助
- QOLの向上
- ターミナルケア
- 死後処置 などが挙げられます。
ホスピスで働くメリット
より豊かな人間的成長が望める
患者さんが死を迎える最期の時まで、人間としての尊厳を保てるようなサポートを行うことは、自らの生き方、あるいは死生観というものを見つめ直すきっかけにもなります。
また、患者さんやその家族ともより深い部分で信頼関係を築くことにより、豊かな人間的成長が望めます。
専門性が高く、ステップアップができる
ホスピスは専門性が高いため、将来的に緩和ケア認定看護師の資格の取得をしたい人には最適の職場です。
資格取得後は更にレベルの高い看護を患者に提供していくことが可能となります。
一人ひとりの患者さんとじっくりと向き合いながら看護を提供できる
一般の病院などで勤務している場合、看護というよりも業務に追われてしまうことの方が多く、一人ひとりの患者さんに十分な看護を提供できないジレンマを感じることがありますが、ホスピスの場合、患者さんやその家族とじっくり関わりながら、看護を提供することができます。
ホスピスで働くデメリット
ホスピスは、自分の死と向かい合っている患者さんが居る所であり、多くの患者さんを看取る機会に直面するため、精神的ストレスが大きい職場といえるでしょう。
また、基本的に病院などの医療機関では患者の病気や症状を治す、あるいは緩和することを目的として積極的な治療を行いますが、ホスピスの場合は、積極的治療行わないのが特徴です。
そのため、患者さんが回復する姿に喜び、やりがいを感じていた看護師にとっては、戸惑いが大きく、一般病棟にいた時とはまた違うストレスを感じやすいかもしれません。
ホスピスでの勤務に向いている人
ターミナルケアに興味・関心がある人
将来的に緩和ケア認定看護師の資格の取得をしたい人
生きることや死ぬことについての理解を深めたい人
一人ひとりの患者にじっくりと向き合いながら看護をしたい人
ホスピスに転職する方法
ホスピスには様々な形態があり、総合病院内に診療科や緩和ケア病棟があるところや、単独で専門病院として立ち上げている施設もあります。
また、緩和ケア病棟の場合は、病床稼働率を上げるために一般あるいは救急患者の受け入れを行っているところも少なくありません。
しかし、いずれの場合もホスピスが完備されている病院や施設は少ないため、求人もあまりないのが現状です。
では、ホスピスの実際求人をみてみましょう。
ホスピス 実際の求人について
1. 終末期医療・ホスピスに力を注ぐ総合病院の求人(東京都)
こちらは、看護roo!に掲載されている、終末期医療・ホスピスに力を注ぐ総合病院の求人です(2016年1月)。
20床の緩和ケア病棟には、緩和ケア認定看護師も2名おり、癌看護や終末期の看護に興味のある看護師が活躍できる環境です。199床と大きな病院ではありませんが、地域密着型病院として、患者さん一人ひとりに向き合った看護を実践することができます。
2. ケアミックスの病院の求人(埼玉県)
こちらも、看護roo!に掲載されている、ケアミックス病院の求人です(2016年1月)。
急性期から慢性期、そして在宅までトータル的な医療提供を行っています。緩和ケアチームには緩和ケア認定看護師も2名在籍しています。0歳から学童までの子どもが対象の24時間託児所があるのも魅力ですね。
おわりに
ホスピスは、職場によってもその特色は様々であり、十分な情報収集が必要ですので、「ナース専門の転職サイト」を利用して、不明点など事前によく確認しておくことが望ましいといえます。
また、今すぐに転職を考えていない人でも、今から無料登録をしておけば、様々な案件の中からじっくりと選びつつ、転職の準備をすることができます。
ホスピスは、看護師として看護を提供しているのに、なぜか患者さんから与えられるものの方が多い職場です。ぜひ、挑戦してみませんか。