児童福祉施設とは、児童福祉法に規定されている以下の14施設のことを指し、満18歳未満の児童が利用する施設です。
施設は大きく分けて、生活支援・子どもの遊び相手、相談役など障害のない子どもや大人への支援が主となる施設と、障害をもった子どもを支援する施設があります。
前者は、助産施設・乳児院・母子生活支援施設・保育所・児童厚生施設・児童養護施設・児童自立支援施設・児童家庭支援センターの8施設。後者は、知的障害児施設・知的障害児通園施設・盲ろうあ児施設・肢体不自由児施設・重症心身障害児施設・情緒障害児短期治療施設の6施設です。
これらの施設は、老人ホームなどと同じ福祉施設のひとつですが、児童福祉施設は、「児童」福祉に関する、それを保障する子どもが主の施設というわけです。
両親の病気や経済的な事情で、家庭で育てることのできない乳児や、虐待を受けた子ども、不良行為をした・する恐れのある子ども、身体的な障害等がある子どもなど、施設名の通り、それぞれの施設ごとに入所してくる児童の状態や年齢、家庭環境などは異なります。
施設では、通園と寮生活とのパターンがありますが、特別な治癒や治療などの医療的ケアや、自立した生活を送るための知識・技術などが身に付くように、また人間関係の気づき方や社会のルールなど、施設を出たあと社会の中で困らないように育てていくことが大きな役割です。
児童福祉施設での仕事
その施設内での仕事は、大きく次の6つに分けられます。
介護・保育・相談援助・看護、リハビリテーション関係・栄養、調理関係・運営、管理関係の仕事です。
看護師は医療の面から子どもたちをサポートします。
中でも主な仕事は、疾病予防になります。具体的にはインフルエンザや食中毒などにならないように『保健だより』といったものを発行したり、施設内の衛生管理を行います。その他には、子どもたちが遊んでケガをした場合その手当を行い、薬の投薬・服薬の管理・記録や病院への付添、病院との連携を行うのも看護師の仕事です。
また乳児のいる施設では、看護師の配置が義務付けられており、検温など健康管理は他の職員の先頭にたって行います。
保育士との協働による仕事が多いですが、児童福祉施設では子どもが医療ケア等の対象であるため、小児科での看護師経験や小児医療の知識や技術などの専門性が求められます。
労働環境
寮は病院と同じ24時間勤務となり、夜勤では急病等の判断を一人で行うという場面も少なくはありません。
その他、施設利用者やその家族に対しての心のケアや相談・助言をする力、施設や施設に関わる人、専門職の人とのチームワーク力も求められます。
更に人との関わりがとても大切な仕事ですので、コミュニケーション能力も求められます。特に障害を持った子どもの施設では意思疎通が困難な場合もあるため、その子どもの体や様子から感じとれるすべての情報を読み取れる力などが重要になってきます。
子供が相手の仕事なので想定外の行動を起こす子がいたり、大変に感じることも多いですが、学ぶことは沢山あります。日々子供と供に成長を感じることができ、看護師としてより大きくなることができるでしょう。
児童福祉施設で働くということ
上記でもお話しましたように、児童福祉施設で働くというのは病院で働くのとは大きな違いがあります。どちらかというと直接的な医療の場ではないので、様々な面から子供たちをサポートすることが必要となります。
施設にもよりますが夜勤などがないことが多く、自分の時間もしっかりと取りながら働くことができることは大きなメリットとも言えます。しかし夜勤がないということは病院勤務より給与も下がるというケースが多いです。
しかしやりがいの大きな仕事であることは間違いありませんので看護師として児童福祉施設で働くという選択肢を考えてみることも看護師として多くの経験ができるはずです。