専門看護師、認定看護師という資格について、もちろん聞いたことがありますよね?
これらの資格は日本看護協会が設定しました。
1996年には専門看護師が、1997年には認定看護師が誕生しています。
2012年4月現在、登録されている専門看護師は795人、認定看護師は8993人に及んでいます。
専門看護師と認定看護師の資格の違い
専門看護師は10の看護分野に分かれ、実務経験はさることながら、大学院の修了資格が必要です。
一方、認定看護師の看護分野は19に分かれ、実務経験と日本看護協会が認定した教育課程を修了すれば資格を取得することができます。
認定看護師は、2012年度中に新たに2つの分野の看護師が誕生する予定です。
専門看護師は認定看護師に比べ、資格取得が難しく、業務においても認定看護師の担う役割に加え、調整・研究・倫理調整という分野に特化した高度な知識が必要です。
専門看護師に比べ、認定看護師の看護分野の数の方が多いのはこういった理由からかもしれません。
それぞれ、分野や地域別に看護師の人数は異なりますが、登録者数は年々増加傾向にあるのが現状です。
専門看護師・認定看護師の資格は増加している
医療業界は、日々進歩・発展しています。
それに伴って、複雑かつ解決が難しい問題を抱えている患者さんやそのご家族など患者さんのニーズも広がり、看護師側も高度化・多様化していく必要があります。
そのため、特定の専門知識・技術を習得した看護師が必要になって来ているのです。
現在、今まで手が行き届かなかった領域への看護も、さまざまな分野の専門・認定看護師がいることで、患者さんに提供されるようになっています。適切なタイミングでの看護が行われることによって、問題解決が早まっていることが明らかになってきています。
看護師が資格取得を目指す理由
また、資格取得を目指す看護師の多くが、「患者さんのためにもっと出来ることがあるのではないか」「自分の知識や技術が足りないことへの不安」という理由で、強みを得ようと一歩を踏み出しています。
資格取得によって看護師側が自信を持って質の高い看護を提供できるようになり、患者さんが安心してより質の高い看護を受けることが出来るようになるという重要な意味を持ち合わせてもいるのです。
さらに、資格取得の勉強や他病院で働いていた人との情報交換などから、もっと勉強していかなければならないという看護師のモチベーションが上がっているのも現状で、その背中を見た看護師が目標にしていくという看護師同士の相乗効果も生まれており、より良い看護の提供が目指せます。
そういう点においても必要性が高まっていくことでしょう。
資格を取得することで得られる変化
しかし、実際の現場での仕事内容は、専門・認定看護師の資格があるからといって、看護師としての通常業務に特に変わりはありません。
プラスされる仕事は専門分野にもよりますが、院内・同部署の看護師・地域などへの積極的な指導・講習や研究会参加といったものです。救急看護認定看護師を例に挙げると、看護師への指導以外に、地域の学校の先生へのAEDの使い方指導といった一般への啓蒙活動などになります。
専門看護師の場合、認定看護師にはない「調整」「倫理調整」「研究」という役割もあります。
必要なケアを円滑に行うために、ケアに関わる人々のコーディネートや、患者さんやそのご家族などの権利を守るために倫理的な問題や葛藤、解決をはかったり、専門知識・技術向上のために、研究会に参加して最新の情報を得たりといった研究活動も行います。
このように看護師側としても、病院側としても、さらに患者さん側から見ても、高度な看護技術の提供や相乗効果が期待でき、専門・認定看護師の必要性は上がってくると考えられ、資格のない看護師よりも、仕事の量や責任は大きくなります。
給与面などに関しては
しかし、実際のところ、キャリアアップをしても給与の面を見ると、専門・認定看護師を認めていないところもあり、場所によっては手当のないところもあります。
手当があっても、その額は多くて5000円ほどです。
勤務先の医療機関や専門分野によっても違ってくるので、しっかりと調べる必要があるでしょう。
その資格を活かして働くためには
専門看護師や認定看護師という資格は、ただ取得しただけだと、業務においてあまり変化を得られないケースがあります。
給与においてもいえることですが、このような理解がなければ、おそらく期待していた結果が得られないということも実際に多いのです。
専門看護師や認定看護師という資格を活かして働くには、これらの資格への理解ある環境で働くことが重要です。
もし今あなたがその資格を所有しているにもかかわらず、仕事の面、給与の面において活かしきれていないと感じるのであれば転職サイトなどのコンサルタントを利用して、その資格を最大限に活かすことが出来る環境へと転職する方がよいのかも知れません。