看護師は日本だけではなく世界的にも不足しているというのが現状です。そんな中、海外でも看護師として働きたい考えている方もいるでしょう。
今回は、海外で看護師として働くためにはどのようなことが必要で、どんな準備をしたらいいのかをご紹介します。
その1.働く国での看護師資格を取得すること
一元化された世界共通の看護師資格というものは、現在ありません。日本で正看護師の資格を持っていても、海外で働く場合は基本的に各々の国の看護師の資格を取得する必要があります。医師や看護師はその国家資格を有していることで、医療に携わることができます。
各国の制度により資格取得の条件も異なります。よって、まず働く国を決めたらその国の情報をまず集める必要があります。海外で働くためには日本での看護師の資格以外に語学力や実務経験、筆記試験などが必要です。
日本と協定を結び、日本医療の技術をある程度認めているイギリス・オーストラリア・ニュージーランドなどでは、語学の試験や医療技術認定試験といった簡略化したもので限定的な資格を取得できることもあります。
その2.ちょっとハードルが高い?!ビザの取得
海外で働くためにはビザの取得も必要になります。
イギリスはEU諸国から看護師が集まっているということで、ビザ取得は少々ハードルが高いかもしれませんが、学校での実習カリキュラムが日本より多く組まれており、イギリスを希望して看護学校に留学するという人は多いようです。
その3.最も大切?!語学力
最も重要且つ必要なことは「語学力」です。
海外で看護師として働く上では一緒に働く医師や看護師だけでなく、患者さんとのコミュニケーションも重要になります。
仕事の観点からも、薬品の名前や量など間違えることは決して許されませんし、申し送りや看護日誌などにおいても、話す・聞くという力以外に、読み・書きの力も必要となります。
そして患者さんに対して傾聴・共感など、精神的なケアを行うことも必要になります。その際には患者さんの文化的背景も含めたコミュニケーション能力が必要になってくるため、ネイティブ並みの語学力が求められることもあります。
アメリカのTOEFLに代わる試験として英語力を証明するグローバルスタンダードテストでIELTSという試験があります。この試験はカナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドのほぼ全ての高等教育機関で採用されています。
その試験を基準に考えると大学入学の際のラインが6.0なので、看護師として働く際はそれ以上の語学力が求められるということです。7.0レベル、最低でも6.5レベルの語学力は必要になります。
おわりに:各国の免許を取得せずに海外で看護師として働く方法
働く国の看護師免許を取得して病院で働く以外にも、海外で看護師としての技術を生かす方法があります。
海外ボランテアなどで派遣されている場合は、地元政府に許可されて行っており、国際的に共通する看護師の資格を有しているわけではないのです。それが、“海外緊急援助隊・医療チーム”や“国境なき医師団”、“AMDA”などです。こういった団体の活動の場はさまざまですが、災害が発生して医療事情のよくない国が大半です。
国際的、特に途上国などで医療奉仕をしたいという看護師には、日本医療奉仕団ジャパンハートなどで研修カリキュラムを行ったりもしているので参考になるかと思います。
患者を救いたいと想う気持ちは世界共通です。看護師としての仕事は日本だけのものではありません。医療を必要としている人は世界中に沢山います。このように医療を必要としている国や地域で働くと言う方法もあるのです。