女性の多い職場に付き物の悩みである、育児の問題。
特に乳幼児期の子供を安心して預けられる保育所があるか否かは、24時間看護に従事する看護師にとって勤務に関わる重大な問題ですよね。
ここではそんな病院内保育所についてお話したいと思います。
院内保育所の現状
現在、国や自治体による支援などを受けながら、院内に24時間保育が可能な院内保育所が設備されるケースは増えてきています。しかしそれでもまだ充分とはいえないのが実情です。
子育て世代の看護師はちょうど20~40前半が多く、子供を預けられない状況から、看護の現場を去ってしまうケースが非常に多いため、看護師のピーク世代である30代なかばにとって深刻な問題になっています。
子育ては看護師が仕事を辞めたいと思った理由の上位に位置し、院内保育所の設置や病児保育、学童保育の実施は、夜勤回数の現象や免除と並んで強い要望になっています。
育児のための離職が再就職にも影響
医療の現場は日進月歩で技術が研鑽されてしまうため、一度育児のために離職すると、再就職が非常に難しいのが現実です。数年離れてしまえば、もう元の水準には戻れないとすら言われています。
そのため資格を持ちながら再就職後の技術習得に不安を感じて躊躇したり、キャリアのブランクで再就職できない看護師も多く、有資格者の総数に対して、看護師は慢性的な人員不足を抱えています。
医療機関は人員確保のために再就職支援セミナーや研修制度を行なっているケースもあります(過去記事「看護師のブランクを解消!?復職支援研修プログラムについて」を参照)。こういった背景から、育児のために離職せずに済む体制を作ることが早急に求められています。
また、看護師に対する求人サイトでは、育児補助や院内保育を強くアピールする病院も増え、子供を抱えた看護師にとって院内保育所がどれほど強い魅力を持っているかは一目瞭然といえます。
自治体による補助事業も増えている
東京都を始めとして、日本各地の自治体では病院及び診療所に従事する職員のために、雇用側が保育施設を運営する場合の助成制度を整備しました。
医療従事者の離職防止と再就職の促進を目指すことを目的としており、院内保育事業のために必要な保育士や委託料などを最大2/3までと、かなりの額にわたって補助しています。
実際、保育所の運営にかかる費用は経営にとってはかなりの負担となり、特に24時間保育や夜間保育ともなると私立病院にとっては経営を揺るがしかねないこともあります。
小児科の入院施設と併用する病院もありますが、こちらも同様に助成金が支払われるシステムになっています。
育児と仕事の両立
現在は外部の専門業者に委託することで、より充実した保育環境を整えることで、より長期にわたって優秀な看護師を確保するために努力されています。
先にもお話したように自治体なども支援を行っており、今後育児と家庭を両立させようとする看護師に対する支援も増えてくると思われます。
育児をしながらでもまた看護師として復職をしたいと考えているのであれば、まずはこのような情報を探してみることをおすすめします。育児と看護師と言う仕事の両立は決して不可能なことはない時代になってきています。