看護師という仕事は、一般的には比較的高給。
例えば、年収でみると、夜勤アリの常勤であれば450~500万くらいになります。一般的なサラリーマンの平均年収が「400万ちょっと」というデータがありますので、それと比較しても高額だということが分かります。
「看護師の平均年収・裏事情」の記事では、厚生労働省のデータを元に看護師の平均年収がいくらなのか、地域ごとにどのように違いがあるのか?などを解説しましたが、今回は給料明細を見ながら、看護師の給料のヒミツをより細かいところまで解説します。
給料明細の項目について知る
まずは給料明細に記載される項目について解説します。順に見てみましょう。
大項目<勤務>
ここは、アナタがその月、実際にどれだけの時間を働いたのかが分かるようになっています。夜勤回数、宿日(当直)回数、特別勤務回数などが記載されています。
大項目<支給>
ここは、アナタへの給料のうち「雇用者側から支払われる」項目と金額が記載されています。もう少し細かく見てみましょう。
- 基本給
これはずばりアナタの基本給です。ここの金額が大きいかどうかで、年棒単位での差が出て来ることがあります。この金額をよく覚えていてください。 - 通勤手当
自宅から勤務先までの通勤手段に係る費用の額です。バスや電車の定期代などが含まれます。 - 超過勤務手当
いわゆる「時間外手当」です。タイムカードで記録するところ、自己申告のところなど形態は様々ですが、要は勤務時間が終わっても帰れずに居残った時間に対する対価、となります。 - 夜勤手当
夜勤した回数×夜勤1回分の金額の合計です。日本看護協会の調査によると、夜勤手当の平均は、- 3交代制 準夜勤 :およそ4,000円
- 3交代制 深夜勤 :およそ5,000円
- 2交代制 夜勤 :およそ10,000円 だそうです。
- 特別手当
これは結構分かりにくいかもしれません。看護師の給料は基本給を元に計算されますが、基本給は経験年数などで決まります。しかし、基本給以上の働きが見込める、あるいは次の職務手当・資格手当などの規定がない場合は、特別手当として数千円~数万円が加算されることがあります。 - その他支給(職務手当、資格手当など)
例えば、手術室など少し特殊な環境での勤務だと、ここに数千円くらいの手当が付くことがあります。また、認定看護師などの資格に手当を支給するように定められている場合も、ここに付くことが多いようです。
大項目 <控除>
給料から引かれる額です。もう少し細かく見てみましょう。
- 健康保険
ここできちんと引かれていると、医療保険は社会保険になっています。 - 厚生年金保険
健康保険同様、ここできちんと引かれていると、厚生年金に加入していることになります。 - 雇用保険
これは分かりやすくいえば「退職後に次の仕事が見つかるまでの間、支給される保険料」の積み立てのようなものです。いわゆる失業保険を受給するためには、ここで一定期間以上、引かれていることが必要です。 - 介護保険
文字通り介護保険制度を支える保険料です。40歳以上になったらここから一定額が引かれるようになります。 - 所得税
総支給額から、社会保険料の合計(健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険の合計)を控除した金額(=課税対象となる金額)を元に計算されます。課税対象額の金額によって、5%、10%などの税率がありますが、所得金額が高額になるほど、税率も高くなります。 - 住民税
前年の収入を元に計算されます。
知っているようで知らない?!看護師のボーナスについて
看護師の仕事は様々な手当が付くことが多く、毎月のお給料がいっぱいあるように見えます。でもちょっと待って。そういえばボーナスってどうなっているのでしょう?
ボーナス=賞与は一般的に、基本給を元に計算されます。
つまり基本給が高ければ、それだけ賞与も高くなり年収でみると、とっても高額になります。
しかし、看護師は基本給が安く設定されていることが多いようです。その代り、夜勤などの手当てはしっかり付くので、月ごとでみると高そうに見えるのです。
ちょっと試しに計算してみましょう
月額の支給額(控除前)は、同じ32万だとします。
- Aさん: 基本給20万円、夜勤などの手当が12万円
- Bさん: 基本給26万円、夜勤などの手当てが6万円
ここまでは、月額給料は同額です。では賞与を計算しましょう。
2人とも、夏は基本給の2か月分、冬は3ヵ月分で計算します。
- Aさん: 夏は40万円、冬は60万円
- Bさん: 夏は52万円、冬は78万円
年収は【月額×12か月+夏賞与+冬賞与】ですので、計算すると
- Aさん: 32×12+40+60= 484万円
- Bさん: 32×12+52+78= 514万円
差額は 30万円。およそ1ヶ月分の給料に匹敵する金額です。まさに基本給マジック!
おわりに
例えばアナタが転職先を探す時、夜勤手当などはあまり気にしないかもしれません。基本給も全年齢に対しての金額ではなく、あくまで一例しか載っていません。
ですが、基本給の金額1つで、これだけ年間の収入は変わります。転職先を選ぶ時は、そこまで確認してみても良いかもしれませんね。