用語解説
用語の読み
しー・ぶい・びー・ぴー・ぴー
用語の意味
CVPPPとは、Comprehensive Violence Prevention and Protection Programme(包括的暴力防止プログラム)の略であり、医療の場で起こる暴力や攻撃性に対して適切に介入するためのプログラムで、イギリスのC&R(Control & Restraint)を参考に、国立病院機構肥前精神医療センターが中心となって開発されました。
CVPPPは、病状により不穏・興奮状態にある患者に対し、尊厳を守り安全を確保しながら、介入するスタッフが自信をもって、必要な治療や看護を提供することを目指しています。
単に暴力に対する身体的な介入技術ではなく、患者に対し医療スタッフとしてどのように適切に関わるかという治療的な視点で行われます。
CVPPPでは、何らかのきっかけによって不安反応から怒りへとエスカレートし、攻撃行動が起こり、そして落ち着きを取り戻すまでの過程を取り上げます。この比較的短期の介入の中には、
- リスクアセスメントの方法
- コミュニケーション技術による興奮状態への介入法(ディエスカレーション)
- 身体的介入技法(チームテクニクス、ブレイクアウエイ法)
- 心理的サポート(ディブリーフィング)
以上の4つの要素があります。
これにより、暴力の未然回避、現場での冷静な対応、暴力が起きてしまった時に医療スタッフ並びに患者の安全を確保する介入法、さらには暴力を受けたスタッフの心のケアなどを行うための理論と実践を学びます。
CVPPPトレーナーになるためには、『包括的暴力防止プログラム認定委員会』が管理する4日間の『CVPPPトレーナー養成研修』を受ける必要があります。CVPPPトレーナーになると、自分が働く施設内で他のスタッフに技術を伝えることが認められます。
さらに4日間の『CVPPPインストラクター養成研修』を受け、CVPPPインストラクターに認定されると、自分が働く施設以外の職員への導を行うことが認められます。