用語解説
用語の読み
ほうしゃせんにんていかんごし
用語の意味
放射線認定看護師(がん放射線療法看護認定看護師)は、特定の分野の看護について高度な知識・技術があると認められる認定看護師の一つです。2011年9月現在、19分野において9048人の認定看護師が全国で活躍していますが、放射線認定看護師の資格は脳卒中リハビリテーション看護師とともに2010年に新たに加わったばかりです。そのため放射線認定看護師の数自体は64人と全体の中ではまだまだ少数となっています。(1番割合が多い分野はストーマ管理などを扱う皮膚・排泄ケア認定看護師で1598人、2番目に多いのが感染管理認定看護師で1365人、3番目は終末期看護に携わる緩和ケア認定看護師で1100人となっています。)
放射線認定看護師の資格の取得のためには、放射線認定看護師の資格試験に合格する必要があります。学習内容は放射線治療の実際や集学的治療(外科的治療・化学療法・放射線治療を併用する治療方法)などに加えて、患者のセルフケア支援の方法など多岐に渡ります。他の認定看護師と同様に「看護師の実務経験が通算5年以上で、そのうち3年以上認定看護分野での実務経験があること」 「日本看護協会が認定する教育課程を修了すること」などの規定を満たさなくてはなりません。
放射線看護師の主な役割は、放射線療法が確実・安全に行えるようにサポートすることの他、治療に伴う苦痛を最小限に抑える為に個別性を踏まえた看護を実践することです。放射線療法を受ける患者の身体的側面と心理的・社会的側面から看護上の問題点を明確にし、放射線治療室での看護や病棟看護師・外来看護師との情報交換・連携や他種職との調整を担います。また放射線治療は外科的治療(手術)や化学療法(抗癌剤治療)と併用して行われる場合が多いため、放射線科領域の知識だけではなくがん医療全般についての知識が必要となります。がんと告知された患者に特有の精神的苦痛やがんによって出現する疼痛等の症状を理解するとともに、がん患者を抱える家族までも看護の対象とし、必要に応じて介入します。なかには放射線治療と聞くと恐怖心や不安を感じる人もいるので、医師や放射線技師の説明を患者の理解度に合わせて再説明することもあります。患者の精神状態や理解度、家族の協力度は治療に影響を与える部分が大きいため、放射線科の医師や放射線技師の話し合いに加わり、治療が計画通り進むように看護師独自の視点での工夫を提案することが期待されています。
放射線認定看護師として転職を考えている方へ
転職に関しては、放射線認定看護師の資格を取ってから、その資格を生かす場所に転職する方法もあれば、放射線認定看護師になるために転職をするという方法があります。
放射線認定看護師になるためには、実務経験5年以上(そのうち3年以上は専門分野での経験が必要)かつ、所定の教育機関に半年間通うことが必要になってきます。
そのため、休職などに理解を示し、バックアップしてくれる病院ではない場合、苦労することが考えられます。
また、放射線認定看護師の資格を生かした職場に転職をしたい場合、医療機関によって待遇に大きな差が出るため、慎重に情報収集をすることが必要です。
しかし、実際のところ、放射線認定看護師を評価してくれているかどうかを自ら調べることは容易ではないため、看護師専門のキャリアアドバイザーに相談するとよいでしょう。認定看護師として転職をする場合は、看護roo!やレバウェル看護など、大手転職サイトの利用がおすすめです。
看護師専門のキャリアアドバイザーは、一般では知り得ない情報や、採用されるための面接のポイントや履歴書の書き方なども丁寧に教えてくれます。
更に、転職先の職場と待遇面などの交渉もしてくれますので、一度、登録をしてみてはいかがでしょうか。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
放射線認定看護師の正式名称はがん放射線療法看護認定看護師ですね。
主に放射線治療を受ける患者及び家族に対してのサポート(意思決定・環境整備・副作用の対応・症状の緩和)
他部門との調整や現場看護師の指導や教育というのが大きな役割となっています。
現在看護協会に登録されている数は64名(2012年4月時点)でこれは認定看護分野で一番少ない数となっています。
まぁ2010年と最近加わった分野でもあるわけですから少なくて当然でしょう。
それに癌疾患に対しての放射線治療がまだまだ日本では積極的に行われていない事情もありますしね。
しかしこの放射線認定看護師はこれからどんどん増えてくるはずです。
なんといってもこれからどんどん拡充されてくるはずの治療ですからね。