用語解説
用語の読み
くりてぃかるぱす
用語の意味
クリティカルパスとは質の高い医療を効率的、かつ安全、適正に提供するための手段として開発された診療計画表です。最適と考えられる医療の介入内容をスケジュール表(パス表)化し、医療チームはそれに基づいて行動します。クリティカルパスは1950年代にアメリカの工業界で、工場を効率的に稼働させる目的で導入され、1980年代にアメリカの医療界、1990年代に日本の医療機関においても導入が始まりました。名称には様々なものがあり、「臨床(Clinical)」という言葉を使用したクリニカルパスやケアガイドラインなどと呼ばれることもあります。厚生労働省や日本医療マネジメント学会ではクリティカルパスとの名称が使用され、日本クリニカルパス学会や社団法人日本看護協会ではクリニカルパスが用いられます。
クリティカルパス導入に期待される主な効果は、診察の標準化、医療の質の向上、業務の改善、チーム医療の向上などがあげられます。クリティカルパスに基づいた診療を行なうことで、医師による治療に必要な時間や費用の差が無くなり、パスを定期的に見直し改善することで、医療の質の向上につながります。さらに、自らの役割・目標が明確化されたパスを治療・ケアスタッフ全員が共有することで、無駄な労働や時間の削減となり、作業内容の相互理解も深まります。
看護師におけるクリティカルパス導入時のメリットは、患者への説明が行いやすくなる点です。疾患ごとのプログラムができ上がっているため、治療の進行状況や経過など、曖昧さを省いて説明でき、患者の理解度、信頼度を高められることが考えられます。標準化されていることから、新人看護師への教育ツールとしての使用や、チーム以外のスタッフにも対応しやすいなどの利点があります。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
クリティカルパスの一般的な意味は、開始してから終了までの一連の工程の事を言いますが、医療においてのクリティカルパスは特定の疾患に対し、入院から退院後までの医療工程を組み立てるということですね。同様に地域提携クリティカルパスもあり、これは退院後のリハビリや、訪問看護、在宅医療までの工程を組みます。
これにより患者も看護者も明確に道筋が出来る事になるので、安心して、医療を受けることが出来るようになります。
看護師にとっても、クリティカルパスが出来れば、明確な治療方針を確認することが出来て、看護計画も立てやすくなります。
ですから、最近の医療現場では、このクリティカルパスが定着しつつあるのではないでしょうか。
新人看護師にもクリティカルパスを用いると解りやすいと定評を受けているようですね(私の時代には使われてなかった…)
最もクリティカルパスはインフォームドコンセントの充実を第一に考えて導入されました。
医療のクリティカルパスの導入により、「まだ聞いてないんですけど…」等患者や家族から言われることも少なくなりますね。