術後の全身状態の観察 バイタルサイン
術後の全身状態の観察 バイタルサイン【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年2月11日
最終更新日:2020年07月30日
(変更日:2020年8月4日) ※
目的
- 術後のバイタルサインの観察ポイントを理解し、異常の早期発見や適切な全身状態の管理を行える
バイタルサインとは
- バイタルサインとは生命の徴候であり、患者の健康状態・疾病や治療の状況を判断する目安となる
体温
- 術直後は低体温になりやすい
- 術後は炎症反応や感染徴候があると体温が上昇する
- 一般的には腋窩で測定するが、上肢の手術、上肢に麻痺がある場合、乳房手術後などの場合は、かならず健側で測定する
- 術前に患者の平熱を捉えておく
- 測定部位によっても多少の誤差が生じるため、測定部位は一定であることが望ましく、測定部位についての記録が必要となることもある
血圧
- 術直後は、麻酔や出血の影響で変動しやすい
- 術後は、排泄・リハビリテーション・食事などで変動する
- 術前に患者の平常時の血圧や高血圧の既往を捉えておく
- 測定部位によっても多少の誤差が生じるため、測定部位は一定であることが望ましく、測定部位についての記録が必要となることもある
※例として、上肢での測定と下肢での測定では、測定値に10mmHg程度の誤差が生じる
脈拍
- 術直後は、麻酔や出血の影響で変動しやすい
- 術後は炎症や感染によって変動する
- 精神的な影響で変動することを考慮しておく
- 術前に患者の平常時の脈拍を捉えておく
- 不整脈がないかも合わせて観察する
呼吸
- 術直後は、麻酔の影響で変動しやすく、麻酔の種類や覚醒状況によって酸素投与が行われる
- 術後は、呼吸器合併症によって変動する
- 呼吸数の観察と合わせて、胸郭の動き、努力様呼吸の有無も観察する
- 早期離床を促し、呼吸数や呼吸状況を観察し呼吸器合併症を予防することが重要である
ポイント
- 術直後の患者は、術中環境により身体は冷たくバイタルサインは不安定である
- 術後の患者は、麻酔や手術操作によって、身体的・精神的なストレスにさらされている
- バイタルサインの観察は、患者の全身状態が正常か異常かを判断するために重要である
手術侵襲・麻酔の影響・痛みの程度に注意し、重篤な状態の徴候を早期発見することが重要である
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