認知症患者家族への問診

目的

• 家族への問診について理解を深める

概要

• 認知症を早期に発見できる一番のキーパーソンは、本人ではなく家族であることを念頭におく
• 家族が認知症を疑い始めた場合は、実際に”認知症”と診断されることが多い
• 認知症の診断に有用なのは、当事者への問診や知能検査もあるが、それと同様に家族への問診票も有効性が高い

問診の進め方

• 家族には、以下の問診に、可能な限り詳しく答えてもらう
  • 異常があると気づいたのはいつごろか
  • 物忘れ以外、例えば次のような症状がみられるか
    • 落ち着きがない
    • 買い物に行ってミスをする
    • 怒りっぽくなったなど、性格が変わった
    • 物を盗られたなどの、被害妄想がある
    • 居るはずの無い人がいるなど、幻覚が見える
  • これらの症状に気付いた時、体調不良はなかったか
  • 家族に似た様な症状の人はいるか

家族のこれからの希望を確認する

• 認知症と診断された場合、家族がこれから何を希望するのか、確認する
• 確認事項の例
  • 確定診断、あるいは認知症の進行度のみ知りたい
  • 認知症の進行を防ぎたい
  • 今後、認知症がどうなっていくのか、見通しが知りたい
  • 認知症であることを、他の家族や周りの人へ、医師から伝えてほしい
  • 介護のポイントを知りたい
  • 介護保険などの公的制度を利用したい
  • 場合によっては、適切な施設や病院への入所・入院を検討したい

アセスメント

• 認知症の確定診断は、専門医が行う
• 家族が判断を迷っている場合は、専門医への受診もすすめる
• 家族にも、認知症について正しく理解してもらうことが必要となるため、家族の意向に合わせた説明を行う
• 利用できる公的制度や、適切な施設や病院など、自治体にも相談窓口があることを説明し、正しい情報を得られるよう援助する