検体検査２ 血液像検査のポイント

目的

• 白血球中に存在する好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球の5種類の割合を測り、異常の有無を調べる

必要物品・準備

• 採血用シリンジ
• 血液像算定用スピッツ
  ※真空採血管の場合、真空採血管（スピッツ）、翼状針またはベネジュクト針など
• 駆血帯
• 患者名等のラベル
• アルコール綿
• 非滅菌手袋

観察項目

好中球

• 正常値：50～70%
• 高値の時：感染症、白血病、手術後など
• 低値の時:放射線照射や抗癌剤投与後、再生不良性貧血など

リンパ球

• 正常値:20～40％
• 高値の時：リンパ性白血病、ウイルス感染症など
• 低値の時:副腎皮質ステロイド剤投与後など

単球

• 正常値:1～ 8%
• 高値の時：サルコイドーシス、単球性自血病など

好酸球

• 正常値:0～ 6%
• 高値の時：皮膚疾患、アレルギー性疾患、寄生虫疾患など

好塩基球

• 正常値:0～2％
• 高値の時：蕁麻疹、慢性骨髄性白血病、粘液水腫など

アセスメント

• 正常範囲から逸脱している数値の理由を検討する
• 血液像は、好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球に分類される
• 白血球に異常をきたす疾患の場合、幼若細胞や異常・異型リンパ球などが多くみられる
• 好中球：細菌や異物が体内に侵入した際、分解・殺菌をする
• リンパ球：外部から侵入した異物を記憶し、抗体の産生や細菌などの破壊を行う
• 単球：細菌やウイルスなどの異物を貪食する
• 好酸球：皮膚疾患やアレルギー、寄生虫などに対し、敏感に反応する
• 好塩基球:他の炎症細胞の活動を促進する物質を放出する

注意点

白血球に異常がある疾患の場合、異常・異型リンパ球や幼若細胞などが認められるため、スライドガラスに て標本を作製し、その状態を確認することが重要