目次
目的
- 癌の治療効果判定やスクリーニングあるいは癌の種類や部位、進行度などを調べる
必要物品・準備
- 採血用シリンジ
- 検査用スピッツ
※真空採血管の場合、真空採血管(スピッツ)、翼状針またはベネジュクト針など - 駆血帯
- 患者名等のラベル
- アルコール綿
- 非滅菌手袋
観察項目
CEA
- 正常値:5.0ng/mL未満
- 高値の時:肺がん、胃がん、結腸がん、食道がん、直腸がん、膵がん、乳がん、胆道がん、転移性肝がんなど
AFP
- 正常値:20.0ng/mL未満
- 高値の時:肝硬変、肝細胞がん、慢性肝炎、転移性肝がん、先天性胆道閉鎖症、肝芽細胞腫、劇症肝炎回復期など
CA19‐9
- 正常値:37U/mL以下
- 高値の時:胃がん、膵がん、胆道がん、大腸がん、肝がんなど
CA15-3
- 正常値:30U/mL以下
- 高値の時:再発乳がん、進行乳がんなど
CA125
- 正常値:30U/mL以下
- 高値の時:子宮頸がん、卵巣がん、膵がんなど
- 偽高値の時:良性卵巣腫瘍や子宮内膜症など
PSA
- 正常値:4.0ng/mL以下
- 高値の時:前立腺肥大症、前立腺炎、前立腺がんなど
フリーPSA/トータルPSA比
- 正常値:0.25
- 高値の時:前立腺肥大症
- 低値の時:前立腺がん
アセスメント
- 正常範囲から逸脱している数値の理由を検討する
- 検査条件などによる手違い、測定ミス、計算違いの有無についても確認する
- CEAは、消化器系癌のスクリーニング検査として行われるが、癌の転移・再発・早期発見・治療後の経過観察にも有効である
- AFPは、原発性肝細胞癌のスクリーニングだけではなく、治療効果の評価に用いられる
- CA19‐9は膵がんに対して特異性が高く、肝炎、膵炎、胆道結石などの良性疾患でも上昇傾向となる場合がある
- CA15-3は乳がん再発の可能性の把握、治療効果の評価に有効な検査である
- CA15-3は転移性乳がんの場合に陽性となりやすいが、初期の乳がんの場合、陽性を示すことはほとんどない
- CA125は子宮内膜の治療、診断や卵巣がんが疑われる場合に有効な検査である
- CA125は妊娠初期や月経時に基準値を超える場合が多い
- PSAは前立腺がんの予後評価やスクリーニング検査に有効である
注意点
- CEA検査の場合、喫煙歴が長ければ長いほど高値になるため、喫煙歴の確認が必要である