検体検査20 アレルギー検査のポイント

目的

• アレルギーの原因となる抗原について調べる

必要物品・準備

• 採血用シリンジ
• 検査用スピッツ
  ※真空採血管の場合、真空採血管（スピッツ）、翼状針またはベネジュクト針など
• 駆血帯
• 患者名等のラベル
• アルコール綿
• 非滅菌手袋

観察項目

lgE定量

• 正常値
  • 1歳未満:20IU／mL以下
  • 1～3歳:30 IU／mL以下
  • 4～6歳:110 IU／mL以下
  • 7歳～成人:170 IU／mL以下
• 高値の時:寄生虫感染症、肝疾患、アレルギー疾患、膠原病など
• 低値の時:多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病、原発性免疫不全など

特異lgE定量

• 正常値:0.34以下UA／mL

特異抗原

代表的なアレルゲンの種類（2013年5月現在 およそ200種）

• 食事性抗原:肉（牛肉、豚肉、鶏肉など）、魚（アジ、サバなど）、魚卵（イクラなど）、卵、甲殻類（エビ、カニなど）、穀物（米、そば、小麦など)、牛乳、豆類（大豆、ピーナッツなど）、野菜類、果物類など
• 吸入性抗原:ハウスダスト、ダニ、花粉（ヒノキ、カモガヤ、スギ、ヨモギなど）、カビ類、動物（ネコ、イヌ、セキセイインコなど）、昆虫（コキブリ、ガなど）、糞、羽毛、皮屑など
• 接触性抗原:ラテックス、金属、化学薬品など
• 薬物抗原:ヒトインスリンなど

アセスメント

• 正常範囲から逸脱している数値の理由を検討する
• 検査条件などによる手違い、測定ミス、計算違いの有無についても確認する
• lgE定量はアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息がある場合に著明な上昇が認められる

注意点

• 1つの検査の結果が陽性だとしても必ずしも症状とは一致しない場合があるため、複数の検査を併用することも必要である
• IgE定量検査で予期しない値が認められた場合は、皮膚反応や問診も含めて判断を行い、必要時は適宜、誘発試験を施行する
• IgE定量検査で値が10000IU／mLを超えた場合は、寄生虫感染症、高IgE症候群、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の疑いがある
• 総IgE、特異IgEは両方ともに血清分離の後1週間以内の場合は2～ 8℃、それ以上の場合は‐20℃で保管する

注意点

• アレルギー性疾患を診断する際は検査結果だけではなく、特に問診が重要となるため、環境因子、遺伝、発症の時期などを明確にする