目次
目的
- 摂食訓練や食事摂取の開始が可能かどうかを判断する
RSST(反復唾液嚥下テスト)
- 嚥下の随意的な反復と、喉頭挙上の際に使用する筋肉の動きを把握するために行う
MWST(改定水飲みテスト)
- 冷たい水を飲み込むことで、嚥下運動と共に咽頭期における障害を評価する
FT(フードテスト)
- 口腔内においての食塊を形成する能力や咽頭に送り込む能力を評価する
方法
RSST(反復唾液嚥下テスト)
- 人差し指と中指でそれぞれ患者の舌骨と甲状軟骨に触れ、そのままの状態で数回、空嚥下をするよう促す
- 30秒間で何回、嚥下が可能かを確認する
MWST(改定水飲みテスト)
- シリンジを用意し、3ml程度の冷たい水を舌の裏側に注入する
- むせ、嚥下反射の状態、呼吸の変化を観察する
FT(フードテスト)
- 食物(ゼリーなど)を見せることで、食物の認知をしてもらう
- 食物をティースプーン一杯程度、舌の前方に乗せ、口唇を閉じるよう促す
- 口唇を閉じたらスプーンを口腔内から抜いて、嚥下をしてもらう
評価基準
RSST(反復唾液嚥下テスト)
- 30秒間に嚥下の回数が2回以下の場合を異常とみなす
- 嚥下の回数は、検者の指を甲状軟骨が十分に乗り越えた数のみカウントする
- 嚥下機能に異常がある場合、検査の指を乗り越えることが不可能なまま下降する
MWST(改定水飲みテスト)
- 嚥下することができずにむせるが、呼吸の切迫もしくはその両方が見られる
- 嚥下動作は見られるが、呼吸は切迫している
- 嚥下動作が見られ、呼吸状態は良好あるいは嚥下動作は見られる/むせるか湿性咳嗽もしくはその両方が見られる
- 嚥下反射が見られ、呼吸状態は良好であり、むせも見られない
- 上記4の評価基準に加え、30秒以内に2回、空嚥下が可能である
FT(フードテスト)
- 嚥下することができずにむせるが、呼吸の切迫もしくはその両方が見られる
- 嚥下動作は見られるが、呼吸は切迫している
- 嚥下動作が見られ、呼吸状態は良好あるいは嚥下動作は見られる/むせるか湿性咳嗽もしくはその両方が見られ、口腔内残留もある
- 嚥下反射が見られ、呼吸状態は良好であり、むせも見られない、かつ食物の残留もない
- 上記4の評価基準に加え、30秒以内に2回、空嚥下が可能である
注意点
RSST(反復唾液嚥下テスト)
- 口腔内乾燥があると嚥下テストを実施することが困難になるため、可能な限り口腔ケア後に実施する
MWST(改定水飲みテスト)
- 誤嚥によって口腔内の細菌が肺へと移行するのを避けるため、事前に口腔ケアを施行する
FT(フードテスト)
- ティースプーン一杯の目安は4ml程度である スプーンには様々な種類があるが、大きすぎるスプーンは誤嚥の危険性が高くなるので使用しないこと