目的
- 脳血管障害の進行や再発を早期に発見する
方法
ブルンストロームステージ(BRS:brunnstrom recovery stage)
- 片麻痺の回復過程をステージ化した評価法である
- MMTとの区別を明確にするため、表記はローマ数字を使用している
徒手筋カテスト(MMT)
- 末梢神経麻痺の評価として使用する
- 明らかな麻痺がある場合、主な筋肉の筋力を徒手によって判定する
- 6段階評価であり、ポイントは3以上・未満を判断する
- 自立運動ができれば3以上と評価する
- 基本的に重力が加わっている状態の場合、大腿四頭筋、腸腰筋は座位にて施行し、下腿三頭筋は立位で施行する
麻痺の簡易テスト
- バレー徴候
- 重力に抵抗することが不可能な筋力低下(約3/5の麻痺)を評価する方法
- 上肢の場合:開眼した状態で両腕を前に挙げ、手掌を上にし約20秒間、状態保持をしてもらう
- 下肢の場合:腹臥位になってもらい、膝を約135度に曲げてもらう
- ミンガッツィーニ徴候
- 仰臥位の状態で左右の下肢を挙げ、その状態を保持してもらう
- 左右の下肢の挙上が不可能な場合は片側ずつ施行する
- フーバー徴候
-
- 仰臥位になってもらい、検者は踵の下に手を置き、片側の膝を伸ばした状態のまま、下肢を挙上する
- ドロッビングテスト
- 上肢:身体に対して上肢が垂直の位置に来るまで引っ張り、その状態から手を離す
- 下肢:下肢の膝を立たせる
アセスメント
ブルンストロームステージ(BRS:brunnstrom recovery stage)
評価基準
- Ⅰ:完全に弛緩している
- Ⅱ:連合・痙性反応が認められ、わずかな随意運動がある
- Ⅲ:共同運動が出現する
- Ⅳ:分離運動の一部出現が見られる
- Ⅴ:全般的な分離運動の出現が見られる
- Ⅵ:全ての運動分離が認められる
徒手筋カテスト(MMT)
評価基準
- 0(O:ZERO)筋収縮は認められない
- 1(T:TRACE)わずかに筋収縮が認められる
- 2(P:POOR)重力を除外すれば全可動域が動く
- 3(F:FAIR)重力に逆らって完全に動く
- 4(G:GOOD)ある程度の抵抗を加えても、重力に逆らって完全に動く
- 5(N:NORMAL)更に強い抵抗を加えても、重力に逆らって完全に動く
バレー徴候
異常の場合
- 上肢:患側の前腕は回内し、上肢の下降がみられる
- 下肢:徐々に下肢の落下が認められる
ミンガッツィーニ徴候
- 異常の場合:患側では大腿・下腿が両方、徐々に下降する
フーバー徴候
- 異常の場合:患側の下肢を上に挙げた際、強い力が健側の手に加わる
ドロッビングテスト
異常の場合
- 上肢:麻痺側は健側より患側の方が落ちる速度が速い
- 下肢:麻痺側は外旋位・外転の状態で外側に倒れる
注意点
- 各検査を施行する際は、患者に負担ができるだけかからないよう、全身状態に留意し、同じ体位で測定可能なものはセットで施行する
- 検査を実施することに対しての説明と同意を得る
- 検査の目的や所要時間、方法について適宜、説明する
- 徒手筋カテスト(MMT)は、6段階で評価をしているにすぎず、特定の筋肉において相対的に筋力を評価するため、別々の筋肉で測定・評価することは無意味である
- MMT測定では、患者に指示が正確に伝達されることが必要である