人工内耳患者の術前ケアのポイント

目的

• 人工内耳患者が問題なく手術を受けられるよう援助する

看護のポイント

• 入院から手術当日までに要する期間は約1週間程度であるが、この期間には、同時進行で医師や言語聴覚士、麻酔科らと連携を取る
• 手術前オリエンテーションを実施する
• 麻酔科からの手術前オリエンテーションを施行する
• 手術前に除毛範囲を医師に確認し、除毛を行う
• 入院前に医師や他部門の検査技師あるいは言語聴覚士から、人工内耳に関してどのような話をされ、どのように受け止めているのかを確認する
• 術後の聴き取りの程度には個人差があるので、実際に人工内耳を使用している人々や、患者と年齢、性別、病状、状態などが近い人と会う機会を設け、実態をイメージしてもらえるよう配慮する
• 手術後に必要となる読話を入院時から行うように説明する
• 手術後は一過性に平衡障害が出現する場合があるが、特に心配はいらないことを説明する

観察項目

• 患者や家族の理解度

アセスメント

• 全身状態の観察、検査データのチェックなどを行い、手術前と後のケアの参考にする

注意点

• 過度の期待を抱いている場合や、入院前の説明に対しての受け止め違いがある場合は、人工内耳についての理解を深めてもらえるよう説明し、必要に応じて医師から再度、説明をしてもらうことも検討する
• 小児や先天性高度難聴者がある場合、出生時から音に対しての概念が存在していないことが多いため、人工内耳の刺激によって聴覚言語を習得すること、聴覚言語を習得する際は人それぞれ適切な時期があること、聴能訓練が必要であることを家族も含め、理解してもらう