点滴静脈注射
点滴静脈注射【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年5月31日
最終更新日:2020年08月31日
(変更日:2020年9月1日) ※
目的
- 薬液の特徴を理解し、全身への影響などを考慮しながら、指示の薬剤を安全・確実に投与する
必要物品
- 翼状針またはプラスチックカテーテル型留置針
- 輸液セット
- 消毒薬
- 駆血帯
- テープ類(ドレッシング材、絆創膏など)
- 使用する薬剤
方法
- 基礎疾患及びその薬液の使用目的を確認する
- 医師からの指示書に従い、患者氏名・投与薬剤・用量などをダブルチェックで確認する
- 患者に点滴静脈注射の目的と必要性を説明し、事前に排尿をすませるよう伝える
- 注射方法、注射部位及び薬液の量に合わせ器具を準備する
- 患者本人であることをフルネームで確認する
- 短時間の持続注入の場合は所要時間や、点滴中の体位を説明する
- 注射針刺入時及び抜針時、ディスポーザブル手袋を装着する
※滅菌である必要はない - 留置針刺入後、カテーテルを血管内に挿入し逆流を確認してから輸液ラインを接続する
接続完了まで皮膚の上から血管を圧迫し逆流を最小にする
- 使用後の注射針は,医療用廃棄物容器に廃棄する
- 適切な方法で固定する
留置針固定は、刺入部をフイルムドレッシング材で覆う
翼状針の固定は、翼の部分を広げて固定する
- 輸液ライン固定はループを作り数か所固定する
- 滴下、注入速度を算出し調整する
三方活栓から注入する場合、看護師の手が感染源となるため無菌操作を徹底する
- 薬液の注入が終了したら輸液ラインのクレンメを閉じる
- 固定用の絆創膏やフィルムドレッシング材をはがし、輸液ラインと針を接続したまま抜針し、圧迫止血を行う
観察項目
- 点滴静脈注射刺入部位からの薬液や血液の漏れの有無
- 発赤、腫脹、血管痛の有無
- 体動により滴下数が変化することもあるため、随時滴下数チェック
- 血圧・呼吸・体温・脈拍などバイタルサインの確認と、喘鳴の有無や肺音聴診
- アナフイラキシーショックの有無
アセスメント
- 患者の水分出納に注意し、処方内容が適切かを判断する
- 指示書通りの薬剤を、確実に投与できているか
- 疼痛やしびれがある場合は、神経に影響があると考えられる
- 全身的な症状がある場合、薬剤によるアナフィラキシーショックの可能性もある
- 水分や電解質の過剰投与により心負荷がかかり、肺うっ血や肺水腫が発生するため、喘鳴の有無や肺音を確認する
注意点
- 感染予防に努め、細菌性静脈炎による敗血症を起こさないようにする
- 体動時、輸液ラインを身体の下敷きにして圧迫しない
- 上肢を挙上して輸液ボトルの液面の高さとの差を小さくしないよう注意する
- 輸液ライン内にエア発生した場合、輸液セットのチューブを巻き付けてエアを追いやる、注射器を接続してエアを吸引するなどの対応が必要である
- 患者が息苦しさや気分不快を訴えた場合はただちに注射を中止する
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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