固定処置に伴う神経障害の観察

固定処置に伴う神経障害の観察【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年6月20日
最終更新日:2018年11月27日
(変更日:2020年5月22日) ※

目的

  • 固定処置に伴う神経障害の観察ポイントをしっかりと押さえておくことで、重篤な神経障害を予防する

方法

橈骨神経麻痺

  • 橈骨神経は上腕骨後方を走行し、上腕骨外側上顆の近位で、上腕外側から前方へと走行する
  • 橈骨神経麻痺となると、母指指節間(IP)関節の伸展、手関節の背屈運動や中指節(MP)関節の伸展、母指の外転などが出来なくなる

正中神経麻痺

  • 正中神経は肘のほぼ中央を走行する
  • 正中神経麻痺となると、母指から環指における屈曲障害・知覚障害が出現する

尺骨神経麻痺

  • 尺骨神経は上腕の内側から肘の内側、さらに手の小指側を走行する
  • 尺骨神経麻痺となると、環指と小指の伸展が不可となり、手の尺側(小指側)に知覚障害が出現する

腓骨神経麻痺

  • 総腓骨神経は坐骨神経由来の脛骨神経と並ぶ大きな神経であり、膝窩の上方から外側に走行する外側腓腹皮神経と浅腓骨神経・深腓骨神経に分岐する
  • 腓骨神経麻痺となると、足関節や母趾の背屈運動が不可となったり、下腿の外側~足の甲にかけての知覚神経を引き起こす

観察項目

上肢

  • ギプスや包帯が各神経の走行部を圧迫していないか
  • ギプスや包帯の締め付けが強くないか(皮膚への食い込み等に注意)
  • 手関節・手指の運動は可能か
  • 手・手指、前腕のしびれや疼痛は無いか

下肢

  • 膝蓋骨が上を向いているか
膝蓋骨が外旋すると、敷布団や患肢挙上用クッション・ブラウン架台などで腓骨頭が持続的に圧迫される
  • ギプスの縁が腓骨頭を圧迫していないか
  • 足関節の背屈、足趾の背屈、総趾伸展ができるか
  • 足部や下腿外側に知覚障害やしびれはないか

注意点

  • 異常を発見した場合、ただちに医師に報告する
  • 患肢挙上架台やクッションが腓骨頭を圧迫し、医原性の腓骨神経麻痺を引き起こすリスクがある
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