清潔の援助3 入浴介助

目的

• 身体を清潔に保つと同時に、血行・新陳代謝促進、リラクゼーション効果を与える
• 創部だけではなく、全身の皮膚の状態を観察する場として活用する

必要物品・準備

• 着替え用の衣類
• 下着
• バスタオル・タオル
• 石鹸 ・シャンプー
• シャワーチェア

方法

1. 入浴の目的を患者に説明し、同意を得る
2. 入浴の方法（時間帯、場所、体位など）を患者と一緒に考え、入浴の際に注意する事項や協力して欲しい事柄について説明する
3. バイタルサイン・創の状態・炎症の有無・感染症・筋力などから、入浴が可能かどうか総合的に判断する
4. 室内の環境調整（室温の調整やプライバシーへの配慮など）と必要部物品の準備を行う
5. 創部や留置中のカテーテルがある場合は、感染防止のため防水性の素材のもので保護するか、キャップをする
6. トイレを済ませたうえで浴室に移動し、患者の希望を聞きながら無理のない範囲ですすめる
7. 入浴後、創部やカテーテル類を確認し、水に濡れてしまったドレッシング材は適宜交換する
8. 状況に応じ、バイタルサインを測定する

観察項目

• 入浴前後のバイタルサイン
• 疼痛の有無：部位・種類・強さ・体位による変動など
• 創部周辺の皮膚状態：発赤・発疹・腫脹・熱感・出血など
• 全身の皮膚の状態：発赤・発疹、皮膚の乾燥、掻痒感など
• 装具の跡
• 入浴中の訴え・表情

アセスメント

• 入浴介助が患者に適していたか検討する
• 患者自身が転倒や脱臼に注意して入浴できていなかった場合は、適宜指導する
• 立ち上がりや浴槽をまたぐ動作など、本人がやりにくいと感じている動作があれば理学療法士などにも相談し、重点的に訓練する

注意点

• 患者の状態によっては、禁忌の姿勢や関節の屈曲角度制限・免荷指示がある為、安静度について事前に医師に確認する
• その日の体調だけではなく、処置やリハビリ・検査・面会の有無など、患者のスケジュールや希望を出来るだけ優先して、時間調整を行う
• 浴室は滑りやすいので、手すりを使用するなどし、転倒に注意する