鼻鏡検査の介助
鼻鏡検査の介助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年7月3日
最終更新日:2013年7月3日
(変更日:2013年11月7日) ※
目的
必要物品・準備
- 前鼻鏡
- 後鼻鏡
- 額帯鏡あるいはクリニカルヘッドライトの光源
方法
前鼻鏡による鼻内の観察
- 前鼻鏡を左手で保持し、視野を広げ、光を入りやすくするため外鼻孔を拡大する
- 患者に正面を向かせた頭位で主に鼻腔の下半分を観察する(第1頭位)
- 患者の頭をやや後屈させ、主に鼻腔の上半部を観察する(第2頭位)
- 光源の妨げにならないように注意しながら患者の頭部を適切な角度に固定し、保持する
- 詳細に鼻内を観察する場合は、粘膜表面麻酔薬や粘膜収縮薬のスプレー噴霧や、薬液を綿棒に浸して鼻内に塗布する
後鼻鏡による鼻内の観察
- 患者に軽く開口してもらう
- 曇り止め用温風ヒーターにて後鼻鏡を適度に温める
- 左手に舌圧子を持ち、静かに舌を下方に押し下げる
- 右手に後鼻鏡を持ち、ゆっくりと口蓋垂の奥へと進める
- 患者にゆっくりと鼻呼吸をするように促し、鼻腔を後ろ側から観察する
レトラクターやネラトンカテーテルなど特殊な器具を用いると、更に視野が広くとれ観察が容易になる
咽頭反射が起こりやすい検査法なので、光源を遮ることのないように気をつけて患者の後側方に立ち、簡潔に検査の流れをを説明しながら緊張緩和に努める
頸部から肩部に緊張が起こると、咽頭反射の誘発や、咽頭の筋緊張による視野の狭窄が起こり、観察ができないので注意する
鼻内視鏡検査
フレキシブルファイバースコープ(撓性内視鏡)
- 検査は安全で痛みが少なく、短時間で終了することを患者に十分に説明し、恐怖感や不安感を取り除く
- 頭部の固定をしっかりと行う
- ファイバースコープの端を静かに患者の鼻腔内に挿入する
- 角度を変化させて鼻腔内を観察する
リジッドファイバースコープ(硬性内視鏡)
- 検査は安全で痛みが少なく、短時間で終了することを患者に十分に説明し、恐怖感や不安感を取り除く
- 頭部の固定をしっかりと行う
- ファイバースコープの先端を静かに患者の咽頭内に挿入する
- 咽頭の状態を観察する
観察項目
前鼻鏡の場合
- 下鼻甲介前端、総鼻道下部、鼻中隔下部の粘膜の色調・肥厚の有無と程度
- 分泌物の有無と量・性状
- 痴皮付着の有無
- 鼻出血の有無
- ポリープなどの腫瘍性病変の有無
後鼻鏡の場合
- 各鼻甲介の後端、各鼻道の後側、鼻中隔後端、嗅裂、蝶篩陥凹、ローゼンミュラー窩の形状と左右差の有無
- 上咽頭天蓋のアデノイドなどの腫瘍性病変の有無
- 耳管扁桃肥大の有無
- 両側の耳管咽頭口の狭窄や萎縮所見の有無
- 後鼻孔へ流下する分泌物の有無とその量や性状など
アセスメント
- 患者の状態や年齢などに応じた適切な検査方法に対する準備が行えているか
- 鼻鏡検査は、前鼻鏡検査(鼻腔を外鼻孔から観察する)と、後鼻鏡検査(鼻腔を口腔内より後側から観察する)の2種類がある
- 内視鏡検査は前鼻鏡や後鼻鏡と比較し、鼻腔内をさらに詳細に正確に観察することが可能であり、鼻腔内の処置や手術も的確に行うことができる
- 鼻内視鏡検査には鼻咽腔内視鏡検査、副鼻腔人口部内視鏡検査(ファイバースコピー)、嗅裂部内視鏡検査があり、内視鏡の種類にはフレキシブルファイバースコープ(撓性内視鏡)とリジッドファイバースコープ(硬性内視鏡)がある
- 耳鼻咽喉科用の神経質な患者や乳幼児には、撓性内視鏡が適しており、鼻腔内の処置や手術の際には硬性内視鏡が適している
注意点
- 内視鏡を消毒する際は、肝炎ウイルスやHIVなどの感染に注意し、検査直後、速やかに石鹸を用いて流水下で手指を入念に洗浄する
- 撓性内視鏡や硬性内視鏡は所定の消毒液に一定時間浸し、その後の水洗いを行い、消毒処理をする
- 撓性内視鏡のファイバーの断裂や、硬性内視鏡の鏡体部分やレンズの破損が生じないよう取り扱いには十分に注意する
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