マヒがある時の座位

マヒがある時の座位【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年6月29日
最終更新日:2013年6月29日
(変更日:2023年6月30日) ※

目的

  • 麻痺のある患者に適切な座位がとれるように援助する

座位とは

  • 上半身を約45度起こした体位→ ファーラー位(半座位)
  • 上半身を約15~30度起こした体位→ セミファーラー位
  • 上半身を約90度起こした体位→ 座位

必要物品・準備

  • ギャッチベッドまたはバックレスト(背もたれ)機能のあるベッド
    リクライニング車椅子など
  • 体位保持用枕など
    いろいろなサイズや形のものがあるので、患者に合わせて使い分けるとよい

方法

  • 患者をベッドやリクライニング車椅子に移乗し、姿勢をまっすぐに保つ
  • ギャッチアップの際は患者の全身状態を観察しながらゆっくり行う
  • ギャッヂアップ後に背中を一度ベッドから離し(背抜き)、寝衣のずれなどを整える
    背抜きによって、ズレが解消されると、褥瘡予防にもつながる
  • 枕やクッションなどで上肢全体を支え、体幹がずり落ちないよう調整する
    膝の下にも枕を入れるとずり落ちにくく、腹筋の緊張も緩和できる
  • 下肢の良肢位は以下の通りであるため、これらの良肢位を保つよう、枕やクッションなどを利用する
    • 股関節:屈曲15~30度、外転10度前後、回旋10度前後
    • 膝:屈曲10~20度
    • 足関節:底屈位5~10度

観察項目

  • ギャッチアップ前後のバイタルサイン、全身状態
  • 頸部、四肢、体幹の安定状態
  • 背部、臀部への過度な圧迫やずれの有無

アセスメント

  • ギャッチアップにより血圧低下など循環動態への影響をきたしていないか
  • 患者の状態に合わせた良肢位を保てているか
  • 半座位による臀部や背部のずれや圧迫、関節の過屈曲などが生じていないか

注意点

  • 必ず患者をベッドの中心になるよう姿勢を調整してからギャッチアップを行う
    ギャッチアップした際にベッドからずり落ちたり、上下肢の過度な屈曲により骨折するおそれがある
  • 患側の上肢が体幹の下敷きにならないようにする
  • 頸部が後屈すると誤嚥のリスクが高くなるため、枕などで保持する
  • 長時間の半座位は臀部や背部のずれを生じるため、十分な観察を行い適時除圧やポジショニングを行う

※【2017年3月23日】本文全体を 加筆・修正いたしました。

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