鼻閉患者のケアのポイント

目的

• 鼻閉患者に適切な看護を行う

疾患の概要

• 鼻腔内の通気性が悪くなり、鼻からの呼吸に影響を及ぼす状態のことである
• 鼻閉の原因には鼻腔内の分泌物、腫瘍などの占拠性病変、鼻腔を構成する骨、軟骨、粘膜の変形や腫脹、痂皮、上咽頭や外鼻孔部の狭窄、異物などがある
• 原因疾患の鑑別には、他の鼻症状の有無に対する問診のほか、前鼻鏡・後鼻鏡・内視鏡検査、アレルギー検査、画像検査などを行う

観察項目

• 両側性か片側性か
• 経過が一過性か持続性か
• 鼻漏・後鼻漏・くしゃみの有無
• 嗅覚障害の有無
• 鼻出血の有無
• アレルギー歴
• 外傷の既往
• 鼻・副鼻腔の手術歴
• 点鼻薬を含めた薬剤使用の有無

アセスメント

• 病態と原因の関連性について理解しているか
  • 両側性の鼻閉：アデノイドやアレルギー性鼻炎、急性鼻炎などによる鼻粘膜の腫脹原因となる
  • 片側性の鼻閉：鼻中隔弯曲症、鼻 副鼻腔腫瘍、片側性副鼻腔炎、鼻腔異物などが原因となる
  • 経過が一過性の鼻閉：アレルギー性鼻炎、急性鼻炎の発作時などで起こる分泌物の貯留や可逆性の鼻粘膜腫脹が原因となる
  • 持続性の鼻閉の場合：通年性アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎などによる不可逆性の鼻粘膜腫脹、鼻茸、アデノイド、鼻中隔弯曲症などの鼻腔の形の異常、上咽頭腫瘍、鼻・副鼻腔腫瘍などが原因となる
• 鼻閉による影響について理解しているか
  • 鼻閉がある場合、吸気の浄化、加湿・加温機能、音声の共鳴機能、嗅覚などの障害が起こり、睡眠障害、睡眠時無呼吸症候群、口腔内乾燥や味覚障害などの原因になる場合がある
  • 幼児期に鼻閉が長期間続くケースでは、口蓋の変形、アデノイド顔貌、咬合不全、歯列不整、胸郭の変形などの原因になる場合もある
  • 新生児や乳児期早期の場合は、換気障害や哺乳障害を起こすこともある.