緑内障手術患者への術前・術後ケア
緑内障手術患者への術前・術後ケア【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年9月17日
最終更新日:2013年9月17日
(変更日:2022年11月29日) ※
目的
必要物品・準備
- 緑内障手術での必要物品
- 器械および衛生材料
- 点眼麻酔薬、消毒薬、眼内還流薬など
アセスメント
- 術前検査、手術当日の流れ、術後の検査について理解しているか
- 患者の状態や背景などに合わせた看護計画を立てているか
看護のポイント
術前
- 線維柱帯切開術を行う場合、術者が患者の頭部側面や足側に座って執刀する場合もあり、その際は顕微鏡のフットスイッチなどの位置が変わるので、術前にあらかじめ確認しておく
- 白内障手術も同時に行う場合は、塩化アセチルコリンを使用することもあるので、すぐ用意できるように準備しておく
- 視力が良好であっても、視野狭窄が進行している場合も多いため、実際にはどれくらい、見えているのかを確認する
- 眼圧下降の点眼薬を複数、点眼する場合があるので、点眼スケジュールなどを作成するのも良い
- 手術当日は、事前に塩酸ピロカルピンを点眼し、縮瞳させる
白内障手術との同時手術の場合は、絶対に散瞳させなければならないので、最新の注意を払い、処置を行う
術後
- 線維柱帯切開術の場合、前房内へ逆流してくる静脈血によって手術創が閉塞しないよう、頭部挙上と安静臥床を促す
頭部挙上の期間は、最短では一晩であるが、長い場合は一週間程度かかる場合もある
- 術後、一時的に見えにくくなる場合があるので、患者に適宜、説明を行う
- 術後に一過性の眼圧上昇が生じる場合もあるため、眼圧上昇が疑われるような自覚症状(眼痛や頭痛など)があれば、すぐに伝えてもらうよう説明を行う
- 線維柱帯切除術の場合、とにかく手術した眼を圧迫しないように注意をする
- 手術後早期の場合、結膜から房水がさらに目の外へ漏出する可能性があるため、温かい流涙の自覚症状があれば、すぐに報告するよう指導する
- 房水漏出がある場合は、結膜の縫合の追加や、圧迫眼帯を施行する
房水漏出が見られない場合でも、濾過胞に房水が行きすぎて眼圧低下が認められる場合もあるため、その際も圧迫眼帯を施行する
- 眼圧が低下すると、低眼圧黄斑症や脈絡膜剥離などが起こる可能性があるため、可能な限り低眼圧を避ける目的で術後、房水濾過の具合を調節することが多い
- 線維柱帯切除術を受けた患者の場合は、結膜に細菌感染が起こらないよう、目の清潔保持と圧迫防止に努めるよう注意してもらい、眼脂や充血などが見られた場合は抗生物質の点眼薬を使用し、早めに眼科を受診してもらうよう指導する
線維柱帯切除術を受けた場合、濾過胞感染から眼内炎を起こすと、失明する可能性もあるため、早期発見・早期治療が重要となる
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