眼科特有の器械8 YAGレーザー
眼科特有の器械8 YAGレーザー【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年9月12日
最終更新日:2013年9月12日
(変更日:2013年11月12日) ※
目的
器械の特徴
- YAGレーザーは、イットリウム(Y)とアリレミニウム(A)を複合した酸化物からできたガーネット(G)の3つの個体(媒体)に光を当てることで、レーザー光線を発生させる医療機器である
※ネオジムを添加したものもある - レーザー光線により組織の破壊・切断・切除を行うことで治療効果を期待する疾患に対して使用される
- 従来のレーザーとの大きな違いは、レーザー光線のもつ波長であり、YAGレーザーの方が周囲への熱変性を起こすことが少なく、また選択的に組織を破壊・切除・切断することができる
- レーザー光線による合併症として、高眼圧、一過性の虹彩炎、網膜剥離などが見られる
- 選択的レーザー線維柱帯形成術、レーザー虹彩切開の際は、術後眼圧上昇の予防として交感神経α2遮断薬の点眼が有効である
使用の実際
代表的な使用用途:組織の破壊・切除・切断
必要物品
方法
- 後発白内障切開
- 後発白内障は、白内障の術後合併症の一つであり、後嚢の混濁によって視力低下が認められる
- YAGレーザーで後嚢を切開すると、視力改善が期待できる
- レーザー虹彩切開
- 原発閉塞隅角緑内障、虹彩後癒着による瞳孔遮断、原発閉塞隅角緑内障の他眼などがある場合、レーザーで虹彩周辺部に穴を開けることによって、房水の流れをスムーズにする
- YAGレーザーの使用のみでは、虹彩からの出血を来す可能性があるため、アルゴンレーザーなと併用することにより、出血の防止と総エネルギーの抑制が可能となる
- 選択的レーザー線維柱帯形成術
- 半波長YAGレーザーを用いることで、線維柱帯の色素細胞を破壊することや、房水の流れを良くすることが可能である
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